退職しても国民皆保険

会社員の健康保険は「健康保険組合」だったり、「協会けんぽ」等に加入しその保険料は40歳から64歳までの場合、給与の11.67%(令和2年4月以降・愛知県)と決められています。

この保険料を従業員は、事業主と折半して払うことになりますが、その計算等は会社で行って給与から差し引かれていますので、現役中はあまり気にしていない方もいるかもしれません。

会社員を辞めると、健康保険の被保険者の資格はなくなり、起業するか、無職になっても、どこかの公的保険に加入しなければなりません

一般的には、

1. 加入していた健康保険組合の任意継続被保険者になる

2. 国民健康保険に加入する、

3. 会社員である家族の扶養になる

保険料は3. の扶養に入る場合が1番安く済みますが、年間収入が130万円未満であること等、各健康保険により条件も違います。

配偶者か子が働いていれば検討すべきでしょう。

ちなみに3. の年収は被扶養者に該当した以降の年間見込み額です

退職しても国民皆保険

任意継続被保険者の保険料は高いか

任意継続被保険者の場合、保険料が退職時の給与から算出され、しかも事業主負担がなくなるため、高額になると思っていました。

筆者も、退職時に「協会けんぽ」に相談して分かったのですが、給与(標準報酬月額)の上限が月額30万円であり、その11.67%=月額3万5,010円(愛知県)以上にはならないことがわかりました。

なお保険期間は2年で保険料も原則変わりません

国民健康保険料(税)の計算

国民健康保険は市町村により「保険料」と呼ぶところと「保険税」のと呼ぶ場合があるようです。

筆者の地域では、保険税です。

問題は、保険料(税)です

前年のすべての所得(収入ではありません)を基準にして計算されます

しかも上限が月額8万2,500円(市町村で違います)となっています。

事前にどの公的保険に入るか調査しておこう

退職前に個別に相談しておこう

退職後にいきなり国民健康保険に加入すると、退職時の給与を基に保険料(税)を計算されるため高額になる方が多く、まずは任意継続を選択された方がよいかと思いますが、退職前に居住地の市役所等に行き、個別に相談されるとよいかと思います。

市役所等では、前年の収入を、把握していますので、収入資料なくても国民健康保険料(税)の試算をしてくれます。

しかし給与のみなら源泉徴収票、確定申告していればその控えを持参し、計算方法を確認するといいでしょう。

不動産収入のある方、土地売却の予定がある方はここがポイント

「会社員の加入する健康保険組合・協会けんぽ・任意継続」と、「国民健康保険」で大きく違うのは、収入基準の考え方です。

前者は給与収入のみです。

後者の国民健康保険は、前年度のすべての所得(収入でなく)を基準とします。

つまり、会社員のうちは不動産収入、土地売却があっても健康保険は増額しませんが、国民健康保険は、不動産収入による所得も不動産売却による譲渡所得もすべて加算した所得を基に計算されます。

自分で保険料(税)を試算されるときは、要チェックです。

また、土地の売却については、国民健康保険に切り替える2年前に売却されれば保険料に影響ありませんが、前年以降(前年の所得基準のため)ですと、国民健康保険が増額されます。

土地の売却を検討されている方は、その点も含め検討されるといいでしょう。(執筆者:1級FP、相続一筋20年 橋本 玄也)