複利の効果について、おぼろげに理解しながらも本当にその実力を実感できていないという方は多いと思います。

実感できない理由は、

複利の効果を得るには遠い未来まで待たないといけないから、現時点で自分事として把握しづらい

ということに尽きます。

アインシュタインも複利について「人類最大の発明」と呼んでいるくらいですから、やはりその効果は絶大なはずです。

その効果を実感すべく、シミュレーションで20年後、30年後にお金がどう変化するかを見ていきましょう。

単利と複利の違い

単利と福利のちがいを考える

単利

例えば手元に100万円があったとします。

年利が単利で3%である場合、来年には元本の100万円は103万円になります。

同じことが次の年も、その次の年も続くのが単利です。

2年目は106万円、3年目は109万円、4年目は112万円といった具合に非常にシンプルです。

複利

1年目は単利と同じで100万円が103万円になりますが、2年目からが単利と異なります。

単利は100万円に3%が毎年繰り返し追加されていくのに対し、複利は3%増えた金額にさらに3%が追加されます。

・ 2年目 → 106万900円 (103万円に+3%)

・ 3年目 → 109万2,727円(106万900円に+3%)

・ 4年目 → 112万5,508円(109万2.727円に+3%)

・ 5年目 → 115万9,274円(112万5,508円に+3%)

これが複利です。

複利で大事なのは時間を味方につけること

複利と向き合うのに最も大事なポイントは、「時間を味方につけること」です。

時間を味方につけるとは、

なるべく長い時間、なるべく大きな金額を持ち続けると飛躍的にお金が増える

ということです。

上記の場合、単利と複利の比較は5年目で1万円にも達しません。

しかしこれが10年、20年と期間が長くなればなるほど本領を発揮するのが複利効果です。

【10年 100万円】
単利130万円
複利134万3,916円
差額4万3,916円

【20年 100万円】
単利160万円
複利180万6,111円
差額20万6,111円

【30年 100万円】
単利190万円
複利242万7,262円
差額52万7,262円

20年で20万円、30年で52万円以上の差が生じます。

この差は、元本の大きさ、年利のパーセンテージによっても大きく変わってきます。

一例として300万円を年利7%と仮定し、10年・20年・30年で単利・複利のシミュレーションをしてみます。

【10年 300万円】
単利510万円
複利590万1,451円
差額80万1,451円

【20年 300万円】
単利720万円
複利1,160万9,040円
差額440万9,040円

【30年 300万円】
単利930万円
複利2,283万6,733円
差額1,353万6,733円

元本が同じ300万円であっても、時間を味方につけて年利7%ペースで30年経過すると、単利と複利とで1,300万円以上の差がつく結果となりました。

これが複利の力です。

年利7%は決して夢物語ではない

米国株式の代表的な指数であるS&P500(※)の年率平均は過去20年で7%を上回っています

もし20年前にあなたが300万円持っていたとしてS&P500連動の株を買い、それに手をつけずにいたとすると、何もせずとも400万円の利益を生んだということを意味します。

もちろん米国株が今後同じ成長を続けるか未来は誰も分かりません。

しかし年利7%と言うのは株式投資の世界では十分に実現可能な範囲です。

※米国で上場している代表的な500銘柄の株価を基に算出される指数、日本の東証株価指数(TOPIX)に相当

長期つみたて投資の重要性

早く長く投資することが大切

老後2,000万円不足問題が大きく取り上げられた後、投資に注目が集まっています。

税制優遇されたシステムとしてiDeCoやつみたてNISAなどがありますが、これは長期投資を前提としています。

そして、長期で投資を行うということは、投資から得られる利益と併せて、複利効果への期待も込められているということです。

複利を前提に考えてみると、今の1万円と20年後の1万円の価値が大きく違うことがわかります。

少しでも早く、複利の恩恵に預かれるよう運用を始めたいものです。

複利の力を理解し、信頼の置ける金融商品を早い段階から長く保有し続けることが重要です。(執筆者:五江渕 航洋)