今回はワンルームマンションの広さのお話です。
部屋を借りる場合、借り手は広いほうがよいという方が多いのが一般的です。
この一見当たり前の考え方ですが、投資用マンションについては投資効率(いわゆる利回り)というものがあります。
例えば面積が2倍であれば賃料も2倍というわけにはいきません。
つまり投資者側では面積が広ければ広いほど良いというわけではありません。

目次
ワンルームはどう変化していくか
しかし20~30年前に比べると、ワンルームマンションの広さは少しずつ広くなってきているようです。
つまり投資効率があまり悪くならない程度で、住環境の改善を図っていると言えます。
時代とともに借り手の要望が高くなるのはある意味仕方がなく、投資者側もそれに対応しなければなりません。
では具体的に広さがどのように変わってきているのか、また今後のワンルームマンションの投資対象のトレンドはどうなっていくのか考えてみましょう。
ワンルームマンション創成期(1R)
40年ほど前のバブル期に「マルコー」という有名な不動産投資会社がありました。
私は当時から投資用不動産には興味がありましたが、その頃はまだ雑誌や書籍で記事を眺める程度といったものでした。
その頃のマルコーのワンルームマンションは広さが15平方メートル前後の物件が多く、現在と比べるとかなり狭いものでした。
いわゆる「1R」と言われるもののはしりだったのでしょう。
ただこれらの物件でも経過年数が長いにも関わらす、ワンルームマンション開発の初期物件で立地条件が良いものが多く、現在でも投資物件として十分利用されているそうです。
定着期(バブル崩壊と投資用不動産の復活1K、1DKへ)
バブルが崩壊し日本経済が長い不況に入りました。
崩壊直後は当然ですがワンルームマンション市場は冷え込み、「投資用不動産不況」ともいえる時期もありました。
その後徐々に市場も復活しその面積は少しずつ拡大していったようです。
20平方メートル前後の「1K」や「1DK」が好まれるようになって、いわゆる「バス、トイレが別」といった住環境の中身が重要になってきたと言えます。
以前の「帰って寝るだけ」の空間から「過ごしやすい空間」に借り手のニーズが移ってきたのでしょう。
また法的なワンルームマンションへの規制が始まったのもこの頃です。
入居者のマナーの問題や、定着者が少なく住民税が増えないなど別の理由はありましたが、その面積規制により部屋の面積が一定以上ではないと建設できなくなったことも大きかったのです。
現在(充実した住空間へ)
現在ワンルームマンション経営においては、25平方メートル前後あれば単身者での十分な住空間が確保できるというのが定説となっています。
新築ワンルームマンションにおいても同程度の面積で販売されることが多いようです。
実際この程度の広さがあれば前述した「バス、トイレが別」であるとか、「キッチン部分のセパレート」「収納部分の確保」等がひと通りできる広さとされています。
間取りは定番のものが多いです。
最近は「ロフト」部分などを設けることにより、さらに過ごしやすさを追求する流れにもなっているようです。
このトレンドは今後も変わらないでしょう。
市場は東京や地方の中央都市に集中

現在のワンルームマンション市場はどうなのでしょうか。
・ 少子化による人口減少
・ 単身世帯は増加し
安心はできませんがトレンドとしてしばらくは悪くないようです。
ただこれは東京を中心とした少なくとも地方の中央都市までの場合であり、場所と立地条件は十分に考慮しないといけません。
ただ東京が飛びぬけているのは言うまでもありません。
トレンドは住み心地を重視する方向
またワンルームマンション経営には「空室」や「家賃の引き下げ」等のリスクが伴います。
他の賃貸物件、例えばファミリーマンションや一戸建てに比べると、物件の金額面や管理面、家賃保証が得やすい等メリットも多いです。
徐々に面積が大きくなっているワンルームマンションですが、その特性からその面積拡大には限界があると思います。
その代わり設備は年々充実しており温水洗浄便座やインターネットはもちろん、セキュリティ面(対面モニターやピンシリンダー錠、ダブルロック)等、新築のファミリーマンション並みの設備も導入されています。
このように後付できる設備の導入は、住み心地を重視するという現在のトレンドを反映しており、今後もこのトレンドは続きそうです。
ワンルームマンションは供給数も多くその面では競争は激しいです。
以上のことからその分いろんな面で小回りが利く優等生と言えるのではないでしょうか。
サラリーマンの不動産投資としては少なくとも入門編として最も適した方法だと言えそうです。
現在のトレンドをつかみ最適な物件を手に入れてください。(執筆者:不動産投資歴16年 堀江 優)