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「住宅ローンの××に注意!」という記事こそ注意すべき理由 不安をあおる仕組みと目的を知り財産を守る

ローン 住宅ローン
「住宅ローンの××に注意!」という記事こそ注意すべき理由 不安をあおる仕組みと目的を知り財産を守る

銀行員として住宅ローンに関わっている私は、

「住宅ローンを組むなら××にはだまされないで!」

「住宅ローンの××には注意しましょう!」

という見出しを見るとつい読んでしまいます。

しかしながら、こうした記事の多くは必ずしも読者のためではなく、むしろこうした記事にこそ注意が必要です。

住宅ローン破綻に注意という記事こそ注意すべき理由

注目させたいだけの記事

これは、問題提起をして読者の耳目を引くのが目的です。

目を引くために、目立つタイトルを使う傾向があります。

またその内容も、

論拠が乏しいのに、あたかも事実のように断言するもの

論理の飛躍やこじつけがある

と言った内容が目立ちます。

記事の内容例1

・ 住宅ローンの審査で、メガバンクより地方銀行の基準がゆるいのは、地方銀行が住宅ローン貸出を増やしたいから

・ 住宅ローンの審査で、返済比率を計算する際の想定金利を特定の金融機関で低めに設定しているのは、年収の低い人など、今までだったら借入できない人にも融資するため

住宅ローンの融資額を相談中

このような記事には疑問を感じてしまいます。

すべてが間違いとは言いませんが、しっかりとした情報源などが明示されていないからです。

たとえば「特定の金融機関は金利を低めに設定していることがわかりました」とありますが、記事の筆者は金融機関の人ではなく、どうして断言できるのでしょうか。

もし取材などにより、金融機関の職員が内情を明かしたなら、それは融資審査に関わる重要情報を漏らしたことになります。

あるいはそうした情報源がなく、筆者が推測で記事を書いているなら、これも問題があると感じます。

誘導するための記事

こうした記事では、不安をあおっておいて、そのための解決策を教えるという体裁をとりながら、最終的に何かに誘導しようとしています

記事の内容例2

・「住宅ローン破綻をしないためにはどうすれば良いか」という内容で、記事の中に任意売却のサイトのリンクがある

・「自宅を有効活用して老後資金を手にしましょう。そうすれば子どもに迷惑をかけずに済みます」と言った記事で、リバースモーゲージやリースバックの会社サイトに誘導する

任意売却

リバースモーゲージは、個人が自宅を担保にしてお金を借りる融資の一種です。

借りた人が死亡すると、そのまま土地を売却して借金を返済します。

高齢者向けに開発され、契約段階で子供が知らずにトラブルになるなど問題点もあります。

リースバックは、自宅を業者にいったん売却してお金を受け取り、今度はその業者に家賃を払い自宅に住み続けるという契約です。

当然、家賃の支払いが遅れると家を出て行かなければなりません


だまされないようにするには

まず注目させたいだけの記事に共通するのは、見出しが衝撃的で、それなのに解決策がないところです。

【例1】の記事は「注意してください」、「だまされないようにしてください」ということばで終わっています。

そして「じゃあどうすれば良いのか」という解決策はありません。

つまり問題提起で心配させておいて、それで終わりなのです。

このように不安をあおったあとは対応放置型の記事は、サイトへの流入やヒット数を稼ぐのが目的です。

解決策

ですから「それが目的なんだな」と、

いい意味で斜めから見るように意識して読むと、引き込まれ過ぎずに済みます。

この記事も問題提起はしていますが、ここで解決策を解説していますので、対応放置型ではありません。

いっぽう、誘導が目的の記事はすぐわかります。

なぜならこうした記事は、読み始めるとすぐにリンクやサイトURLがチカチカし始めるからです。

読んでいるあなたを誘導したくて待ちきれず、文中で何度も「そんな時には××がオススメ」と、あなたを引っ張ろうとします。

もちろん記事で商品やサービスを宣伝するのは、悪いことではありません。

しかしコロナの影響により、住宅ローン返済が大変になっている人も多くいます。

不安な気持ちにつけこみ大切な財産を狙う人もいるのは事実なので、表面的に問題提起する記事のフリをした誘導広告をしっかりと見極めるようにしてください。(執筆者:銀行員一筋30年 加藤 隆二)

《加藤 隆二》
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執筆者:銀行員一筋30年 加藤 隆二 加藤 隆二

バブル期に入社して、以来銀行一筋30年。お金にまつわるさまざまな相談にこたえてきました。時には返せなくなってしまった人からの相談にも、可能な限り親身になって対応してきたつもりです。銀行員として「あなたのために、なにができるか考えます」 最初の挨拶はいつもそう言ってきました。年を重ねた今も、気持ちは変わっていません。銀行員として、読者である「あなたのために」役に立つ文章を書いていきたいと思っています。 寄稿者にメッセージを送る

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