金利引き下げが無理なら、他にメリットを引き出そう

住宅ローン金利は銀行間の競争などで、で低水準が続き、また銀行の金利引き下げには限界があります。

そこで金利引き下げが無理なら、他のメリットを引き出すことを考えましょう。

金利の他に引き出したいメリットは、銀行によって、また人によっても違いますが、ここでは銀行員として私がおすすめできる3つを紹介します。

1. 団体信用生命保険をスペシャルに

銀行の住宅ローンには、原則として生命保険がセットされます。

借りている人の死亡などで保険金が支払われ、その時のローン残高を一括返済する仕組みで、これを団体信用生命保険と言います。

「お父さんが死んだら、住宅ローンはなくなって、おウチは残るからうれしいってお母さんが言ってたよ!」

これは妻が娘に話したそうで、非常にわかりやすい説明です。

金利引き下げが無理そうなら、団体信用生命保険をスペシャルに変えられないかを切り出して見ましょう。

団体信用生命保険にはがん特約、〇大疾病保証(〇内は3や5などの数字)、奥さまの保証オプションなど、現在はいろいろなタイプがあります。

こうしたスペシャルな団体信用生命保険は「付加価値型団信」、「ハイブリッド団信」とも呼ばれ、保険料がローン金利に0.2〜0.4%程度上乗せされるのが一般的です。

保険はスペシャル、金利はそのまま?

団体信用生命保険を変更するのは事務的に煩雑で、正直言うと銀行員には面倒くさい仕事です。

でも金利引き下げを諦める代償なら、銀行員も喜んで対応してくれるでしょう。

場合によって、金利はそのままで、団体信用生命保険がスペシャルになる可能性もあります。

※団体信用生命保険は健康状態など加入の審査があります。

また金利については個別の判断になりますので、必ず取引している銀行に確認してください。

決め台詞

「スペシャルな団体信用生命保険に変えてよ、金利はそのままで良いから」

2. 引き下げがダメなら「優遇」

優遇とは、基準となる金利から必ず低くする(優遇する)契約のことです。

現在の銀行住宅ローンはほとんどが優遇付きです。あなたのローンにも優遇が適用されているかもしれません。

この優遇をもう少し頑張ってもらう、というのがメリットです。

もう少しがんばって優遇して

優遇されれば金利交渉は不要

金利の交渉は、銀行に出向いて直接話し合うのが基本です。

しかし最初から優遇があれば、原則として黙っていても金利を下げてくれます。

優遇を具体的に言うと

「固定金利を選ぶときに、あなたは基準金利から必ず1%優遇します」

といったイメージです。

たとえばあなたが5年間固定金利の途中だとします。

その5年が過ぎて、次の金利はどうしよう…と考えるものですが、優遇があれば、その時の基準金利マイナス1%が約束されています。

優遇された金利で満足できれば、余分な交渉が省けます。

基準金利はそんなに低くない

基準金利とは、銀行で金利の基本とする指標的金利で「店頭表示金利」などでホームページでも公表されています。

参照1:三菱UFJ銀行 ローン金利
参照2:三井住友銀行 9月の金利ー住宅ローン(新規)

引用を見ると基準金利(店頭表示金利)はあくまで指標なので、かなり高めになっていることがわかります。

では、あなたが上記のように基準マイナス1%の優遇をもらったら、もうそれ以上の引き下げはできないのでしょうか?

いえ、そんなことはありません。

気に入らないなら、また直談判すれば良いのです。

抑えるべきポイント

金利交渉が無理なら優遇を引き出す

優遇されても不満なら、また直談判すれば良い

3. とにかくメリットを探す

例えばポイント還元、銀行のキャラクターグッズ、ラップや箱ティッシュなどの景品でもいいです。

あなたが「もうこのあたりで手を打ちますよ」と言ってあげることが、あとあと効いてきます。

金利交渉は、諦めない

がめついとか、みっともないとか、気にする必要はありません。

あなたは銀行のお客様ですから、堂々と主張してください。

そして銀行員もそのほうが助かります。

銀行員が怖いのは肩代わりされること

お客様が納得したと思っていたのに、ある日口座に大金が振り込まれて初めて、他の銀行で肩代融資されたことに気づくといった事態もよくあります。

肩代わりされると、そのあと引き止める交渉など非常に労力が必要になります。

そうなると、金利交渉の内容が問われて銀行員の人事評価に響いたり、場合によっては転勤していても慰留交渉に呼び出されたりする銀行もあります。

やばい怒られるってなる

銀行員にはノルマがある

こうした守りの作業には時間を取られたくありません。

お客様にしっかり納得してもらい、なおかつウラで肩代わりされないようにするには、多少無理してでも、お客様の要望は聞こうと考えるのです。

もっと言えば、ローンを死守できればいいので、できることはなんでもやるし、ここで余分な手間や時間を費やしたくありません。

金利交渉で引き下げが限界になっても、他のメリットを引き出してください

銀行員はお客様と交渉したことは、委細漏らさず記録します。

あなたが金利に敏感で、しかも欲しがる人だと記録されたなら、それはむしろ歓迎すべきです。

次に金利交渉することがあれば、銀行側はあなた欲しがりそうなメリットを、あらかじめ準備しているかも知れません。(執筆者:銀行員一筋30年 加藤 隆二)