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【住宅ローン】適正な借入額は「手取り収入で逆算」が安心 シミュレーショで解説

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【住宅ローン】適正な借入額は「手取り収入で逆算」が安心 シミュレーショで解説

住宅ローン相談の中で、最も気になるのが「この住宅ローンを組んで将来的に問題がないのかどうか」ということでしょう。

その根幹をなすのが、「適正な借入額はいったいいくらなのか」ということになると思います。

今回は一般論での盲点を指摘しつつ、新たな視点をお話したいと思います。

払いきれるか不安な「借入額」

住宅ローンの適正な借入額の一般的な考え方

借入額の適正性を判断する一般的な考え方は、税込年収に対する年間返済額の返済負担率(年間返済負担率)になります。

具体的には、この年間返済負担率がおおむね、20~25%の範囲内までに収まっていれば適正だと考えられております。

計算例を示しますと、

税込年収500万円
住宅ローン借入額3,000万円
借入金利1%、返済期間35年

月々返済のみ、元利均等返済としますと、毎月返済額は8万4,685円になります。

年間返済負担率=8万4,685円 × 12/500万円 × 100=約20.32%

となり、上記の20~25%の範囲までに収まっているとして適正だと判断されることでしょう。

※ 実際の借入審査に当たりましては、借入れる金利や返済期間ではなく、審査用の金利や返済期間についての考え方が適用されます。

年間返済負担率における適正性の判断の盲点は

年間返済負担率が10%未満の方から相談されました。

ライフプランニングのCF(キャッシュフロー)シミュレーションにおいて、72歳時から資産残高がマイナスに転落するという結果になりました。

適正な借入額ではなかったということです。

10%未満なのに、なぜこんなことが起こるのか

原因1:前年や前々年の税込年収が高すぎた

原因2:返済期間が最長で組まれていた

現在50歳の場合、最長29年の返済期間で住宅ローンは組めます。

前年の年収の維持はあと数年で定年年齢は60歳、片働きのため年金収入は一般的であるため定年後に急激にCFは悪化し、上記のような結果になった訳です。

年間返済負担率の盲点

審査時の税込年収の水準の妥当性と適正な返済期間の妥当性が必ずしも、担保されるわけではないということです。

もちろん、貸出金融機関もこのあたりを全く考慮せずに住宅ローン審査をするわけではありません。

現時点で属性の良い方(優良な貸出先のこと)に対しては年間返済負担率が40%近くになっても審査が通ってしまう現実があり、CFシミュレーションが悲惨な結果を招きました。

適正な借入額の考え方に新たな視点を提案

シミュレーション方法を紹介

CFシミュレーションで悲惨な結果にならないように、適正な借入額の考え方に新しい視点を提案したいと思います。

それは、手取り残生涯賃金に対する総返済額の割合というものでこの割合がおおむね、20~25%の範囲までに収まればいいという考え方です。

「手取り残生涯賃金」とは私が勝手に名付けたものですが、住宅ローン設定時から定年までの手取りの賃金総額のこと(給与所得者を想定したもの)です。

退職金をどこまで含めるかは状況に応じてご検討ください。

「総返済額」とは、金利を含めた返済総額のことです。

繰上返済等を予定される場合は削減される金利負担を考慮してください。

実務では、源泉徴収票や住民税決定通知書等を参考に年収推移をどう設定するかということになりますが、おおまかに具体例で示しますと下記になります。

今後の平均税込年収700万円(手取りをその80%として560万円、退職金は含めず)、定年まで15年、上記の割合を25%に設定すると、

560万円 × 15年 × 25%=2,100万円

となり、総返済額が2,100万円となるように住宅ローンを設定すれば適正な借入額になるという考え方をします。

逆算して考える

仮に元利均等返済、借入金利1%、返済期間29年で総返済額が2,100万円程度になるように逆算しますと、当初の借入額は1,820万円程になります

これなら、どのタイミングで住宅ローンを設定しても直前の税込年収の水準に関係なくまた、何年で返済期間を組んでも関係なく適正性を判断できるものと考えます。

一見すると難しい印象かもしれませんが、最近はパソコンやスマホで簡単に手取り年収や総返済額が計算できます。

平均税込年収の設定と借入金利の設定さえ大きく狂わなければ大丈夫でしょう。

しっかりとした設定でシミュレーションしよう

退職金や年金収入が非常に多い世帯や相続財産などを期待できるような方などには当てはまりません

退職金や年金収入に住宅ローン返済を依存することが危険な方には安全な考え方であると考えます。

厳密にはやはり、CFシミュレーションをしっかりとした設定でおこなうのがベストですが、そこまではという方は参考にしてみてください。(執筆者:CFP認定者、1級FP技能士 小木曽 浩司)

《小木曽 浩司》
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執筆者:CFP認定者、1級FP技能士 小木曽 浩司 小木曽 浩司

リップ ラボ 代表 1969年生まれ。大学卒業後、新卒で大手住宅メーカーに入社。約10年間、戸建住宅や賃貸住宅の営業に従事。その後、生損保乗合代理店に転職し、生命保険を使った企業の決算対策や退職金準備などを提案・営業する。そして、平成18年(2006年)6月にリップ ラボ(独立系FP事務所 兼 生損保乗合代理店)を開業し、独立する。現在は、生命保険・損害保険・住宅(不動産)・住宅ローンをひとつの窓口で、トータルにご相談に乗らせていただいております。また、専門家のネットワークを構築し、税金や相続、登記などの相談の窓口にもなっております。 <保有資格>:CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、ライフ・コンサルタント、損害保険プランナー 寄稿者にメッセージを送る

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