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その落とし物 「拾得者への報労金」と「個人情報の開示リスク」に注意せよ

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その落とし物 「拾得者への報労金」と「個人情報の開示リスク」に注意せよ

落とし物を拾い、所定の手続きを行い、落とし物を落とし主に返却した場合、拾い主には落とし物の価値の最大20%までの報労金を受け取ることが発生します。

これは、よく知られた一連の流れです。

この際発生する報労金の権利は拾ってもらったことへの善意のお礼ではありません。

拾い主は落とし主に対して報労金を請求する権利を有しています。

その権利行使のため、拾い主は落とし主の個人情報を取得できます。

今回は身近な落とし物に関する身近なやり取りであるのに、仕組みまではあまり知られていない落とし物の報労金について解説していきます。

財布を拾った

報労金を受け取る権利について

報労金を受け取る権利を発生させるには、落とし物を一定の期間内に届け出る必要があります

拾った場所が路上であれば7日以内に最寄りの交番か警察署に届け出を行います。

ショッピングモールなどの施設内で拾った場合は施設管理者などに24時間以内にそれぞれ届け出を行わないと報労金を受け取る権利を喪失してしまいます

報労金の額について

報労金の金額は、落とし物の価値の5~20%の範囲で、落とし主に対して請求できます

しかし施設などで拾得した場合は、施設管理者との折半となるため半分である2.5%~10%までが請求できる範囲とです。

また報労金を請求する際、取得物が現金などであれば金額の算出は簡単に行えます。

しかし、落とし物が中古の物品であると金額の算出は時価で行われることになります。

このため、落とし主・拾い主で報労金の額についてトラブルとなってしまうケースもあります。

報労金の額の妥当性について警察は介入できず、双方の話し合いによって決着をつける必要があります

最悪の場合は民事訴訟に至ってしまう恐れもあります。

こじれそうな場合は第3者を立てるなどして冷静に対処することをお勧めします。

個人情報の開示について

報労金の額を冷静に対処することをお勧めするのは、落とし主・拾い主の住所などの個人情報を双方が入手できるからです。

しかし、個人情報を入手する権利は落とし主・拾い主で差があります。

拾い主の個人情報は、拾い主の同意があった場合に限り落とし主に開示されます。

落とし主の個人情報の開示は落とし主の同意は不要なため、拾い主は請求するだけで落とし主の個人情報を得られます。

参照:群馬県警察

トラブルに巻き込まれないために

落とし物に気を付けて

落とし物の報労金の額は、落とし物の価値の最大20%まで請求できます。

中古の物品などの時価で算出される落とし物の場合、価値の額について拾い主と意見が分かれ、トラブルに至ってしまう恐れがあります

また落とし主・拾い主双方の個人情報を開示できますが、落とし主の個人情報は拾い主の請求のみで入手できます。

こうした場合、落とし物の価値以上のリスクが生じてしまうかもしれません

個人情報の開示は落とし主が落とし物の所有権を放棄することで行われなくなります

価値がさほどでもなく、拾い主が報労金の権利を放棄していない場合などは個人情報を開示されてしまうリスクも踏まえて対処されることをお勧めします。(執筆者:菊原 浩司)

《菊原 浩司》
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菊原 浩司

菊原 浩司

製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。 ≪保有資格≫2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級  寄稿者にメッセージを送る

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