資産運用で現在、金に対する注目が集まっています。

一般的に金は「有事の金」といわれることがあります。

これは地政学リスクが高まったときに買われることを指しており、コロナ禍の現在もまさにその状況です。

そのような中で資産運用のいち手段として、金に注目されている方も多いのではないかと思います。

そこで今回は、金投資の概要および金を資産運用に取り入れる際の注意点について解説します。

金価格の現状

コロナショック時には、金も他の金融資産と同様に一時的に大きく値を下げました

しかし、すぐに持ち直し価格が上昇に転じました

そして金の価格は2020年7月下旬に9年ぶりに最高値を更新し、今も過去の水準と比べて高い水準を維持しています。

参照:日本経済新聞 2020年7月27日電子版 金の国際価格、最高値突破 2011年以来9年ぶり 

金投資の種類と購入先

そんな金への投資には、大きく分けると2つの方法があります。

まず1つは現物で保有する方法です。

具体的には、金貨や金地金(いわゆる金の延べ棒)等を指します。

これらは貴金属メーカーや地金商から購入することが可能です。

もう1つは、金融商品として金を保有する方法です。

具体的には、投資信託、ETF等があります。

これらは証券会社で開設した証券口座から購入することが可能です。

金を現物で保有する場合も金融商品で保有する場合も、メリットおよびデメリットが双方にあります。

以下それぞれについて解説します。

現物で保有する

金を手元に保管できるのが魅力です。

金貨であれば装飾が施されているので、芸術品として鑑賞できますし、金地金も実際に金を持っているという実感を持てます。

一方で、現物として持っていると盗難に備える必要がありますし、金貨の場合は傷がついてしまうと買取時に価格が下落してしまいます。

また各種手数料は金融商品と比較すると高めです。

さらに保管方法によっては、業者が破綻した場合に金が戻ってこないケースもあります。

金地金

金融商品として保有する

管理がしやすい点と、現物での投資に比べて比較的低コストなのが魅力です。

また盗難や業者の破綻によって金を失うことがありません。

一方で、金を手元に置いておけないので、金に投資をしている実感が現物への投資に比べると得られにくいです。

金投資を行う場合の注意点

金投資に注意点は、他の資産運用のときと同様に「コストとリスク」です。

こちらも現物と金融商品とにわけて記載します。

現物への投資の場合

現物へ投資する場合は、売買時にどんなコストがかかるかよく調べることが大切です。

売買手数料以外にも、保管料や年会費がかかるケースがありますし、純金積立で現物への投資をしている場合は、金を業者から引き出す際にも手数料がかかります。

各業者に支払う手数料を見積もる際に、売買時手数料だけでコスト計算し割安だと思って始めても、実際は保管料や年会費等もトータルで計算したら割高なケースもあるので、注意しましょう。

2つの保管方法とコスト

また、純金積立している場合は保管方法もとても大切です。

純金積立で金を保管する方法には2通りあります。

1つは純金積立会社の資産と投資家の金を分けて管理する「特定保管」です。

もう1つは純金積立会社の資産と投資家の金とを同一に管理する「消費寄託」です。

後者の方が管理コストは安いですが、この場合は金の所有権が業者にある形態なので、業者が破綻した場合に金を手元に戻せなくなる可能性があります。

金融商品への投資の場合

証券会社の証券口座が必要なため、投資をする場合にはあらかじめ証券口座を開設しておくことが必要です。

いざ投資をしようと思っても、口座がなければ買いたいタイミングで購入ができません。

NISA口座も合わせて開設する場合はより時間がかかるので、特に注意が必要です。

また、金投資ができる金融商品にもさまざまなタイプがあります。

コスト面では現物よりは比較的低コストですが、金融商品間ではまちまちです。

それと同時に投資のリスクもそれぞれ異なりますので、相互に比較検討することも必要です。

中にはFXのように証拠金を利用しハイリスクハイリターンを狙うタイプ(CFD)もあるので、投資に不慣れな方は不向きなタイプも存在します。

集中的投資よりポートフォリオの一部に組み込む

金に投資する方法はさまざまなものがあります。

実際に投資する場合はそれぞれのタイプの違いを理解して、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。

また注目されているとはいえ、ずっと値上がりが続くものでもありません

投資対象に加える場合も金に集中的に投資するより、ポートフォリオの一部に組み込む観点も意識しながら利用してみてください。(執筆者:元証券会社勤務 佐藤 彰)