株主優待を受けるには通常、権利確定日に株式を保有していることが条件となります。
その他に、1年以上など決められた期間の保有が条件という銘柄もあります。
今回は、株主優待を受けるに当たって、1年以上の長期保有を条件とする、東証1部11月権利確定10万円以下、かつ、昨年10月よりも株価が上がっている3銘柄をご紹介します。
比較の参考とした時期は昨年10月10日と執筆時点の株価です。
目次
日本フィルコン(5942)

日常生活に欠かせない「紙」は、原料となるパルプ液を網でこすことによって、作られます。
「日本フィルコン(5942)」は、紙を作るときに必要となる高品質の網や、フィルターなどを製造する企業です。
株主構成には、日本の製紙産業を抄紙網で支えてきたとの自負を反映するような特徴があります。
株主には王子ホールディングス株式会社、大王製紙株式会社、日本製紙株式会社などが並び、3社を合わせると28%の持ち株比率となります。
プールのリニューアル事業や、リハビリ専用プールなどの市場にも取り組む予定で、これらの展開に期待です。
株主優待品は100株1年以上の長期保有で、500円相当のクオカードが送られます。
昨年10月10日時点の株価は501円、執筆時点では619円です。
調剤薬局「ファーマライズホールディングス(2796)」

日本国内の調剤薬局の店舗数は約5万8,000店と、コンビニエンスストアの数より多いと言われています。
そのような中、調剤薬局中堅の「ファーマライズホールディングス(2796)」は、昨年10月10日時点の株価は572円、執筆時点では773円と近年、上昇傾向にあります。
調剤薬局では必須の「お薬手帳」を電子化し、パソコンやスマートフォンで利用できるようにした「ポケットファーマシー」を活用したり、コンビニエンスストアのファミリーマートと提携して店舗開発を行ったりと、新たな取り組みに積極的です。
株主優待品は100株1年以上の長期保有で、歯周病予防歯磨き粉、除菌消臭水、ファーマライズホールディングスで使用できる2,500円分の商品券のいずれかを選べます。
ジェネリック皮膚外用剤品目数ナンバーワン「イワキ株式会社(8095)」

イワキ株式会社(8095)は、ファインケミカル事業部、医薬事業部、HBC・食品事業務、化学品事業部の事業を4本柱とした企業です。
1914年7月に東京の日本橋本町で創業し、古くから薬の問屋として事業の展開を続け、現在の代表取締役社長岩城慶太郎さんは4代目となります。
鼻づまりを緩和する薬の原料であるフェニレフリン塩酸塩の国内シェアがナンバーワン、ドライマウスを改善する薬の原料である合成ピロカルピン塩酸塩の世界シェアがナンバーワンなど、ニッチな分野でのナンバーワンが複数あります。
今年の株主優待品は現在検討中とのことです。
昨年は、100株1年以上の長期保有で3,000円相当の自社製品、あるいは日本赤十字社へ1,000円の寄附のどちらかを選ぶというものでした。
昨年10月10日時点の株価は519円、執筆時点では522円とあまり差はありません。
今期売上高と経常利益が前期比で増加していますので、今後の動向には注目です。
権利確定直前に変更する場合もあり
コロナ禍の影響で、業績の見通しを下方修正する企業が少なくありません。
それに伴って株主優待品の変更を権利確定直前に行う場合もあります。
実際に株式を購入する際には、株価と株主優待品を企業のHPにて再度確認されることをお勧めします。(執筆者:AFP 大川 真理子)