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【金先物価格】下落の背景と「上昇の可能性」に注目しておくべき理由

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【金先物価格】下落の背景と「上昇の可能性」に注目しておくべき理由

今回は、金先物価格が下げ止まっているなかで、今後上昇する可能性があるのかを解説していきたいと思います。

【金先物価格】下落の背景と「上昇の可能性」に注目しておくべき理由

金先物価格下落の理由

現在、商品先物全体的に下落傾向にあり、金先物価格も高値から大きく調整しています。

その原因となったのが、ソフトバンクGの米国株大量売却によるナスダック急落であり、金との連動性が高かったことから金先物価格も大きく価格を調整したのです。

さらに、直近の金先物のネットポジションを見ると、

・ 買いのポジションが大幅に積み上がっていて需給的に頭を押さえられていたこと

・ 今回のファーウェイ規制強化の影響

・ FOMC(連邦公開市場委員会)の結果を受けてドル指数が急上昇したこと

が下落の原因となっています。

そのため、今後のドル高シフトによる金価格の変動には注意しなければならないのですが、今後のマーケットイベントを考えると上昇に転じる可能性があるのです。

それは、11月に控えるアメリカ大統領選であり、バイデン氏が大統領に就任し、政権が民主党に移った際の大統領選リスクにマーケット関係者は備えているのです。

実際に、大統領選を控え数多くの悪材料が出てきていて、株式市場は大きく上下を繰り返しているのです。

大統領選を控えて株式市場が上下を繰り返している背景

では、その悪材料となどのようなものなのでしょうか。

1. トランプ大統領とバイデン氏の討論会の影響

今回のトランプ大統領とバイデン氏の初の討論会を受け、その内容に失望した市場参加者は非常に多かったものと思われます。

討論会の中身も全く議論とならずお互いに罵り合うだけの内容に、落胆の声を多く聞きます。

ニュースにおいても予想以上に最悪な内容だったと否定の声が多く上がっており、今回の大統領選は大いに荒れる可能性が高くなりました。

2. トランプ大統領コロナウイルス感染

10月2日、トランプ大統領がコロナウイルスに感染したことが発覚し、市場は大混乱しました。

世界のトップであるアメリカ大統領がコロナウイルスに感染したという事実が、11月の大統領選において不利な状況を作り出してしまったのです。

世論調査によるとバイデン氏の支持率がトランプ大統領を14%引き離しており、スイングステイトの支持率もバイデン氏に若干傾きつつあります。

そうしたなかで、トランプ大統領の選択肢はできるだけ早く退院して「コロナウイルスは大したことがない」というアピールをする必要があったのです。

そのため、重症患者用のレムデシビルなどの治療薬が使用され、トランプ大統領は5日に退院することになったのです。

しかし、今回の件を受けて企業側の反応も大きく変わり、米国企業の経営幹部の内77%がバイデン氏に投票すると明言しているのです。

バイデン氏が大統領に就任すると法人税が現行の21%から28%に引き上げられる可能性があることから企業にとっては大きなダメージとなるにも拘らず、バイデン氏支持となるとその意味合いは非常に大きくなります。

このように、いよいよバイデン大統領誕生というシナリオが現実味を増しつつあるなかで、株式市場への影響を真剣に考えなければならなくなったのです。

そのため、11月の大統領選リスクには十分に注意しておく必要があるものと思われます。

11月の大統領選リスクには十分に注意

3. トランプ大統領が追加経済支援策の協議停止を指示

10月7日、トランプ大統領が「追加の景気刺激策の協議を停止する」とツイートしたことで米国株式市場は急落しました。

数日前までは、早期の経済支援策実施に前向きなコメントをしていただけに、マーケットに冷や水を浴びせる形になったのです。

これに対してFRBのパウエル議長は、「景気刺激策を実施しないと経済がさらに悪化しかねない」と発言しています。

景気刺激策が大統領選後に実施されるとなると株式市場に予想外の悪影響を及ぼしかねないのです。

では、なぜトランプ大統領は協議停止を決定したのか。

これは、共和党が当初景気刺激策の規模を5,000億ドルとしていたものを1兆6,000億ドルと約3倍に拡大したにも拘らず、民主党は2兆ドル規模の要求を譲らなかったことが原因の1つと考えられます。

今回のトランプ大統領コロナウイルス感染により、トランプ陣営は大統領選に向けてのスケジュールを大幅に変更しなければならなくなりました。

そのため、トランプ大統領は大統領選に勝つために何が何でも株式市場を上昇させたいのです。

そうした背景から追加の景気刺激策を大統領選前に実行したいと考えていて、協議を停止することで民主党から譲渡案を引き出そうとしている可能性があるのです。

UBSは金への投資を推奨

UBSは、今後の大統領選リスクに備えてヘッジとしての金への投資を推奨しています。

これは、バイデン氏当選に備えた保険を意味するのですが、前述のように、現状では大統領選が予想外の方向に向かっているため、マーケットのリスクは日に日に高まっています

直近のトランプ大統領の件を受けて急上昇しているVIX指数(恐怖指数)を見てもこのことは明らかです。

ヘッジファンドが保険のためにオプションを購入しているからであり、機関投資家がこの大統領選をどれだけ不安視しているのかを意味しています。

こういった状況下では「有事の金」が買われる可能性が十分に考えられるため、その動向には今後さらに注目が集まるものと思われます。

「大統領選リスクに備えて金価格が上昇する可能性」に注目

現在のマーケット環境は、トランプ大統領がコロナウイルスに感染したことを受けて非常に不安定であり、何かしらのネガティブイベントが発生すると簡単に相場が上下する可能性があります。

機関投資家の動向を見てもそれは明らかであり、大統領選リスクに備えて金価格が上昇する可能性には注目しておいたほうがよいことでしょう。(執筆者:現役証券マン 白鳥 翔一)

《白鳥 翔一》
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白鳥 翔一

白鳥 翔一

大学院にて化学を専攻し、現在某証券会社にて働いている現役の証券マンです。周りに流されない独自の投資理論で営業活動をしており、そこで得た経験を生かしてライターとしても活動しています。 寄稿者にメッセージを送る

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