新内閣になり「地銀再編」という言葉がクローズアップされています。

銀行員としては地銀再編に思うことも多々ありますが、今はとりあえず静観しています。

地銀が再編されたらなにが起きるのか

一般の人が困ることはないのか

などの視点で、地銀再編で起こるかもしれないことについて解説し、対策を紹介します。

地銀再編

銀行員の行動に注意して「仕事の抱え込み」

地銀の再編が起こると、銀行と支店、そして銀行員などの人間もすべて再編されます。

そこではさまざまな問題や障害が発生すると予想されます。

自分が現在携わっている仕事についても、再編により大きく影響されるかもしれません。

普段のときでも複数の相談ごとを抱える銀行員は、仕事が「大渋滞」を起こしてしまう恐れもあります

普段でもいろいろ気をつかうのに、それが再編ともなると、まず指揮系統が変り、銀行員は誰に相談して誰に報告するか、わからなくなる可能性もあります。

再編で仕事の抱え込みがより多く発生することは心配です。

仕事の抱え込み

銀行員は、申し込まれた融資ができず断わらなければいけない場合、非常に神経を使います。

銀行はサービス業でありながら「お金を貸して」と頼まれています。

審査が通らず、そのことを相手に言いにくいので後回しにしていくと時がたち、事態はどんどん悪くなるばかりです。

対応が遅れ、1人で抱え込んだ銀行員は、その場を取りつくろう返事を繰り返すばかりで、融資希望日が近づくと、いよいよ追い詰められてしまいます。

これの件数が増え、銀行員が仕事を抱え込んでいきます。

住宅ローンを断れなかった後輩の事例

断れなかった 後輩の事例

地銀再編が起き、仕事の書か鋳込みが増えると、どのようなことが起きるか実際の事例を紹介します。

このような事例が多くなるのでないかと、心配しています。

一戸建て購入で住宅ローンの申込で、ローン審査は通らず、最終的に融資できないことが決定的になりました

担当が断わる説明ができず、ただ時間だけが過ぎました。

売買当日を迎え、窓口にお客様と不動産業者など、関係者一同が来店したときに、この事実が発覚しました。

そのときすでに担当は逃げていました。

売買当日に合わせて長期休暇をとっていました。もちろん計画的です。

それまでの間にも、お客様や業者から、その間も何度か問い合わせがあったようですが、彼はその場その場でウソをついていました。

1番不幸なのは、もちろんお客様です。

担当を信じて迎えた、家を受け取る当日、人生の中でも晴れがましくうれしい1日が、最悪の結果になりました。

当日は銀行も大騒ぎで、売買もとりあえず延期となりました

幸いなことに、このお客様は財力のある保証人が見つかり、融資も受けられました。

そして後輩は、会社を去りました。

会社を去る

対処法:顧客の立場でできること

仕事の抱え込みは、お客様の立場ではわかりません。

しかし、例えばローンの申し込みなら、確かめる方法はいくつかあります。

1. 証明書をもらう

2. 業者の営業マンに様子を聞いてもらう

3. 上司や本社に聞く

1.証明書をもらう

住宅ローンの場合、例えば土地や一戸建ての購入などで不動産業者から、ローンの審査が通った(通りそうだ)証明書の提出を求められる場合があります。

良く融資証明と呼ばれます。

・ 融資証明書

・ 保証応諾通知書※

と言った名前で、その人がローンを借りられ、お金が準備できることを主に不動産業者などが確認する目的です。

目的は上記の通りですが、こうした証明書があれば、審査はしっかり進んでいて、お金を借りられると、自分の目で確認できます。

※保証応諾通知:住宅ローンでは、保証会社がローンの保証をするのが一般的です。

保証会社があなたのローンを保証するという知らせが保証通知(証明書)なので、融資証明書ではありませんが、意味は近い書類です。

2.業者の営業マンに様子を聞いてもらう

電話で確認する

不動産業者などで、あなたを担当している営業マンに、銀行の様子を聞いてもらう方法です。

営業マンは銀行と人的パイプがあり、審査の様子など比較的素早く聞き出してくれます。

注意点1:営業マンの話は全て本当のことかわからない

必ずしも真実ばかりではないことがあります。

例えばローン審査は通ったのに、条件として何かを求められた時、そこに業者や銀行の意図がこもる場合があります(銀行クレジットカードを条件と言われたが、必須ではなかったなど)

注意点2:頼りすぎると、断りにくくなる

ローンの様子を聞くのもそうですが、営業マンに頼みごとをするときは慎重に考えてください

たとえば、他に良い物件が見つかったときに、断りにくくなることがあります。

注意点3:営業マンが審査を通すことは、絶対にできない

まれにですが、ローン審査が通らなかったとき「私がなんとかします」と、まるでそのような力があるように発言する営業マンがいるようです。

しかし、銀行の審査は業者から言われても結果は変わりません

仮になんとかなったと思えても、それは審査が通っただけです。

絶対に営業マンの力ではありません。

これと同じように

「A銀行はダメでしたが、B信金なら大丈夫、紹介します」

と言う営業マンもいます。

しかし、これも全て審査結果は申し込んだ人の属性によるものです。

絶対に、営業マンの力ではありませんから、ここは覚えておいてください。

3.上司や本社に聞く

「担当する銀行員と話していても、どうもはっきりしない」

「審査の結果が気になるのに、その話題になると、話を逸らす」

今回の例のように、審査結果が心配になった場合は、上司や本社に聞くことも有効です。

注意点1:銀行と一般の時間軸は微妙に違う

自分では待たされていると思っても、銀行ではそれほど待たせていないと考えている場合もあります。

銀行の融資審査は、元来時間がかかります

住宅ローンのように、売買などの期日が決まっている場合は、特に急いで審査しています。

現在は審査もAI化して、昔に比べれば回答までに要する時間も短縮されています。

たとえば住宅ローンなら、最短で即日に返答します、と言う銀行もありますが、あくまでケースバイケースですが、時間が迫ってきたなら、黙って待つ必要はありません

注意点2:自分がマイナス評価される恐れも

実際は審査が進んでいるのに、あまり急かせると、自分にマイナスとなる場合もありますので、ここは注意してください。

審査の進み具合をたずねるときは、まず冷静になりましょう。

特に言葉使いは、頭にきていても丁寧にが鉄則です。

自分は悪くないのに、口調や言動でクレーマー的に見られてしまっては、それこそ逆効果です

おすすめの確かめ方

おすすめの確かめ方

【おすすめ1】休暇を狙って連絡

担当する顧客には、事前に伝えると思うので、銀行の担当者の休暇を狙って

「いま、ローンの審査をお願いしている者ですが、休暇明けで良いので、連絡をいただけるよう〇〇さん伝えてください」

と伝言をします。

ローン審査を抱え込んでいれば、ここで社内にバレます。

銀行では、銀行員個人の受け持っている審査や相談は逐一報告する決まりになっていて、上司が把握していない案件は、原則としてあり得ません

連絡することで、抱え込んでいる事実が発覚する場合もあります。

銀行員の抱え込みや不祥事は、本人が休暇中に発覚することが多いです。

【おすすめ2】担当者へ伝言

担当の休暇がわからないときなどは、電話をして、折り返し連絡が欲しいと頼みます。

伝言することで、他人に知らせることが重要です。

担当がいた場合は、適当に話をして切ってください。

何度か電話しているうちに、伝言を残せるチャンスもきますし、周りも気にします。

起こって欲しくないこと

今回紹介した例は、地銀再編が原因ではありませんが、地銀再編でこのような「起こって欲しくないこと」も起こるのではと真剣に心配しています。

住宅ローンの話でしたが、例えば運用商品で実績が芳しくないなどの場合も通じると思います。

経済的にどう、政治的にこうなど高所からふかんした話しはできませんが、現場にいる人間としては、ヒシヒシと危機感を感じている毎日です。

私は30年の銀行員生活で、支店閉店を経験したことがあります。

この時もさまざまなことがあり、正直ものすごく疲れました。

1つの店を閉めるだけで苦労した経験から、銀行同士が1つになるのが、どのくらい大変なことか少しは想像できます

地銀再編は、大変なことでそこで働く銀行員だけでなく、お客様にもいろいろな影響が出てくると思います。

地銀再編が、社会のために必要なら良いのですが、それにより起こることも覚えておいてください。(執筆者:加藤 隆二)