平成26年に政府が打ち出した「地方創生」により地方移住がここ数年注目されています。

人口急減・超高齢化社会へ向かう日本の国策として注目されてきたキーワードですが新型コロナウイルスによるテレワークの増加もあり、新たな生活を模索する人々の間で郊外での生活を含めた地方移住が再び注目を集めています。

今回は移住先での生活費に関して、事前に確認しておきたいポイントをまとめました。

横浜と札幌の生活費はほぼ同じという事実

実際の移住経験から、田舎の生活費を費目別に検証

「地方移住をすると生活費が安くなる」

といった情報を、実際に地方移住した方の記事やコラムでよく見かけます。

農村へ移住して自宅で野菜を作ったり、また地方自治体の移住制度を用いて、家を一定期間無償で提供されているケースもあります。

しかし田舎に移り住むだけでは都会の生活費より安くなりません

実際に地方移住した著者の体験から、生活費の中で地方と都会で差が出やすい項目を検証しました。

1.【光熱費】移住先が寒冷地の場合は要注意

地方移住後の生活費を考える上で、最も地域差がでるのが水道光熱費です。

わが家は横浜から札幌に移住をしてきましたが、当初より想像はしていたものの、冬の光熱費が電気、ガスで月に1万2,000円前後だったものが3万5,000円程に跳ね上がりました。

田舎には都市ガスが通っていない地域もあり、プロパンを使用したり灯油、軽油を使用する住宅もあります。

これらの費用は都市ガスよりは高くなる傾向があります。

温暖な地域への移住は年を通して光熱費は安価に抑えられますが、寒冷な地域への移住は都市圏の時と比べ光熱費はかなり上がるので注意が必要です。

冬の北海道は光熱費がかかる

2.【水道料】移住先の地方自治体によって格差が大きい

水道は各地方自治体が独自で運営する事業のため、移住先によってかなりの格差があります。

国内で1番水道料が安価な富士河口湖町と、1番高い北海道夕張市を比べると、約8倍超の差があります。

著者の移住元の横浜市では1立方メートルあたり平均246円の水道料なのに対して、移住先の札幌市では1立方メートルあたり平均272円で、同じ使用量でも約10%近く水道料は高くなります

東京を始め都市圏の水道料は、しっかりとしたインフラとそれを使用する人口の多さに支えられおり、全国平均値より低い傾向です。

水道料は田舎への移住で上昇しやすい項目ですので、光熱費と合わせ注意しましょう。

3.【食費・日用品代】価格や品ぞろえで劣るケースも

毎日かかる食費や日用品代は地方移住後の方が安くなると思う方も多いでしょう。

しかし田舎に行けば行くほどスーパーやドラックストア、ホームセンターなどの日常品を購入できる店が少なく、都市圏よりは圧倒的に品物の種類が少ないうえに高く売られているケースも多いです。

移住先に産地直売所があれば、野菜や果物に関しては若干費用が抑えられる可能性もあるので、近くの小売店と合わせ事前に確認しておいた方が良いでしょう。

4.【自動車関連費用】地方生活に車は必須

田舎へ移住をすると必ず必要になるのが車です。

都市圏の生活では必要な時にカーシェアをする生活だった著者も、移住後に車を購入する事になりました。

マンションに住むと駐車場代もかかり、月々の車両保険やガソリン代もかかります。

都市圏の生活では全くかかっていなかった自動車関連費用も、移住後には新たな必要経費となるので事前に見積もっておきましょう。

地方の道を走る自動車

地方移住後も全体の生活費はほぼ変わらない

田舎に移住する事で当初は安くなると思っていた生活費ですが、実際は住居費以外の項目はほぼ同じか若干高くなるという結果となりました。

住居費においては田舎へ行けば行くほど土地の価格が安くなり、住居の購入、賃貸に関してもメリットはあります。

しかしその分車両関連の費用が追加となり、都市圏での生活時と地方移住後では、生活費の金額自体に変化は見られませんでした。

将来的に地方移住を検討している方々は生活費に関して以上の項目に特に注意をしつつ、移住後の家計を考える事をおすすめします。(執筆者:株式投資で運用資産1億、セミリタイヤを実現 松安 たいき)