新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、家計の見直し、マネープランの変更を迫られている人も増えています。

雇い止めにあった人、転職を検討している人が知っておきたい雇用保険の制度について、改正があった内容も含めて解説します。

【雇用保険に加入している人が失業した場合】

失業していることについて認定を受けた日に「基本手当」(いわゆる失業手当)が給付されます。

失業とは、労働の意思及び能力があるにもかかわらず、職業につくことができない状態をいいます。

つまり、「基本手当」は、求職をしていることを前提に支給される所得保障です。

【自己都合での失業の場合】

過去2年間で1年以上働いていれば、基本手当をうけられる「受給資格」が得られます

しかし、やむを得ない理由、例えば、

・ 雇い止めに

・ 勤め先が倒産

など、自己都合の退職であっても正当な理由がある場合などは、過去1年間に6か月以上働いていれば受給資格が得られます

基本手当はいくらもらえる?

基本手当はいくらもらえるのかしら

基本手当は、離職前の賃金を基に計算されます。

上記の算定対象期間のうち、働いて給料をもらっていた日が11日以上か、80時間以上であった月(被保険者期間といます)の最後の6か月間に支払われた賃金総額を180で除して、賃金日額を計算します。

これには臨時の収入やボーナスは参入されませんが、通勤手当や残業手当などの各種手当は含まれます。

これに一定率(80%~45%)を乗じたものが基本手当の日額です。

基本手当が何日間支払われるかは、何年勤めていたかによって変わります

自己都合の退職、定年退職の場合

10年未満 → 90日
10年以上20年未満 → 120日
20年以上 → 150日

年齢による差異はありません。

受給できる期間は原則1年です。

それ以外の離職理由(解雇、倒産など)

年齢などにより再就職が難しいとされる場合は、給付日数が長くなっています。

1番高いのは、45歳以上60歳未満で20年以上働いていた人で330日です。

障害があるなど就職するのが難しい場合

働いていた期間が1年未満の場合 → 年齢に関係なく150日

1年以上 → 45歳未満は300日、45歳以上60歳未満は360日

所定給付日数が300日を超える場合

300日を超える日数を1年に加算した期間が受給できる期間になります(特例による延長もあり)。

なお、今年6月の雇用保険特例法施行により、新型コロナの影響で失業した人への基本手当の給付日数が60日間延長されました

自己都合の人には適用されません。

参照:厚生労働省厚生労働省厚生労働省(pdf)

基本手当は公共職業安定所(ハローワーク)で申込

基本手当をもらうには、公共職業安定所(ハローワーク)に行き、求職の申し込みをします。

会社都合での退職などが、7日の待期期間を経て基本手当を受けられますが、正当な理由のない自己都合の退職は、3か月間の給付制限期間を経てからの支給開始となります。

コロナ禍での業績悪化などで転職したいと思っても、実際に会社が倒産したりしない限りは、自己都合となってしまうので、給付を受けられるのは、離職票提出からおよそ4か月後になります。

それが、令和2年10月1日以降、正当な理由がない自己都合により退職した場合でも、給付制限期間が「2か月間」に短縮されました。

ただし、給付制限期間の短縮措置は、5年間のうち2回までに限定されています。

5年以内に3回の離職がある場合は、3回目の離職に係る給付制限期間は3か月となります。

給付制限が2か月に短縮されました
≪画像元:厚生労働省厚生労働省厚生労働省(pdf)≫

求職活動支援費

労働者が失業をした場合に、生活の安定を図るために支給される「求職者給付」には、「基本手当」の他にも求職活動時に利用できる「求職活動支援費」というものがあります。

広域求職活動費

ハローワークの紹介で、遠隔地にある企業の面接を受けたときの交通費や宿泊が支給されるものです。

短期訓練受講費

ハローワークの指導で受けた訓練の受講料が2割(上限10万円)が支給されます。

求職活動関係役務利用費

面接や訓練を受講した時に利用した保育サービス利用料の8割が支給されます。

雇用保険には、そのほか、「就業促進手当」や「教育訓練給付」「雇用継続給付」などの失業給付等があります。

所得保障を受けながら、求職活動を行い、生活を再建、安定を図ることが可能ですので、ハローワークで相談してみてください。(執筆者:CFP® 認定者 岩城 みずほ)