2020年10月19日からGo To Eatキャンペーン(以下Go To Eat)のオンライン予約ポイント付与の対象に「くら寿司(証券コード:2695)」が加わりました。
オンライン飲食予約サイト「EPARK」から予約・来店するとランチタイムには1人500ポイント、ディナータイムには1人1,000ポイントがもらえます。
ただし、1人当たり付与ポイント以上の飲食が必要です。
Go To Eatの対象になって「今後はファミリー層がどんどんとお店に来るようになるから今くら寿司の株を買っておこう」と考える方は多いかもしれません。
しかし、私は3つの理由で「くら寿司の株を今は買うべきではない」と考えます。
目次
くら寿司の株をいま買うべきではない理由
くら寿司の株をいま買うべきではない理由は、大まかに以下の3点です。
2. 客単価が上がらない
3. 利益率は下がる恐れがある
では順にご説明していきます。
1. 現在混雑している背景には「鬼滅の刃」あり

くら寿司では、現在映画が大ヒット中の「鬼滅の刃」とコラボキャンペーンを実施しています。
2,000円以上の飲食ごとに下敷きをもらえたり、ビッくらポンで鬼滅の刃グッズが当たったり、コラボメニューも展開しています。
くら寿司はコラボキャンペーンの追い風もあり、9月の既存店売上昨年対比は107.9%とコロナ禍で減った売上を大きく回復させました。
ただし、このコラボキャンペーンは10月で終了してしまいます。
くら寿司の決算月は10月で翌年の決算は11月から始まるため、「鬼滅の刃コラボキャンペーン」が10月に終了するとその業績は翌年には反映されません。
今後の株価は翌年の決算予想を織り込んでいくため、どれだけ良いキャンペーンを展開しても業績への継続性がない限りは過大に評価することは危険です。
来年も鬼滅の刃とのコラボキャンペーンを実施する可能性はありますが、映画が大ヒットしている現在のキャンペーンと同等の効果があるかは分かりません。
2. 客単価が上がらない
Go To Eatはランチタイムには1人500円分、ディナータイムには1人1,000円分の食事をすればポイント付与の対象になるので、この金額以上に飲食する方は減ることでしょう。
さらに、最もお金を使うであろう「子育て世帯」がくら寿司でGo To Eatする場合にランチタイムを選ぶ方が増えることでしょう。
私の体験談ではありますが、小さい子供がいる場合には予約時間まで子供が寝ていることがあり、起こして出かけようとすると機嫌が悪くなりお出かけの準備に時間がかかります。
つまり、子育て世帯には圧倒的にランチ予約のほうがラクです。
子供が大きい家庭では、友達と遊ぶ予定や部活があったりするので、ディナータイムの予約を取るのが難しいかもしれません。
ランチタイムに予約を入れる方が増えると、客単価に下げ圧力がかかりやすいと言えます。

3. 利益率は下がる恐れがある
くら寿司でGo To Eatを利用する場合には、オンライン飲食予約サイト「EPARK」から予約・来店する必要があります。
オンライン飲食予約サイト経由で予約が発生すると、飲食店はサイトに手数料を支払う必要があります。
すると余計な経費が増えてしまうので利益率は減少しやすいと言えます。
Go To Eat期間中の売上は今年の不調だった時期に比べて増加する可能性は高そうですが、
は頭に入れておきましょう。(執筆者:株式ディーラー歴10年 勝越 晴)