新型コロナウイルスは雇用環境も一変させました。

解雇や雇い止めなどで仕事を失った人は6万人以上になることが明らかになりました(2020年10月2日現在・厚生労働省調べ)。

失業したら最も頼りになるのが失業手当です。コロナの影響で条件が緩和され、給付を受けやすくなりました。

しっかりと失業手当をもらうために、最新の条件を解説します。

失業手当の受給要件が緩和 会社都合・自己都合・派遣の場合を解説

失業手当を受けるための条件が緩和(令和2年8月1日以降)

まず、失業手当(失業等給付)を受けるためには、雇用保険に入っている必要があります。

雇用保険に加入できる要件

・ 1週間あたりの労働時間が20時間以上

・ 雇用の見込み期間が 31日以上

次に、失業手当を受けるためには、雇用保険にある一定期間以上加入している必要があります。

しかし、コロナの影響でシフトを減らされたなど、勤務日数が少なかった場合には雇用保険の加入期間にカウントされないケースが発生します。

そのため、令和2年8月1日以降の退職には勤務日数だけでなく労働時間でもカウントできる新しい基準が追加されました。

令和2年8月1日からの「被保険者期間」の算出方法

・ 賃金支払の基礎となった日数が11日以上である月

あるいは

・ その月における労働時間が80時間以上

この条件を満たせば「雇用保険に加入している月」として数えられるようになりました

【会社都合の場合】
退職日までの1年間に雇用保険に加入していた月が通算して6か月以上あれば失業手当を受けられます。

【自己都合の場合】
2年間で通算12か月以上必要です。

派遣社員でも失業手当を受けることは可能です

コロナは派遣で働く人の「雇い止め」も大量発生させました。

雇い止めとは、契約満了で更新されずに契約が終了し、さらに派遣会社からも次の仕事を紹介されずに解雇となる状況のことです。

筆者も雇い止めにあい、雇用の悪化を実感しました。

【会社都合の場合】

もし、次の仕事が見つからない・紹介されない場合は「会社都合での退職」扱いです。

派遣社員でも1年間のうち6か月以上雇用保険に加入していれば失業手当を受けられます。

早めに離職票を請求しましょう。

【自己都合の場合】

自己都合退職の場合には条件が変わります。退職日までの2年間に雇用保険に加入していた月が通算して12か月以上あることが必要です。

自己都合での退職とは、条件に合う仕事を派遣会社から紹介されたにもかかわらず個人的な理由で断ったケースです。

自己都合となる理由の例

・ しばらくお仕事せず休みたい

・ 勉強するため働けない

「通勤時間や勤務時間が長すぎる」といった労働条件が合わずに断った場合には会社都合となります。

仕事を断る理由はあいまいにせずにはっきりと伝えることが大切です。

ちなみに筆者の場合、多忙をきわめる派遣会社から仕事の紹介はありませんでしたが、複数の派遣会社に登録してなんとか自分で次の仕事を探し出しました。

離職票を早めに請求

「コロナ特例」で自己都合退職でも手厚い失業手当

「コロナ特例」によって、自己都合退職でも手厚い失業手当を受けられる可能性があります。

令和2年5月1日以降にコロナによる影響で自主退職した方は「特定受給資格者」にあてはまります

【コロナ特例の特定受給資格者の条件例】

・ 本人の職場で感染者が発生したこと

・ 本人もしくは同居の家族が基礎疾患を有すること

・ 本人もしくは同居の家族が妊娠中であること

・ 本人もしくは同居の家族が高齢(60歳以上)であること

この場合には自己都合の退職であっても、過去1年間のうち6か月以上雇用保険に加入していれば失業給付を受けられます

あてはまると思われる方は最寄りのハローワークにぜひ相談してください。

自己都合での失業手当の給付制限期間が2か月に短縮 (令和2年10月1日以降)

会社都合でもコロナの影響でもない、自己都合による退職の場合には、これまでは失業手当の給付開始まで3か月も待つ必要がありました

しかし、10月1日以降に退職された方は、この期間が2か月に短縮されました(ただし5年間のうち2回の退職まで)。

失業手当の振り込みが今までよりも1か月早くなります。次の仕事がなかなか見つからないときには大きな安心になりますね。

失業手当は頼りになるライフライン

コロナは安定した雇用も揺さぶりました。次は年末に失業・雇止めが多く発生すると見込まれます。

もしものときに失業手当はとても頼りになるライフラインです。国も社会の状況に合わせて対策を充実させています。

今後もルールが改善される可能性がありますので、最新の情報をぜひチェックしてください。

困ったことや疑問があれば、直接ハローワークの窓口にお尋ねください。それが最も早くて正確です。(執筆者:安藤 鞠)