テレビCMなどで「女性のための保険」というフレーズを聞かれたことがある方は多いのではないでしょうか。

「女性のための保険ってどんな保険?」

「女性のための保険は必要なの? 」

「普通の保険と何が違うの?」

今回は、このような疑問にお答えしていきたいと思います。

「女性のための保険」 は必要ない 通常の医療保険で十分な「3つの理由」

女性のための保険とは

女性特有の病気になってしまった場合、通常の保障に上乗せして給付金を受け取れる保険、それが女性のための保険です。

多くの保険会社が女性のための保険を販売していますが、

(a) 女性疾病特約:
通常の医療保険に特約として保障を上乗せする

(b) 女性専用保険:
保険自体を女性専用の医療保険にする

の2パターンに別れます。

どちらのパターンでも内容はほぼ同じです。

保険自体が女性専用である場合よりも、(a) の通常の医療保険に女性疾病特約を付帯するパターンのほうが多いのでこちらを例に解説します。

女性疾病特約の給付の例

では、女性疾病特約で実際にどのくらい受け取れるのかを見ていきましょう。

前提

入院日額5千円、手術給付金10万円、女性疾病特約5千円付帯の医療保険に加入していて、女性特有の病気で5日間入院

給付金

この場合の給付金の受取額は「通常の入院給付金5,000円」+ 「女性疾病特約5,000円」の合計が入院日数分受け取れますので、

1万円 × 5日間 = 5万円

を受け取れます。

女性疾病特約を付帯していない場合と比較すると倍も違いますので、より安心できると思われるかもしれません。

保険会社によっては手術給付金も上乗せされたり、帝王切開や乳房再建術などに焦点を当てた保険もあります。

女性のための保険が必要ない理由

では、この女性のための保険、女性疾病特約は必要なのでしょうか。

結論としては、必要ありません

通常の医療保険で十分です。その理由を以降で順番に解説していきます。

1. 女性特有の病気だからといって治療費が高いわけではない

女性特有の病気だからといって治療費が高いというわけではありません。女性のための保険が必要ないと言える最大の理由がこれです。

かかる治療費は女性でも男性でも同じです。

2. 高額療養費制度が使える

女性特有の病気でも他の病気と同じように高額療養費制度が使えます

高額療養費制度は病気、ケガは問われないことはもちろん、その病気の種類も問われません。

自己負担しなければならない治療費の上限が設定されているにも拘らず上乗せして保障を確保する必要はないと言えます。

3. 特約保険料が高い

特約保険料が高い

女性疾病特約は保障の上乗せなので、その分毎月支払う保険料も高くなります

医療保険の掛け金は家計の観点からすると支出です。

治療費が高くなるわけでもないのに心配だからと支出増を許容するのはいかがなものでしょうか。

これらが女性のための保険は不要とされる主な理由です。

実際にプロ仲間でもこの保障を付帯している人はほぼいません

入院の保障は通常の医療保険、がんの保障は通常のがん保険で十分です。

保険に加入する目的は「不測の事態の際の経済的負担の軽減」という方がほとんどだと思います。

日本の場合には社会保険制度が充実しているので治療費が工面できなくて破綻する人はほとんどいません。

医療保険自体が最低限の保障でよいとされている昨今、特に治療費が高くなるわけではない病気に対して保障を上乗せする必要は全くないと言えます。

必要かどうかを冷静に見極める

女性特有の病気になってしまった際の「精神的負担」を引き合いに検討される方もいるようです。

確かにその精神的負担は男性の私には計り知れませんし、安易に語れません。

しかし、それを引き合いに保険に加入してしまうと際限がなくなってしまいます。

保険は不測の事態に備えるものです。感情的に判断するものではなく、合理的に判断するべきです。

「欲しい欲しくない」ではなく「必要か不要か」で判断されることをおすすめします。

テレビCMは心理操作

再度結論を申しあげますが、「女性のための保険」は不要です。通常の医療保険に加入すれば十分です。

テレビCMなどでよく見かけますが、あれは心理操作に近いものだと思ったほうが冷静に判断できることでしょう。

心配だからといって加入すればその分の保険料が高くなってしまいます。

女性特有の病気だからといって治療費が高くなることはありませんので、必要最低限だけ加入すれば大丈夫です。

3割負担や高額療養費制度を考えれば通常の医療保険で十分だと考えます。

保険は、合理的な判断で加入の是非を判断されることを強くおすすめします。(執筆者:FP歴10年 冨岡 光)