しばらく落ち着きを見せておりましたが、最近になり再度新型コロナウイルス感染者が増加していることが報道されています。

緊急事態宣言が発令されていた頃と比べれば落ち着きを見せている印象はありますが、まだまだ予断を許さない状況であることに変わりはありません。

そんな事情を加味してか「コロナ保険」なるものが発売され、テレビCMなどでも話題になりました。

今回はこの「コロナ保険」の必要性について解説していきたいと思います。

コロナ保険は必要なし、通常の医療保険で十分な理由

「コロナ保険」は必要か

早速結論ですが、コロナ保険は不要です。

通常の医療保険で備えは十分と考えていただいて問題ありません。

新しい話題性とともに新商品が開発されるのはどの業界も同じですが、その必要性については冷静に判断する必要があります。

以下、コロナ保険を不要とする根拠について解説していきます。

新型コロナウイルスの治療費は通常の感染症と同じ

コロナ保険を不要とする1番の理由がここです。

新型コロナウイルスに感染したからといって、特別大きな治療費がかかるわけではありません

健康保険適用にもなるので窓口負担は3割です。

「指定感染症」にも認定されているため、治療費が公費で負担される面もあります。

「コロナにかかったら大変!」といった心配は大きいかと思いますが、治療費という観点からは大きな負担となることはありません。

治療にかかる費用という点については他の病気による入院と同様に考え、既に加入されている医療保険で十分対応可能だとご認識ください。

コロナに感染しても治療費は通常の感染症と同じ

通常の医療保険の給付対象となる

先にも触れましたが、各保険会社は新型コロナウイルス感染症による入院についても通常の医療保険の給付対象にすると表明しております。

入院給付金日額5,000円の医療保険に加入していた場合、新型コロナウイルスで10日間入院した場合も通常通り、5,000円 × 10日間 = 5万円の給付金を受け取れます。

治療費が特別高額になるわけでもなく、通常の医療保険も適用されるので上乗せして保障を確保しておく必要はありません

自宅療養でも給付対象となる場合も

保険会社によっては医師の指示による「宿泊施設や自宅における療養」でも医療保険の給付金の支払い対象としてるところもあります。

むしろメジャーどころの保険会社はほぼ対応しております。

少額短期保険からも「コロナ助け合い保険」が発売されておりますが、既に各保険会社が給付対象と表明している今、その必要性は低いといえるでしょう。

死亡保障も既存保険で対応可能

入院だけでなく死亡についても同様です。

各保険会社の既存の死亡保険の支払い対象となっています。

幸いにも日本では新型コロナウイルスによる死亡率は諸外国と比べて低い水準を維持しております。

医療保障同様、死亡保障を上乗せする必要も全くないと言えるでしょう。

「コロナ保険」は10年間の更新ごとに掛け金が高くなる

業界で1番最初に「コロナ保険」として商品開発したのが太陽生命です。

発売当初はCMでも盛んに流れておりました。

新型コロナウイルスなどの「感染症」で入院してしまった場合、入院一時金などが通常の医療保険の給付金に上乗せして支払われるという保障内容です。

必要か不要かは別の問題として、この保険は10年更新です。

つまり10年ごとに掛け金が高くなるタイプの更新型保険なので長期的に継続することはおすすめできません。

「今回の新型コロナウイルスだけでなく、将来的に発生するかもしれない新たな感染症対策」として考えたとしても、掛け金が高くなり続けるのは許容しがたいことです。

将来的な新たな感染症についても今回同様、既存の医療保険で対応可能であると容易に想像できます。

あえて「コロナ保険」に加入する必要はないと考えます。

コロナ保険は10年ごとに保険料アップ

「経済的な必要性」の観点から冷静な判断を

・ 新型コロナウイルスに感染しても、治療費が高いわけではない

・ 各保険会社の既存医療保険が新型コロナウイルスにも対応している

・「コロナ保険」は10年更新で掛け金が高くなる

これらの理由から「コロナ保険」は不要です。

保険本来の目的は「発生してしまったら経済的に困る事象」に対して事前の備えをしておくことです。

経済的な観点から判断すると、新型コロナウイルスに感染してしまうリスクは死亡やがんなどの大病といったリスクと比較するとそのダメージは少ないといえます。

連日の様に報道されているため不安を抱く方は多いかもしれませんが、新たな保険で保障を上乗せする必要性は低いとお考えください。

保険業界においては「人々の不安」に向けて新商品が開発されます。

「不安」といった感情的な側面から判断するのではなく、「経済的な必要性」という側面から冷静に判断することをおすすめします。(執筆者:FP歴10年 冨岡 光)