「人生100年時代」と言われる中で、できるだけ長く働き続けたいという希望を抱いている方々も多いと思います。

キャリア形成を支援するためにさまざまな学びの機会が提供されていますが、資格取得などのために本格的に学ぼうとすると、かなり高額の受講費となる場合があります。

そこで活用したいのが、教育訓練給付制度です。

教育訓練給付制度とは

教育訓練給付金とはどんなものでしょう
≪画像元:厚生労働省

教育訓練給付制度とは、雇用の安定や再就職の促進を目的とし、国が指定した講座の受講費の一部が支給される制度です。

雇用保険に一定期間以上加入をしている労働者が職業訓練を受けたり、資格試験の予備校に通ったり、通信教育を受けたりなど、国の指定を受けた教育訓練機関を使って自己啓発を行った場合、負担した費用の一部が国から支給されるというものです。

雇用保険の支給要件を満たしていれば、在職中でも離職中でも利用することが可能です。

具体的な支給要件や対象となる講座は、厚生労働省のホームページなどでご確認いただければと思います。

ここではこの制度を利用することで、どれだけお得に受講できるのかということをご紹介したいと思います。

教育訓練給付制度の種類

教育訓練給付制度には、

・ 学費の20%(上限額10万円)が支給される「一般教育訓練給付」

・ 学費の最大70%(上限額40万円、資格取得した場合は56万円)が支給される「専門実践教育訓練給付」

2019年10月に新設された、

・ 学費の40%(上限額20万円)が支給される「特定一般教育訓練給付」

があります。

専門実践教育訓練給付金を利用して国家資格を取得するには

本格的に専門性が高い知識を身に付けたり、資格取得をしたいという方にぜひ活用してほしいのが「専門実践教育訓練給付金」です。

大きな特徴は、支給対象の中に国家資格があることです。

例えば昨今大変注目されているキャリアコンサルタントは国家資格と定められています。

・ 美容師
・ 建築士
・ 介護福祉士
・ 保育士

なども国家資格です。

2020年10月1日時点で2,500講座が専門実践教育訓練給付の対象となっています。

法科大学院や経営学修士(MBA)取得のための大学院なども含まれます。

保育士などの国家資格も給付があります

最大224万円も補助がある

給付は受講費用の5割で上限は、1年で40万円なので、3年コースなら計120万円の給付額となります。

さらに修了後1年以内に資格取得して就職などすれば、さらに2割(年16万円)が追加支給されます。

つまり両者を加算すると上限は年56万円、3年コースなら168万円の給付となります。

「専門実践」は50%(年間上限40万円)で、さらに専門実践教育訓練の修了後1年以内に資格取得して就職したら追加で20%の金額が支給されます。

なお、この制度はもともと原則1~3年の講座が対象だったのですが、2020年4月からは新たに4年コースも一部追加されており、今後も増える可能性があります。

4年コースなら最大224万円の補助が受けられます。

受講を検討している講座があれば、ぜひ厚生労働省などのホームページで確認してみてください。

「キャリアコンサルタント養成講座」の場合の支給額

どのくらい負担が軽減されるのでしょうか。

「キャリアコンサルタント養成講座」を例として、合計支給額と自己負担額をみてみましょう。

対象となっている某スクールの「キャリアコンサルタント養成講座(全課程通学)」を受講した場合、受講料、教材費、入会金をあわせて約49万円を入会時に支払う必要があります。

制度を利用すると、

講座修了時に約24万5,000円
資格取得後に約9万8,000円
合計で約34万円

が支給されます。

実質の自己負担額は約14万7,000円です。

また同じく「キャリアコンサルタント養成講座」の通学とライブ通信の組み合わせの講座であれば

学費が約39万円
講座修了時に約19万6,000円
資格取得後に約7万8,000円
合計で約27万円

が支給されます。

実質の自己負担額は約11万8,000円

経済的な負担が大きく軽減されるのがわかります。

離職者は基本手当の8割を受給できる場合も

また専門実践教育訓練は時間をかけて大学院や専門学校などで専門的な知識を身につけるため、仕事をやめて勉強する人も多いです。

このため受講開始時に45歳未満の離職者などの条件を満たせば、生活費として「教育訓練支援給付金」も受けられます。

雇用保険の失業手当(基本手当)の期限が切れた後、基本手当の8割を講座修了まで受給できます。

※2022年3月31日までの時限措置です。

退職後に転職を視野に入れて資格取得を目指す方には、かなり有益な制度です。

専門実践教育訓練給付金の制度や教育訓練支援給付金を組み合わせれば、経済的な心配がかなり軽減され、しっかりと勉強に打ち込むことができそうです。

スキルアップを目指す方も、新しい分野に挑戦しようとされる方も、ぜひこの制度を検討してみてください。(執筆者:本田 陽子)