この記事の最新更新日:2021年1月24日

クレジットカードには個人向けだけではなく、法人カードと呼ばれるものがあります。

個人事業主から中小規模法人が使う法人カード、比較的事業規模の大きい企業の使う法人カードまで、その種類はさまざまです。

今回は、法人カードのメリットやデメリットを詳しく解説し、おすすめカードを紹介することで、法人カード選びの参考にしていただきたいと思います。

なお、記事中の価格は税込みです。

目次

法人カードの5つのメリット

法人カードと個人向けカードはどちらもクレジットカードですが、その特徴に大きな違いがあります。

まずは、法人カードのメリットを紹介して、個人向けカードの違いについて説明しましょう。

1. 個人目的と法人目的で支出を分けられて把握しやすい

支出を分けられ把握しやすい
≪画像元:クレディセゾン

個人の支払いとビジネスの支払いを1枚のクレカでこなしている個人事業主も多いことでしょう。

できれば、ビジネスの支払いは法人カードにまとめるのがおすすめです。

「法人カードの利用明細=毎月の事業経費」となり計算が楽になるのです。

会計ソフトとデータを連携する際にも自動で必要経費の仕分けをしてくれるので手動で仕分ける手間がかかりません。

2. 利用限度額が高く高額利用も可能、ポイントやマイルが効率よく貯まる

個人向けカードと比較して、法人カードの利用限度額は高い傾向にあります。

たとえば、三井住友カードゴールドの限度額が50万円~200万円なのに対して、三井住友ビジネスゴールドカード for Owners の限度額は50万円~300万円です。

法人カードも審査で限度額が設定される点は変わりないのですが、最高限度額に100万円の差があるのはいざという時に心強いですね。

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3. 効率的に資金管理できる

効率的に資金管理できる
≪画像元:クレディセゾン

資金繰りは法人の悩みの種ですが、法人カードがあればキャッシュフローに余裕ができます

たとえば、UC法人カードの場合、毎月10日締めの翌月5日引き落としです。

4月11日に利用すると締日は5月10日、引き落としは6月5日となるので最長55日間支払いが猶予されます

キャッシュフローだけではなく、仮払いや立て替え払いもなくなり、煩雑な事務作業も削減できますね。

4. 追加可能なカードの枚数が多い

1枚のカードを複数人で使い回すことは規約違反のため、管理の効率化には全社員にカードを持たせることが効果的です。

しかし、社員の多い会社だと発行可能枚数を超えてしまう可能性もありますが、法人カードは一般的なクレカと比較して追加可能なカードの枚数が多くなっています。

三井住友ビジネスカード for Owners、JCB法人カードに至っては、追加可能なカードの枚数に制限がありません

全社員にカードを配布できるので、さらなる効率的な資金管理が可能です。

効率的な資金管理
≪画像元:クレディセゾン

営業車を使う会社にあっては高速道路の経費管理もしたいものです。

一般的なクレカの場合には1枚のETCカードしか発行できないものも多いのですが、法人カードの場合には発行可能なETCカードの枚数も多いのです。

UC法人カードでは、クレカ1枚につき99枚のETCカードを発行できます。

5. ビジネス向けの付帯サービスが充実

法人カードでは、個人向けカードにはないビジネス向けの付帯サービスが充実しています。

たとえば、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードには、以下のような付帯サービスがあります。

・ カード利用情報を「クラウド会計ソフト freee」へ自動的に取り込み

・ 全国200か所以上のシェアオフィスやコワーキングスペースの自由席を利用可能

・ 名刺管理アプリを無料で利用可能

・ ビジネス情報サービス「ジー・サーチ」が年会費無料

これらの付帯サービスを使いこなせば、日々の業務を効率化できるだけではなく、ビジネスチャンスを広げることも可能です。

法人カードの7つのデメリット・注意点

ただし、法人カードには以下のようなデメリット・注意点があることも頭に入れておいてください。

1. 個人向けカードと比較して選択肢が少ない

個人向けカードと比較して、法人カードを発行しているカード会社は多くはありません。

個人向けカードとして人気の「楽天カード」には、単独で発行できる法人カードはありません(楽天プレミアムカードに追加可能な「楽天ビジネスカード」はある)。

また、個人向けカードにはリボ払い専用カード、若者専用カードなどの豊富な選択肢がありますが、法人カードは事業規模やカードのステータスに応じたカードしかありません。

2. 法人関連の書類が必要なこともある

法人カードを作るには、法人関連の書類が必要なことがあります。

特に、事業規模の大きな会社向けの法人カード(コーポレートカード)、ステータスの高いカードの場合には法人関連の書類が必要な可能性が高いと言えます。

三井住友ビジネスプラチナカードは、次のような書類が必要です。

・ 入会申込書

・ 法人の履歴事項全部証明書(発行日より6か月以内の登記簿謄本または抄本)

・ 法人代表者の本人確認書類(運転免許証など)

・ 決算書類

これらの書類を揃えるのは、面倒かもしれません。

3. 法人口座が必要な場合が多い

法人口座が必要な場合が多い
≪画像元:三井住友カード

個人向けカードは個人の銀行口座があれば申し込めますが、法人カードを作るには法人名義の口座が必要なことが多いと言えます。

コーポレートカードである「三井住友ビジネスカード」の決済口座には、法人名義の口座しか認められません

個人事業主で法人名義の口座がない方は、個人名義の口座でもOKな「三井住友ビジネスカード for Owners」にするとよいことでしょう。

個人名義の口座は即日開設できるのに対して、法人口座の開設に際しては法人名義の口座は即日開設とはいきません

法人名義の口座を装った振り込め詐欺が増えていて金融機関側も審査に慎重だからです。

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法人名義の口座開設の際には、事業計画書やある程度の資本金、固定電話回線などが求められることもありますので、準備しておきましょう。

4. 個人と会社の両方が審査されるため、創業間もないと審査に通りにくい

個人向けカードは個人の収入や資産のみが審査される一方で、法人カードの場合には代表者の収入や資産だけではなく法人の収入や経営状態なども審査の対象です。

創業して間もなかったり、ステータスの高い法人カードを申し込んだりすると、審査に通りにくい可能性もありますので、注意しましょう。

5. 年会費がかかることが多い

年会費が無料の個人向けカードは多い一方で、年会費無料の法人カードはほとんどありません

年会費無料ながら1%還元の「Orico Card THE POINT」を擁するオリコカードでも法人カードには最低1,375円の年会費がかかります。

最大20枚の追加カード発行可能な「オリコビジネスカードスタンダード」は、追加カードにも1枚当たり1,375円の年会費がかかります。

ただし、クレジットカードの年会費は経費で落とすことも可能です。その際の勘定科目は「支払手数料」や「諸会費」とするとよいことでしょう。

6. キャッシングできない場合が多い

資金繰りが苦しいときに当座をしのぐのにキャッシングは有効です。しかし、ほとんどのコーポレートカードでキャッシングはできません

一方、個人事業主向けの法人カードはキャッシングできるものもありますので、個人事業主の方はこちらを選ぶとよいと言えます。

7. 法人カードの利用ルールを明確にする必要あり

法人カードを利用する際には、次のように利用ルールを明確にしておくことをおすすめします。

・ 使う前には上司に相談をする

・ 使い道をあらかじめ制限しておく

・ 使う時だけ従業員に追加カードを貸与する

・ 使った後は領収書を提出させる

利用ルールを決めないと、法人カードの使用・管理がルーズになってしまうからです。

おすすめの法人カード7選

ここからは、おすすめの法人カードを6種を紹介しましょう。

1. アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード:高いステータスと高還元が魅力

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
AMEXビジネス・ゴールド・カードの概要

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、年会費が3万円以上かかるものの初年度の年会費はかかりません

他のアメックスカードと同様に一律の利用限度額を設定されていないので、柔軟に対応できます。

ポイント還元率が1%と高いので高額な税金の支払いにも最適なだけではなく、1%以上の還元率の場合もあります

「アメックスのゴールド」という高いステータスは、ビジネスにも役に立つことでしょう。

ビジネスの外注やコンサルティングに調査、旅行傷害保険に空港ラウンジ、空港送迎の優待など、ビジネス・出張関連の付帯サービスが充実しています。

American Express Company ビジネス・ゴールド・カード を公式サイトで確認する
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2. 三井住友ビジネスゴールドカード for Owners:バランスの取れた1枚

三井住友ビジネスゴールドカード
≪画像元:三井住友カード
三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersの概要

三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersには、「三井住友カードのゴールドカード」という高い信頼性があります。

コーポレートカードの「三井住友ビジネスゴールドカード」とは異なり、高いステータスを有する割に登記簿謄本や決算書類、法人口座開設の必要がなく、創業間もなくても申し込めます

また、搭載されているVisaブランドは世界中で利用可能なので利便性にも優れています。

三井住友ビジネスゴールドカードにはないiDやWAON、Apple PayやPiTaPaなどの追加カードを駆使すれば、あらゆる経費を一元化できます

基本ポイント還元率は0.5%ですが、大手コンビニやマクドナルドで +2%、選んだ3つのお店で +0.5% などポイントアップも可能な実用性も高くバランスの取れた1枚です。

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3. JCB法人カード:貯まったポイントの使い勝手が良い

JCB法人カード
≪画像元:JCB
JCB法人カードの概要

JCB法人カードの基本還元率は0.5%ですが、昭和シェル石油、Amazon、ビックカメラなどポイントアップするお店も多く、海外利用や一定額以上の利用でボーナスポイントがもらえます

貯まったポイントは、ギフトカードやAmazonギフト券、キャッシュバックなどさまざまな商品に交換可能です。

弥生会計やfreeeなどの会計ソフトとの連携が可能で、会計・経理作業を効率化できます。

年会費が1,375円/枚かかるものの、追加カードの発行枚数が無制限で、しかもETCカードも無制限に年会費無料で発行可能です。

お得な年会費にもかかわらず、国内外問わず最高3,000万円の旅行傷害保険が付帯します。

4. セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード:コスパの高い法人プラチナ

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
≪画像元:クレディセゾン
セゾンプラチナ・ビジネス・AMEXカードの概要

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、招待制ではなく自分で申込可能、しかも登記簿謄本や決算書類を提出する必要がなく、創業1年以内でも発行可能です。

年会費も2万2,000円とプラチナとしては格安、さらに年間200万円以上のショッピングで年会費が1万1,000円と半額になります

貯まるポイントには有効期限がなく、JALマイルやAmazonギフト券、利用代金の充当などを目指してじっくり貯めて交換可能です。

会計ソフトや経費精算ソフト、ビジネス書要約サイト、法人向け顧問弁護士サービスなど、ビジネスサポートも充実しています。

American Express Company ビジネス・ゴールド・カード を公式サイトで確認する
American Express Company ビジネス・カード を公式サイトで確認する

5. ライフカードビジネスライトゴールド:Visa、Mastercard、JCBから選べる

ライフカードビジネスライトゴールド
≪画像元:ライフカード
ライフカードビジネスライトゴールドの概要

ライフカードビジネスライトゴールドは、スマホ申込から最短4営業日で発行可能、登記簿謄本や決算書類を提出する必要がありません

支払口座は、法人代表者と個人事業主のいずれも、法人口座(屋号名)と個人名義の口座のいずれかから選べます。

国際ブランドをVisa、Mastercard、JCBから選べて、年会費も2,200円と格安ゴールドです。

国内で自動車搭乗中にシートベルトを着用していた場合の事故を補償する「シートベルト保険」が付帯する数少ないカードです。

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6. NTTファイナンスBizレギュラーカード:貴重な年会費無料の法人カード

NTTファイナンスBizレギュラーカード
≪画像元:NTTファイナンス
NTTファイナンスBizレギュラーカードの概要

NTTファイナンスBizレギュラーカードは、極めて珍しい年会費完全無料の法人カードです。

本カードだけではなく追加カードも年会費無料であるため、維持コストは発生しません。

年会費は無料ですが還元率は1%とパワフルです。出光SSで給油すると2円~最大40円/L割引するサービスもあり、コスパは極めて高いと言えますす。

WEB明細編集サービスで毎月の経費処理をスムーズにしたり、法人や個人事業主のニーズに対応したAmazon Businessなど、ビジネス関連のサービスも充実しています。

7. EX Gold for Biz:圧倒的なコストパフォーマンスの良さが魅力

圧倒的なコスパだぜ
≪画像元:オリコ
年会費とかポイント還元をチェックして

EX Gold for Bizは、ゴールドカードながら年会費2,200円という、破格の価格設定、しかも初年度は年会費がかかりません

・ 国内外での宿泊・飲食の優待
・ 空港ラウンジ無料サービス

など、一般的なゴールドカードと同等のサービスが付帯しています。

他にも、

・ 会計ソフトをお得に使える
・ キャッシング枠が設定されている

など、圧倒的なコストパフォーマンスの良さが魅力のカードです。

法人カードで経費処理をスムーズにお得に

事業関連の支出を法人カードにまとめることによって、面倒な経費処理がスムーズになります。

利用から支払いまでの猶予があるのでキャッシュフローにも余裕が生まれるうえに利用限度額も個人向けより高額です。

法人カードはビジネス向けサービスも充実しているため、ビジネスをよりスムーズにできるうえにお得です。

一口に法人カードと言っても、ステータス重視のカードやバランスの取れたカード、コスパ重視のカードなどさまざまです。

自分に合った法人カードを選んで、ビジネスを効率的にしましょう。(執筆者:キャッシュレス研究家 角野 達仁)