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【2,000円台から投資可能「REIT ETF」】「上場不動産投資信託 (J-REIT)」との違い それぞれのメリット・デメリット

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【2,000円台から投資可能「REIT ETF」】「上場不動産投資信託 (J-REIT)」との違い それぞれのメリット・デメリット

昨年2020年の株式相場は世界的に広まった新型コロナウイルスの感染拡大により、大きな上下変動をもたらされました。

一方で、定期預金の金利は相変わらずの超低金利のままで、減ることはありませんが増えることもありません。

「余剰資金を運用に回したい。しかし、大きな価格変動は避けたい」という場合に候補の1つとなるのが「上場不動産投資信託(J-REIT)」です。

しかし、「そのJ-REITも何か不安だ」という場合には選択肢の1つに「REIT ETF」があります。

メリットとデメリットの両方を理解したうえで、投資候補にするかどうかをご検討いただければと思います。

「上場不動産投資信託(J-REIT)」とは

REITと配当

投資法人が多くの投資家から資金を集め、その資金で複数の不動産(オフィスビルや商業施設、流通施設、マンションなど)などを購入し、その不動産から得られる賃料収入や売買益を投資家に分配するのが「上場不動産投資信託(J-REIT)」の仕組みです。

投資家は不動産を所有するのではなく、投資法人が発行する証券を保有することになるのですが、その証券は証券取引所にて売買できるので現金化しやすく流動性が高いのが特徴です。

また、収益の90%超を投資家に分配することで投資法人の法人税は免除されますので、比較的高い分配金も期待できます。

最低購入金額は「上場不動産投資信託(J-REIT)」によって異なりますが、中には10万円以下で購入できるものもあります。

「上場不動産投資信託(J-REIT)」のメリットとデメリット

では、「上場不動産投資信託(J-REIT)」のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット:安定した高い分配金

不動産投資をするとなると何千万円といった多額の資金が必要になり、さらには、すぐには売却しにくいといった流動性の低さがあります。

また、専門的な知識も必要とされるので一般の方が不動産投資をするとなるとかなりハードルが高いと言えます。

しかし、「上場不動産投資信託(J-REIT)」であれば、この問題点が解消されるので比較的手軽に不動産投資できます。

また、不動産の賃料は安定していて、「上場不動産投資信託(J-REIT)」の価格(株価)も個別株式と比べると値動きが緩やかだと言われています。

分配金利回りも4%が平均となっていて、中には5%を超えるものもあります。

安定した分配金収入を得られるのが最大のメリットであると言えるでしょう。

デメリット:銘柄選択の難しさ・価格変動あり・コロナ後の予測は難しい

2021年2月上旬時点で、「上場不動産投資信託(J-REIT)」には62銘柄が上場しています。

それぞれに投資対象の特徴があり、この中から選び出すのは難しいところでしょう。

また、価格(株価)の値動きは比較的安定していると言われていますが、昨年3月には価格(株価)も株式同様に10%以上下落しました。

最低購入価格が10万円を大きく上回っている「上場不動産投資信託(J-REIT)」の場合、資金面と精神的な不安もあり、下落したからといって追加購入するとなると躊躇してしまうところでしょう。

さらに、コロナ後の不動産市況にも変化がある可能性があります。

以前のようにオフィスビル、商業施設、ホテルなどの需要は戻るのかは専門家でも予測の難しいところですが、「上場不動産投資信託(J-REIT)」を選ぶ際には影響がありますので、銘柄選択は難しいところです。

「REIT ETF」とは

REIT ETF

REIT ETF」は、東証REIT指数の値動きに連動する上場投資信託(ETF)です。

日経平均株価の値動きに連動する上場投資信託の上場不動産投資信託版だとイメージすると分かりやすいことでしょう。

東証REIT指数とは、東京証券取引所に上場している「上場不動産投資信託」の全銘柄を対象にした指数です。

時価総額(発行済口数 × 投資口価格)に応じた組入れ比率になるように作られていて、基準日である2003年3月31日の時価総額を1,000とした場合に、現在の全銘柄の時価総額がどの程度かを表しています。

この

「REIT ETF」に投資することで、東京証券取引所に上場している「上場不動産投資信託」にまとめて投資をしているのと同じ効果

があるのです。

「REIT ETF」のメリットとでデメリット

では、「REIT ETF」のメリットとでデメリットを見ていきましょう。

「REIT ETF」のメリット:より少額で投資できる

「上場不動産投資信託(J-REIT)」よりも、さらに少額で投資できます

現在、東証REIT指数に連動する10本の「REIT ETF」が上場していますが、中には「iシェアーズ・コア Jリート ETF (1476)」のように2,000円前後で購入できるものもあります(1口単位で購入可能)。

それ以外の「REIT ETF」でも2万円前後で購入できますので、購入後にさらに追加購入しやすく、投資のタイミングの選択肢も多くなります。

また、東証REIT指数の値動きに連動するので値動きが分かりやすいことでしょう。

分配金利回りも3%前後ですので、比較的高い分配金を期待できます。

今後、コロナ後のそれぞれの不動産の用途(オフィスビル、ホテルなど)による変化が出てくる可能性はありますが、「個別の上場不動産投資信託」よりも影響は少ないと言えることでしょう。

「REIT ETF」のデメリット:個別の上場不動産投資信託よりも利回りが低いことも

「REIT ETF」では分配金の利回りが3%前後ですが、「個別の上場不動産投資信託」では分配金利回りの平均が4%、中には5%を超えるものもあります。

「REIT ETF」の分配金利回りも決して低い水準ではありませんが、「個別の上場不動産投資信託」よりも分配金利回りでは劣ります

また、価格変動も避けられません。昨年3月にはこの「REIT ETF」の価格(株価)も10%以上下落しました。

さらに、東京証券取引所に上場している「上場不動産投資信託」にまとめて投資をしているのと同じ効果がありますので、コロナ後にマイナスの影響を受けた「個別の上場不動産投資信託」の価格も東証REIT指数にも反映されます。

大きな収益を期待するのであれば、「個別の上場不動産投資信託」を選択することになります。

「REIT ETF」はこんな人におすすめ

「REIT ETF」のメリットとデメリットは表裏一体の関係でもありますが、最低購入金額が「個別の上場不動産投資信託」よりもかなり低いのはメリットと言えます。

そこで、

・ 今から投資を始めようと思っている方

・ 個別の株式や株式投資信託では価格変動が大きすぎて怖いという方

は、まずはこの「REIT ETF」で投資デビューをされるのはいかがでしょうか。

「NISA」を使うことで分配金や譲渡益は非課税になります(「つみたてNISA」は対象外)。

目先の値動きに一喜一憂するのではなく、長期保有することで分配金を受け取っていくことがとりあえずの目標です。

その後、投資について慣れてきたところで「REIT ETF」に追加で投資するのか、それとも海外の「REIT ETF」に選択肢を広げるかのか、個別株式、株式投資信託へと手を広げていくのも1つの方法です。

変動が大きく、先が読みにくい時期だからこそ、少額でかつ慎重に投資経験を積んでいきましょう。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)

《岡田 佳久》
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株式会社オーブレイン 代表取締役 (講演実績)一般向けセミナー、民間企業、高等学校、大学、資格専門学校、社団法人、NPO法人、商工会議所、男女共同参画センターなど(累計約1,000回以上)。(執筆実績)産経新聞、神戸新聞、Yahoo!JAPAN、ダイヤモンド社、わかさ出版など多数 ≪保有資格≫CFP、FP技能士1級、キャリアカウンセラー(CDA)、 1級DCプランナー(金融財政事情研究会) 、第二種証券外務員(未登録)、住宅ローンアドバイザー(金融検定協会) 寄稿者にメッセージを送る

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