新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、さまざまな業種が影響を受けました。保険業界もそのひとつです。

感染者数が多く緊急事態宣言が出されることもある地域では「最近、保険営業員が来なくなった」と感じている人も多いことでしょう。

保険会社によっては、この状況を機に保険営業スタイルを大きく変化させているところもあります。

今回は、営業スタイルが変わってきている今だからこそ、自分に合った保障を考えるチャンスだというお話をします。

「訪問」「来店」「通販」に加えて「オンライン」が登場

【生命保険・医療保険】 新たな営業形態の特徴と 「必要な保障の判断の目安」

これまでの生命保険の営業スタイルは、次の3種に大別でき、それぞれにメリットとデメリットがありました。

1. 生命保険会社の営業員と話をする

生命保険会社に所属する営業員が自宅を訪問し、保険の商品説明や保険設計をする方法です。

それぞれの家庭の状況やニーズに合わせた保険を提供できる一方で、目の前に営業員がいるために断りにくいと敬遠されることもあります。

メリット

・ 内容・金額を個別のニーズに合わせて細かく設定できる

・ 保障を組み合わせてセットにすることで、コストを削減でき、保険料を割安にできる

・ 各社専属営業員のため、それぞれの商品特性を理解している

デメリット

・ いきなりやって来ることがある

・ 家にいるために断りにくい(帰ってくれない)

・ 説明や提案、契約などにいちいち時間がかかる

2. 保険ショップ(来店型保険代理店乗り合い型)に出かける

市街地やショッピングセンターなどで店を構える「保険ショップ」は、買い物のついでなどに気軽に立ち寄れる点と相談所のような雰囲気で人気を集めています。

あくまでも「保険代理店」であることに注意が必要です。「中立的立場の保険窓口」ではなく提携先の保険商品のみを扱うセレクトショップで、相談員ではなくノルマを抱えた営業員だということを理解しておきましょう。

メリット

・ 入店しやすい

・ 数社の商品を見比べることができる

・ 自分から出向き、不要だと感じたときに断りやすい

デメリット

・ 提携している保険会社の商品のみを取り扱っている

・ 保険会社によっては「保険ショップ用簡易保険」のみを提供している

・ 単品の組み合わせはセット商品よりもコストが高く、1つ1つは安くても結果的に割高なことが多い

3. 通信販売やネット通販を利用する

電話やインターネットで申し込む通信販売型の保険会社もあります。

時間やタイミングを気にする必要がなく、自分で選ぶため納得しやすい一方で、保険商品を誤解していたり不要な保険を契約していしまう危険性もあります。

メリット

・ 自分自身で選択できる

・ 夜間や休祝日など、時間を気にする必要がない

デメリット

・ 商品について正しく理解できているかどうかを確認できない

・ 金額が適正かどうか、この保障が必要かどうか、重複しているかどうかなどを自分で考えなくてはならない

4. 新たな選択肢「大手生命保険会社のオンライン契約」

保険会社によって、スタイルはさまざまです。

見積から提案、契約までをオンラインで完結できるように体制を整えることを急務としている会社もあれば、提案まではオンラインで契約は対面でと割り切っているところもあります。

残念ながら、今はまだ一部の会社で実施している、あるいは実施を目指している段階ですが、今後は業界全体に増えていくことでしょう。

これによって、従来のメリットは維持したまま、デメリットであった「いきなりやって来る」「時間がかかる」「断りにくい(帰ってくれない)」という点が大きく改善されることが期待できます。

5. 新しい生活様式に合わせた営業スタイル

オンライン環境が整いきっていないところでも、多くの保険会社が感染防止対策として訪問営業のスタイルを大きく変化させています。

「訪問は、必ずお客様の同意を得てからおこなう」ことの明言など、アポなし訪問を禁じている会社もあります。

また、同意を得た訪問であっても、「玄関先で」「30分以内」など、感染防止のためのルールを設けている会社もあります。

現状では、まだ対面を必要とする手続きがいくつかあるようですが、ソーシャルディスタンスを守り、短時間で行われることを原則としているところがほとんどです。

生命保険直属の営業員は、「詳細なプランニング」を「セットで割安な保険料」で提供できる存在です。短時間で退散してくれる今こそ、必要な保障を見直すチャンスではないでしょうか。

自分に必要な保障とは何かを考える

自分に必要な保障とは何かを考える

保険を検討する際には、保険料も重要です。

しかしながら、最も大切なことは「必要な保障を、必要なぶん」ということです。

必要額に足りていない保障は、いざというときに使えません。また、どんなに安くても、自分に合わない保障に払う保険料はムダでしかありません。

必要なもの、必要な額は人それぞれですが、考え方の目安についてお伝えしておきましょう。

死亡保障額は、家族を困らせないためのもの

死亡保障を使う人は、遺族(家族)です。

保険をかけている人(被保険者)が万一亡くなった際に、

「家族が生活できるかどうか」や「被保険者の遺品や財産を適切に処分できるかどうか」などを考えて金額を設定

します。

一般的に、「幼い子を抱えた配偶者」に遺す場合には数千万円単位で設定しますが、「末子が、もう教育費を必要としない年齢」であればば百万~数百万円程度でかまいません。

海洋葬など特別な葬儀を望む場合、売却や譲渡などに別途費用がかかる趣味を持っている場合などには、必要費用を賄える保険金額にしておくと遺族が困らずにすみます。

医療保険額は、高額療養費をカバーできる額

一般的に、ひと月の医療費が約8万円以上になるときには高額療養費制度が使えます。ただし、約8万円は支払うということです。

通院・入院費用や保険適用外の費用を考えると、1回の入院で10万円程度の一時金が出る保障を持っておくと安心です。

ガン保険は、近年の治療方針に対応しているもの

ガンの治療技術の進歩には目覚ましいものがあります。そのため、ひと昔前のガン保険では現在の治療方針と合わずに、使い勝手が悪いということもあります。

金額を増やすことよりも「最新版」であることを意識することが大切です。

まずは小さな安心を手に入れてみる

新型コロナウイルス感染症の感染者数が少ない地域などでは、当てはまらないこともあるかもしれません。また、状況の変化に応じて、方針が変わることもあるかと思います。

お住まいの地域の営業員が「新しい生活様式に合わせた営業スタイル」を採用しているようであれば、今のうちにお手持ちの保険を見直しておくチャンスかもしれません。(執筆者:仲村 希)