保存食や非常食の備蓄は、地震や水害などの災害への備えはもちろん、緊急事態宣言時の買い占め騒動を考えるとある程度の食品は備蓄しておいたほうが安心です。

しかしながら、非常食の備蓄には次のような悩みがあるのではないでしょうか。

・ 消費期限が切れてしまって無駄になる

・ 普通の食品より価格が高い

非常食の出番がないのは喜ばしいことですが、食べずに捨てるのはもったいないことですね。

備蓄しておいたほうが良いとされているのは、1人あたり3日分の食品です。筆者が探してみたところ、3日分の非常食は3,000円~1万円ほどで販売されていました。

内容によって価格差はありますが、家族の人数分そろえるとなるとなかなかの出費です。

そこでこの記事では、非常食を無駄にしないための方法と、低予算でそろえられる「非常食にもなる食品」を紹介します。

備蓄した食品を無駄にしない「ローリングストック」

1週間を想定した備え
≪画像元:内閣府政策統括官

ローリングストックとは、備えてある非常食を定期的に食べて、食べた分だけを買い足して、常に家庭に新しい非常食を備蓄する方法のことです。

ローリングストックなら「消費期限が切れたから捨てるしかない」ということにはなりにくいですし、被災した際に備えて非常食に慣れることもできます。

常に一定の食品を備蓄している状態なので、保管場所に困ることもありません。

非常食や保存食として商品化されているものに限らず、普段の食生活で使用する食品もローリングストックしておくのがおすすめです。レトルトやインスタント食品はもちろん、食パンや自宅で炊いたご飯も冷凍保存しておくと、いざというときに非常食として役立ちます。

ローリングストックしておきたい食品と保存法

次に、ローリングストックしておきたい食品とその保存方法を紹介します。

主食:食パンやご飯を冷凍保存する方法

パンの缶詰やレトルトのご飯など、非常用として販売されている主食の価格帯は次のようになっています。

3年保存できるパンの缶詰(100g):400~500円

5年保存できるアルファ米(100g):約250円

長期保存できるので、いくつかを備えておくと安心です。

食パン

これに加えて普段から食べている食パンや多めに炊いたご飯も冷凍しておけば、何食分かは助かります。非常用のものより割安ですし、どちらも冷凍庫で1か月は保存できます

食パンの冷凍は、普段からパン屋さんもおすすめしている保存方法です。食パンを1切ずつラップに包み、ジップロックのようなフリーザーバッグに入れて冷凍します。

電気が使える環境であれば、電子レンジで解凍してからトースターで焼くと焼き立てのパンのようにおいしく食べられます。食パンは自然解凍でも食べられますから、万が一停電してしまっても安心です。

ご飯

炊いたご飯の場合には、残念ながら自然解凍はおすすめできません。電子レンジでの解凍がベストですが、電気が使えないときにはフライパンで解凍する方法があります。

1膳分のご飯に対して30cc程の水を足し、蓋をしてしばらく蒸らします。炊き立てご飯とは少し違った食感になりますので、気になる人は雑炊やお粥にすると食べやすくなることでしょう。

ご飯の冷凍には、保存容器よりもラップとフリーザーバッグがおすすめです。熱いうちに1膳分ずつ小分けにしてラップに包んでください。この時に平らにならしておくと、冷凍むらができにくく解凍時間も短くて済みます。

副食:意外と使えるあのおつまみ

缶詰なら3年以上の長期保存が可能

缶詰

缶詰なら3年以上の長期保存が可能です。五目豆やひじき、切り干し大根などの副菜であれば、12缶セットのものが3,000円ほどで販売されています。

鯖缶やイワシの缶詰など、魚類の缶詰は100円ほどで手に入りますが、肉類の缶詰はやや高額です。

・ スパム 340g:400~500円

・ コンビーフ 100g:400~500円

肉系おつまみ

保存用の肉類としてコスパが高いのは、サラミやカルパス、ジャーキーなどの肉系おつまみです。

サラミやカルパスなどの消費期限は、製造日から120日ほどです。

「おやつカルパス」のように小分けになった商品であれば手を洗えない環境でもつまみやすく、子どもにも食べさせやすいのでおすすめです。おやつカルパスは1本3.4gで10円です。50本入りの箱ごとなら、割安価格で購入できます。

レトルト食品であれば、温めなくても食べられるものが便利です。インスタントのスープやみそ汁も備えておきたい食品です。1食分ずつカップに入ったものが便利ですが、コスパを考えると割高です。紙コップやプラスティックカップを別で用意しておくと良いことでしょう。

非常時には、おやつ類も貴重な食品になる

クッキーやビスケットも、パンの代わりに

クッキー・ビスケット

クッキーやビスケットも、パンの代わりに使えます。

缶入りの非常用のクッキーやビスケットも販売されていますが、それらは割高です。

例として、ヤマザキのルヴァンの保存缶と普通の商品を比べてみました(2021年3月の価格)。

・ 5年3か月もつ保存缶(13枚 × 3パック入り):410円

・ 普通のルヴァン(13枚 × 3パック入り):170円

容量は同じですが、保存缶の価格は普通のルヴァンの2倍以上です。普通のルヴァンの賞味期限は製造日から1年ほどです。1年に1箱食べるなら普通のものをローリングストックするほうが、コスパが高いと言えます。

ルヴァンに限らず、お菓子類のほとんどの消費期限は6か月~1年ほどです。普段から多めにストックしておけば、いざというときに頼れる食料になってくれます。

チョコレート・ナッツ類

ストレス解消に役立つチョコレートや栄養価の高いナッツ類も備えておきたい食品です。

チョコレートはアルミホイルに包んでからフリーザーバッグに入れて野菜室に入れておけば、おいしく保てます。

ナッツ類は、フリーザーバッグよりも瓶やキャニスターに入れての保存がおすすめです。

普段使いの食品でコスパの高い非常食

20年以上前になりますが、筆者は阪神淡路大震災を経験しています。家にあった食材は調理できず、スーパーに行っても食品が手に入らず、非常食を備えておく大切さを知りました。
とはいえ、できるだけコスパは高く非常食を備えたいものです。普段の食生活で使っているものをローリングストックしておけば、無駄になることは少ないでしょう。簡単に食べられて日持ちのする食品を、非常食代わりに備えておいてみてはいかがでしょうか。(執筆者:陽山 あい)