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仮想通貨(暗号資産)連動型でも20%税率が適用される商品が登場 税の仕組みを解説します

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仮想通貨(暗号資産)連動型でも20%税率が適用される商品が登場 税の仕組みを解説します

2021年に入り、仮想通貨(以下「暗号資産」と呼称)取引が再び活況になってきました。しかし高額の利益をあげると、最高税率55%が適用される点が投資家の不満となっていました。

株やFXのようにすでに普及している投資に関しては約20%の一定税率が適用されますが、この税率で暗号資産投資ができる商品が2021年に入り登場しています。

もっとも暗号資産投資の原則は、あくまでも最高税率55%が適用されます。なぜ20%税率の金融商品が実現できたか、そして実際に投資する際の税制における注意点を解説します。

※個別の金融商品を紹介しておりますが、推奨するものでは無く商品にまつわる税制を解説する記事です。

デリバティブも含め、通常は総合課税の雑所得

暗号資産取引は、株やFXとは税の仕組みが違うという話が知られてきていますが、所得分類から課税方式まで異なるからです。

所得に対する税率に関しては、株やFXのほうがシンプルです。所得税・住民税あわせて2割(復興特別所得税をあわせ20.315%)と決まっているからです(申告分離課税)。

ただこのような一定税率が適用される所得のほうが例外的で、給与・年金など多くの所得は住民税率10%・所得税率5%~45%が適用され、暗号資産も雑所得としてこちらに当てはまります(総合課税)。所得税率は課税所得によって異なります

なおデリバティブ取引は申告分離課税が適用されるものが多いのですが、暗号資産デリバティブは総合課税の雑所得です。

分離課税が適用されるレバレッジトラッカー

そのような中で、分離課税が適用される暗号資産投資が現れました。ビットコイン・イーサリアムレバレッジトラッカーで、SBI証券などで取引が可能です(参考:SBI証券のビットコインレバレッジトラッカー紹介ページ)。

分離課税が適用されるビットコインが登場です

金商法上の有価証券に該当し税制優遇

ビットコイン・イーサリアムレバレッジトラッカーは、eワラントのうちのレバレッジトラッカーの一種です。

レバレッジトラッカーとは、eワラント証券が取り扱うデリバティブ取引(ただし証拠金取引ではない)で、株式・通貨などの原資産に連動して値動きするレバレッジ投資です。暗号資産レバレッジトラッカーの原資産は、ビットコインやイーサリアムの先物に連動するリンク債です。

eワラントは金融商品取引法(金商法)上の有価証券にあたり、申告分離課税の要件を満たすために、例外的に2割強の税率が適用されます。暗号資産は金商品上の規制を受けるようになりましたが、デリバティブ取引も含め総合課税の雑所得です。

申告分離課税の対象であれば、損失が生じた際に翌年以降最長3年間繰り越すことができ、利益と相殺することが可能です。

先物取引等に係る雑所得等に該当

申告分離課税が適用されるものでも、株式・債券・投資信託・REITは「上場株式等に係る譲渡所得等」、先物・FXは「先物取引等に係る雑所得等」に該当し、2グループに分かれます。

eワラントはデリバティブ取引であり、後者の先物取引等に係る雑所得等に該当します。

グループが異なるものはお互いに損益通算することはできませんので、暗号資産レバレッジトラッカーで生じた損失を、株式等や暗号資産現物・デリバティブ取引の利益とは相殺できません。

源泉徴収で完結できず、原則確定申告が必要

SBI証券などでのeワラント取引は、専用口座を開設して行います。

したがって、源泉徴収ありを選択すれば確定申告不要となる「特定口座」上や、非課税の特典を受けられるNISA口座で取引を行うことはできず、黒字が出た際には確定申告または住民税の申告が必要になります。(執筆者:石谷 彰彦)

《石谷 彰彦》
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石谷 彰彦

石谷 彰彦

1977年生まれ。システム開発会社・税理士事務所に勤務し、税務にとどまらず保険・年金など幅広くマネーの知識を持つ必要性を感じFPの資格を取得。行政非常勤職員や個人投資家としての経験もあり、社会保障・確定申告・個人所得税関係を中心にライティングやソフト開発を行う。近年は個人の金融証券税制に重点的に取り組み、上場株式等課税方式有利選択ツールを公開。お得情報の誤解や無知でかえって損をする、そんな状況を変えていきたいと考えている。 <保有資格>AFP・2級FP技能士・日商簿記2級 寄稿者にメッセージを送る

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