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【新たな詐欺が続々】「新型コロナ」から「自然災害」、個人情報抜き取りなど巧みな手口を公開 迷ったら窓口に相談を

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【新たな詐欺が続々】「新型コロナ」から「自然災害」、個人情報抜き取りなど巧みな手口を公開 迷ったら窓口に相談を

世の中が、混迷すればするほど、詐欺師が増えます。

しかも、詐欺師というのは勉強熱心で、状況に合わせてさまざまな詐欺を編み出します。

昨年は、政府が国民に10万円給付を行ったこともあって、給付金詐欺が増えました。

新たな詐欺が続々登場

どんどん手口が巧妙に

「給付金を振り込みます」と年配者をATMに誘導し、指示どうり操作させた上で「では、10万円を振り込むので、振り込みボタンを押してください」などと言ってお金を振り込ませる詐欺から、「受給にあたっては、手数料が必要です」と手数料を要求する詐欺までいろいろです。

最近では、ワクチンがらみの詐欺が急増していて、「新型コロナのワクチンが優先的に打てるので、申請手続きのURLをクリックしてください」と誘導して、個人情報を抜き取る詐欺が横行しています

「ワクチン接種を優先的に行うために、予約金が必要」という詐欺もあります。

「ワクチン接種をするが、家は持ち家か賃貸か」など、関係ないことを聞いて個人情報を集める詐欺まで出てきています。

さらには、「国境なき医師団を支援する会」と名乗り、ワクチンの優先接種をうたって金銭をだまし取る詐欺も出てきています。

「国境なき医師団」ならワクチン接種が優先的にできるなどということはなく、そのために金銭を要求することなどあり得ないのです。

国のワクチン接種が進まない中でコロナを畏れる人の中には、こうした電話や不審メールに惑わされてしまう人もいるようです。

新型コロナの変異株に目をつけて、変異株を防ぐワクチンの予約金を振り込ませる詐欺も出てきているようです。

4月には、「Go Toトラベル」の制度を利用して、国からお金をだまし取った詐欺も摘発されています。

また、今アメリカで流行しているのですが、緊急事態を装ったメールが来て、それを開くと不正プログラムに感染し、インターネットのバンキングのユーザーIDやパスワードが拭き取られてお金が盗まれてしまうという被害も出てきています

災害修繕詐欺は、10年で約24倍に

いま、詐欺師がネタにしているのは、新型コロナだけではありません。

近年急速に増えているのが、災害修繕詐欺です。

2010年度のトラブル相談は111件でしたが、2019年度は2,684件と、10年で約24倍になっています。

台風や集中豪雨などの自然災害で建物が壊れた時には、火災保険で修復できるケースが多いです。

火災保険には、火事の補償のほかに、たいていの場合、風水害への補償もセットでついているからです。

実は、ここ数年、火災の件数は減っているのに火災保険の保険料が毎年のように値上がりしています。

火災ではなく台風や集中豪雨といった自然災害が増えていて、ここで支払う保険金が激増しているからです。

ところが、火災保険で風水害まで補償されるということを知らない人も多いです。

詐欺師は、この消費者の無知に付け込んで、被災地に行っては瓦が飛んだ家や塀が壊れた家を見つけ、「保険金で無料で修理できます」と勧誘しています。

国民生活センターなどに寄せられる苦情の件数を見ると、約8割は訪問による勧誘で、半分以上が70歳以上、4分の1が60歳以上と、高齢者が狙い撃ちされている状況が見て取れます。

そのため、消費者庁の伊藤明子長官も、今年の2月、3月には記者会見の中で、保険金が使えるという「住宅修理サービス」のトラブルへの注意喚起をしています。

ちなみに3月の会見では、昨年の同じ時期に比べて、約2倍の苦情相談が寄せられたと述べています。

被害相談も倍増している

キャンセル料を50%請求された

詐欺の手口のパターンとしては、「火災保険を使えば、自己負担ゼロで修繕できます」とゼロ円を強調し、「面倒な手続きは、すべて当社で代行します」と契約を持ちかけます。

そして、「どうせ修繕するなら、老朽化した屋根全部を台風のせいにして張り替えましょう」などと、どんどん見積もりの金額を上げていきます

確かに、風水害で家が破損した場合、火災保険で対応できる保険がほとんどです。

ただ、保険金を支払うにあたっては、保険会社も状況をプロが査定しますから、台風の被害を受けたのか老朽化したものかはわかります。

結果、業者との契約金にはほど遠い少額の保険金しか支給されず、ばくだいな自己負担が発生するケースが後を立ちません

また、「おかしいな」と思って、業者との契約を破棄しようとすると、契約書に小さな字で「キャンセル料は50%」などと書かれていて、法外な違約金を請求されるケースも出てきています。

さらには、依頼主と保険会社の間に業者が入る契約になっていて、その手数料として法外な値段を要求されたケースもあります。

おかしいなと思ったらホットラインを使おう

台風で屋根瓦が飛ばされたり窓ガラスが破損したりする被害を受けたら、業者などを通さなくても、損害保険会社に連絡すれば、現場を見にきて適正な修理代を出してくれます

また、訪問してきた業者の口車に乗せられて契約してしまっても、一定期間の間ならクーリング・オフで、契約を白紙に戻すこともできます

もし、おかしいなと思ったら、消費者ホットライン188に相談してみましょう。

損害保険に関する相談は、日本損害保険協会0570‐022‐808で対応しています。(執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子)

《荻原 博子》
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荻原 博子

執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子 荻原 博子

経済ジャーナリスト 1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「私たちはなぜ貧しくなってしまったのか」(文藝春秋)「一生お金に困らないお金ベスト100」(ダイヤモンド社)など著書多数。 寄稿者にメッセージを送る

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