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【国民年金保険料】前納で最大約1.5万円割引 産前産後期間・経済的理由による「免除」の概要

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【国民年金保険料】前納で最大約1.5万円割引 産前産後期間・経済的理由による「免除」の概要

子育てと仕事を両立して働き続ける女性が増えています。

自営業の太田京子さん(仮名・30)も出産後も仕事を続けたいと思っています。みなさんは、産前産後期間の「国民年金保険料」が免除される仕組みを知っていますか。

「国民年金」は、自営業の人をはじめ、会社員・公務員とその妻、学生など全国民が加入し、老齢、障害、死亡について「基礎年金」が支給される制度です。

「国民年金」被保険者種別・割引制度

国民年金保険料前収による割引制度
≪画像元:日本年金機構

被保険者は「強制被保険者」と「任意加入被保険者」とに分けられ、「強制被保険者」は

第1号(自営業者など)

第2号(会社員など)

第3号(会社員の妻など)

に分類されます。

京子さんは第1号被保険者です。第1号被保険者は自分で国民年金保険料を納付しなければなりません

令和3年度の保険料は1万6,610円です。毎月の保険料は翌月末までに納付します。前納も可能で、前納すると年4分(4%)の割引もあります。最も割引額が大きいお得な支払い方法は口座振替で2年前納です。

産前産後期間の保険料の免除

国民年金第1号被保険者が出産した場合には、次世代育成支援として、その出産前後の一定期間保険料が免除される制度があります

保険料を納付しなくても

保険料を納付したものとされ、「保険料納付済期間」として扱われますので、「老齢基礎年金」の年金額には反映

されます。

免除期間中には付加保険料や国民年金基金も納めることができます

ちなみに、令和3年度の基礎年金額は40年間(480月)保険料を納めた場合、満額で78万900円です。1年保険料を納めると2万円ずつ増えていきます。

免除される期間は、出産予定月の前月から出産予定月の翌々月までの4か月です。双子以上の場合は出産予定月の3か月前から出産予定月の翌々月までの6か月です。

出産予定日の6か月前から届け出ができます。届け出先は区市町村です。

産前産後以外の保険料免除制度

次に、経済的理由などで保険料が納められない場合の免除制度も知っておきましょう。

失業や新型コロナウイルスの影響で納付が困難になった場合にも申請できます。

産前産後期間の保険料の免除の場合には所得にかかわらず免除を受けられるのですが、低所得などを理由とする保険料の免除には「法定免除」と「申請免除」の2種類があり、所得要件があるのです。

「法定免除」の対象

「法定免除」の対象は、1、2級の障害に該当する人や生活扶助を受けている人などで、法定の要件に該当することにより法律上当然に保険料が免除されます。

「申請免除」の対象

一方で、「申請免除」は、申請に基いて厚生労働大臣の承認によって免除されるもので、一般の被保険者に適用される制度と学生に適用される制度があります

申請免除の年金への反映額

所得の基準等詳しくは、日本年金機構のホームページをご覧ください。

知っていただきたいのは、免除を受けた場合に「老齢基礎年金」の額に反映されることです。「老齢基礎年金」の半分は税金で賄われているためです。

「納付猶予」と「学生納付特例」の場合には反映されませんが、免除申請しておけば年金額がゼロになることはありません

なお、一部免除されて減額された保険料を支払っていないと未納になります

申請をせずに未納になってしまうと「障害基礎年金」や「遺族基礎年金」を受け取れない場合があります。

「免除」「納付猶予}「学生納付特例」の場合には、万が一の際にも年金を受け取れます。

また、未納の場合にはさかのぼって2年までしか保険料を納められませんが、免除申請をしていれば10年前まで「追納」で納められます。すると「老齢基礎年金」が増えます。この「老齢基礎年金」は一生涯受け取れるので老後の安心につながります。

特例措置や特例免除もある

なお、新型コロナウイルスによる特例措置については「国民年金保険料の納付が困難な方へ (pdf)」をご覧ください。

配偶者からの暴力(DV)により配偶者(DV加害者)と住所が異なる方は、「特例免除」を利用できます。

詳しくは「配偶者からの暴力を受けた方の国民年金保険料の特例免除について」をご覧ください。(執筆者:岩城 みずほ)
 

《岩城 みずほ》
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岩城 みずほ

岩城 みずほ

金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に中立的な立場でのコンサルティング他、講演、執筆を行っている。慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経てフリーアナウンサーとして活動後、セミナー会社等を経てFPとして独立。東洋経済オンライン、毎日新聞経済プレミア、マネー現代(講談社)、日本経済新聞社「家計のギモン」などで連載中。貯めると増やすの車座の会「C(貯蓄)リーグ」、「サムライズ勉強会」主宰。 <保有資格>: ファイナンシャルプランナー CFP® 認定者 寄稿者にメッセージを送る

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