クレジットカードは、現在500種以上も存在すると言われています。

どれにしようか悩んでしまうところですが、年会費の安さやポイント還元率の高さを選択基準にして選んでいる人がほとんどではないでしょうか。

しかし、その重視している還元率に、実は落とし穴が潜んでいるかもしれません。

そこで今回は、ポイント還元率で見落としがちな3つのポイントについて紹介します。

キャッシュレス化のますますの拡大が見込まれるいま、よりお得に使えるクレジットカードを厳選しましょう。

「還元率」と「付与率」は違う! 勘違いで損しないクレカ選び「3つの注意ポイント」

【注意ポイント1.】還元率と付与率の罠

クレジットカードのホームページや広告などでよく見かけるのが「100円利用で1ポイントが貯まる」というフレーズです。

このフレーズを「ポイント還元率」だと勘違いしてはいませんか

これは「ポイント還元率」ではなく「ポイント付与率」と言います。

ポイント還元率とは

ポイント還元率とは、クレジットカードの利用額に対して「何円分」のポイントが還元されるのかを割合(%)で数値化した表記です。

たとえば、

100円利用ごとに1ポイントもらえるクレジットカードの場合に「1ポイント = 1円相当」であれば、このクレジットカードの還元率は1%

です。

ポイント還元率の計算式と具体的な計算例

ポイント還元率の計算式は次の通りです。

ポイント還元率(%)= 獲得ポイント(円)÷ 利用金額(円)× 100

1,000円の買い物をした際に5ポイントが付与されるカードの場合に、1ポイント = 1円の条件下であれば、

5円(1ポイントの価値)÷ 1,000円(1ポイントもらえる利用金額)× 100 = 0.5%(還元率)

です。

ポイント付与率とは

ポイント付与率とは、「クレジットカードの利用額に対し、どのぐらいのポイントが付与されるか」を数値化したものです。

ポイント付与率の計算式

計算式は次の通りです。

ポイント付与率(%)= 獲得ポイント数(P)÷ 利用金額 × 100

いくつかの例を挙げてみましょう。

・ 100円の利用で1ポイントもらえる場合:付与率1.0%

・ 500円の利用で1ポイントもらえる場合:付与率0.2%

・ 1,000円の利用で1ポイントもらえる場合:付与率0.1%

還元率は1ポイントあたりの価値を円に換算して計算しますが、付与率は単純にポイント数を利用した額で割っているだけなので、お金に換算するとどのくらいの価値があるのかまでは判断できません

そのため、クレジットカードを比較する際には「ポイント付与率」ではなく「ポイント還元率」を重視することが大切です。

公式サイトのなかにはポイント付与率しか記載していない場合もあるため、混同してしまわないよう注意しましょう。

【注意ポイント2.】ポイント切り捨ての罠

クレジットカード選びの選択基準の1つとして、ポイント還元率の重要性について紹介しました。

では、次の A と B のうちお得なのはどちらでしょうか。

A:
100円の利用額に対して1ポイント(1P = 1円相当)が付与されるカード

還元率は1.0%

B:
1,000円の利用に対し20ポイント(1P = 1円相当)が付与されるカード

還元率は2.0%

この両者を見比べてみると還元率の高い B のほうがお得だと考える人が多いことでしょう。

しかし、ポイントを効率よく貯めるためには、還元率の高さだけに注目すると危険です。

実はケースによっては、Aの還元率1%のクレジットカードのほうがお得になる場合もあるのです。

ポイントの付与に満たない場合、多くのクレジットカードでは端数の切り捨てが行われるからです。

たとえば、A の100円ごとにポイントをもらえる仕組みの場合には、99円以下は切り捨てです。

そしてもう一方の、B の1,000円ごとにポイントをもらえる仕組みの場合には、999円もの金額がポイントの対象とならず切り捨てられてしまうことになるのです。

切り捨て額が大きいほど損失になります。

切り捨てを防ぐためにも、付与条件の中身をしっかりと見極めなければなりません。

また、これと同様に、ポイントの計算対象にも注意が必要です。

A:1か月の合計利用額で計算

B:1回の決済ごとに計算

B の決済ごとの場合には端数が毎回切り捨てられてしまうので、少額決済では不利になります。

この点も併せてチェックするように意識しとおくとよいことでしょう。

切り捨ての注意

【ポイント3. 】ポイント交換率の罠

クレジットカードの選択基準としてポイント還元率ばかりに注目してしまいますが、ポイントを利用する際の交換率も併せてチェックしておきたいところです。

クレジットカードの利用で貯まったポイントは、商品券や各種共通ポイントなどさまざまなものと交換できます。

しかし、交換率の設定は同じ商品でもクレジットカードによって異なる場合があります。

例として、飛行機のマイルに交換する場合を見てみましょう。

2ポイントで1マイルに交換できるカードと、4ポイントで1マイルに交換できるカードでは大きな差が生じてしまいます。

また、中には交換する際に交換手数料として別途ポイント消費が必要なケースもあるようです。

そのため、還元率と合わせて、1ポイント = 1円以上になる交換先がたくさんあるかどうかもチェックしておくとポイントが貯まったあとにも効率よく利用できます。

クレジットカード還元率の表面的な数字に惑わされない

コロナ禍の影響もあり、自宅でネットから買い物を済ます機会が増えるのど同時にクレジットカードの利用機会も増えつつあります

利用するのであれば効率よくお得にポイントを貯めたいところです。

ここで紹介したように、あなたも還元率の表面的な数字に惑わされていませんか。

いま一度、ご自身の利用しているクレジットカードを見直してみてはいかがでしょうか。(執筆者:元銀行員 吉村 みき子)