先週は前週に作った窓を抵抗帯としながら徐々に切り下げて膠着感を高める一週間となりました。
2月の高値付けから高値は切り下げる動きで、3カ月にわたるBOXを下離れしたものの下げの加速に至らず、反発するも上抜けも出来ずという切り下げのフラックを形成しております。
短期的には5月13日からの反発に関しては切り上げのフラックとなっており、この切り下げと切り上げが交わるのが6月10日11日あたりとなることからここまでには方向感が出ると示されておりますがどうなるでしょうか。
ファンダメンタル的に見ると、世界的にはダウが高値更新を継続するのかの見極になっており現状膠着していることがこの背景にあると考ます。
国内においては円安という好材料があるものの買いが続かないという現象となっています。
ワクチン接種の進行による経済の復活を期待は増してはいるが全体相場への影響は限定的という状況になっていると考えます。
目次
米雇用統計
土曜日に発表された雇用統計は下記のような内容となりました。
失業率は前月の6.1%から5.8%と市場予想の5.9%を上回る改善となった。
上記から読み取れることは
・先月より雇用状態は良くなったけど予想よりは悪かった。よって景気の状況が改善しているとは言い切れず金融緩和策の縮小懸念が和らいだ。
・失業率は改善しているため景気の上向きは維持されている。
となり、株式市場は好感して反発し長期金利も大幅に下がることとなりました。
これによりダウのもみ合いに終止符が打たれるか見極めとなります。
今週高値更新となれば日本市場においても下へのリスクが無くなるという状況が作られつつあります。
現状分析
5日線

上向きから始まり週末に下向きと変えて週末入りしました。
位置としては一週間を通して終値では上を維持しています。割り込むことで短期的な流れが変わるか注目です。
25日線
下向きの流れで始まるも1日だけ向きを上と変え短期的な波うちを起こし迷いを示しています。
位置としては上を維持して上に乖離して週末となっています。
現状は25日線をサポートラインとして機能しているような値動きとなっています。
BOXであれば今後25日線に対して上下に株価が行き来することとなりますが、上昇に入るのであれば今の位置が「買い場」という考えになるので悩ましい状況です。
75日線
上向きから下向きへと短期的に変え方向感に迷いを見せています。
位置としては下に乖離を維持しており上値抵抗線として機能していると見受けます。
上抜けたときに上への加速の起点になるかもという見方も必要と考えます。
週末の足型
「陽陽の孕み」で下髭長めという事から上を示唆と考えます。
トレンドライン
5月10日と28日の上値を結ぶ短期的な切り下げラインに頭を押さえられてると考え今週このラインを終値で上抜けるか注目です。
下に関しては短期的には5月13日と20日の安値を結ぶ切上がりのラインが機能したと考え今後もこのラインを割るまでは上げが続いてると考えます。
このラインにチャネルのラインを引くことで28日の高値を上値抵抗線として機能させています。
したがってこの切上がりのフラックも目先のトレンドの分岐点見極めラインになると考えます。
さらに下は5月27日から228日の窓が抵抗帯として意識されると考えます。
テクニカル指標
一目均衡表

基準線・転換線をサポートラインにしながら雲を上値の抵抗帯としています。今後どちらに抜けていくかでトレンドが出る可能性を考え要注目です。
ボリンジャーバンド
ラインがすべて短期的な波うちをして完全にBOX示唆となっています。
現状は+1σを上値抵抗線としていますが今週早々に上抜けるか注目し、押したときには下限をどこにしていくのかに注目です。
スローストキャスト
2本のラインが下げ切らないでゴールデンクロスしたことで早期にデットクロスとならなければ上抜け示唆と見受けます。
総合判断

トレンドをしっかり見極める時期と考えます。
中期的な上昇フラックの上値抵抗線を突破するのか2月16日の高値を上値抵抗線としたBOXに戻るのか。
さらにはこのBOXを上抜けて上昇トレンドにもどるのかを注目し、上げきれなかったときに再度切り下げていくのか。
5月12日の底割れ前のBOX下限としたBOXに戻るのか、などを想定していきたいと思います。(執筆者:城 晶子)