2021年も6月の株主優待銘柄の権利落ちを終え、一息ついている株主優待投資家の方は多いでしょう。

株主優待銘柄をどのタイミング買っていますか

権利付最終日の直前、1か月前、買ったらずっとホールド、どれもメリットとデメリットがありますが、できれば評価損でなく評価利益が出た状態で保有したいですよね。

株主優待銘柄は権利付最終日の直前に買った方が株価変動リスクを抑えられますが、高値圏であることが多く、人気銘柄は権利確定後に急落することも少なくありません。

「じゃあいつ株主優待銘柄を買うべきなの?」

という疑問に答えるのが今回の記事になります。

今回は3か月後の9月株主優待銘柄について、過去5年の7月~9月の株価を検証し、9月に向けて株価が上昇しやすい銘柄を発掘しました。

ローリスクかつ高確率で利益を狙える銘柄と、リスクは高めですがそのぶん大きめの利益を狙える銘柄の2パターン用意しました。

市場全体の株価騰落率平均

今回の検証にあたり、TOPIXの過去5年の7月~9月株価騰落率平均(以下、株価騰落率平均)を目安にします。TOPIXの株価騰落率平均は5.27%でした。

なんと7月~9月は過去5年間全てでTOPIXが上昇しており、株価が上昇しやすい期間ということが分かりました。

今回紹介する銘柄は強いTOPIXの上昇率を上回る銘柄なので、好パフォーマンスへの強力な追い風が吹いていると言っても過言ではありません。

ではさっそく株価騰落率平均が高い銘柄を見ていきましょう。

ローリスクかつ高確率で利益を狙える銘柄

1. ラックランド(9612)

株主優待実施月:3・6・9・12月

株主優待内容:

(100株以上)ECサイト「ご当地こわけ」で使えるクーポン券2,500円分

過去5年の7月~9月株価騰落率平均7.56%

ラックランドは店舗の企画・設計をする会社です。

昨年はコロナの影響をもろに受け業績が悪化しましたが、2021年12月期の第一四半期決算は黒字転換し、通期予想もV字回復見込みですのでさほど心配する必要はありません。

やっぱり7~9月は上昇してるでしょ
≪画像元:Yahoo Japan

ラックランドは過去5年全てで7月~9月の株価が上昇しており、株価騰落率平均もTOPIX騰落率を約2%上回っています。ローリスクかつ高確率で利益を狙える銘柄の中では一番期待値が高いので、リスクは控えめに利益を狙いたい方はぜひポートフォリオに加えてみてください。

・アトム(7412)

株主優待実施月:3・9月

株主優待内容:株主優待ポイント

(100株以上)2,000円分

(500株以上)1万円分

(1,000株以上)2万円分

過去5年の7月~9月株価騰落率平均5.75%

アトムはコロワイドグループの外食企業です。

業績はコロナの影響をもろに受け悪化していますが、アトムの株価は業績で評価されておらず、株主優待価値で評価されていると思われるため、そこまで気にしなくてもよいでしょう。

ただ、他の外食企業と比べても超割高であるため、株主優待が万が一改悪・廃止された場合の株価は暴落が予想されます。その点はご注意ください。

アトムは過去5年全てで7月~9月の株価が上昇しており、高確率で利益を狙うことができます。アトムを今保有していないけど9月の権利付最終日までには保有したい、という方は先回り買いしてはいかがでしょうか。

2. SRS(8163)

株主優待実施月:3・9月

株主優待内容:食事券

(1,000株以上)1万2,000円分

過去5年の7月~9月株価騰落率平均5.38%

SRSは和食レストランを経営する企業です。

業績はコロナの影響をもろに受け悪化していますが、アトムと同様に株価は株主優待価値で評価されている企業と言えるので、そこまで気にしなくてもよいでしょう。

SRSは過去5年全てで7月~9月の株価が上昇しており、高確率で利益を狙うことができます。さらにSRSは過去5年全てで7月~9月の株価上昇率が3%を超えているのも魅力です。

2,000株を7月月初に購入し、1,000株を3%の値幅を取ったうえで利益確定し、残りの1,000株で株主優待の権利を取得すれば、1万2,000円分の食事券に加えて約2万5,000円(税金は考慮せず)もの利益まで手に入ります。

もちろん値下がりするリスクはありますが、リスクを取ってチャレンジする価値はあるでしょう。

リスクは高いが大きめの利益を狙える銘柄

1. インフォコム(4348)

株主優待実施月:9月

株主優待内容:優待ポイント

(100株以上・保有3年未満) 1,000ポイント

(100株以上・保有3年以上) 2,000ポイント

(500株以上・保有3年未満) 2,000ポイント

(500株以上・保有3年以上) 4,000ポイント

(1,000株以上・保有3年未満)3,000ポイント

(1,000株以上・保有3年以上)6,000ポイント

過去5年の7月~9月株価騰落率平均15.03%

インフォコムは電子コミック配信サービス「めちゃコミック」が有名な企業です。

業績はコロナ禍のステイホーム特需を受け、昨年は過去最高売上・利益を達成しました。さらに2022年3月期も過去最高売上・利益を更新する見込みです。

業績面での安心感があることに加え、インフォコムは過去5年中4年でTOPIXの上昇率を上回っています。そして最も魅力なのが、過去5年中3年は20%を超える上昇率であったことです。

株主優待の制度が株数増加によってもらえる優待ポイントが増えるため、権利付最終日までに買増す投資家が需給状況を良くしているのかもしれません。

2. ヒロセ通商(7185)

株主優待実施月:9月

株主優待内容:優待ポイント

(100株以上)  当社キャンペーン商品1万円相当

(1,000株以上) 当社キャンペーン商品3万円相当

過去5年の7月~9月株価騰落率平均25.02%(優待導入年を除く平均は12.49%)

ヒロセ通商はFX事業を運営する企業です。

業績は特に良くも悪くもなく安定しています。

ヒロセ通商は過去5年中4年でTOPIXの上昇率を上回っており、株主優待を導入し株価が大きく上昇した2016年を除いても株価騰落率平均は12.49%と高めです。

ヒロセ通商の株主優待は「カレー優待」として人気があり、1,000株まで買増して3万円分のキャンペーン商品をもらいたい投資家の需要が株価を支えているのかもしれません。

3. アサンテ(6073)

株主優待実施月:3・9月

株主優待内容:

(100株以上)三菱UFJニコスギフトカード1,000円分

過去5年の7月~9月株価騰落率平均8.79%

アサンテはシロアリ防除・駆除を手掛ける企業です。

業績は少し停滞感がある反面、事業に比較的お金がかからない企業なので、お金が貯まりやすく財務面にかなり魅力があります。

アサンテは過去5年中3年でTOPIXの上昇率を上回っており、株価騰落率平均は8.79%とまずまずです。

株価騰落率平均ではインフォコムやヒロセ通商を下回るものの、アサンテは権利付最終日直前に急騰しやすい特徴があります。

以下チャートの権利付最終日の9/28のように寄付から高く始まったり、他の年では日中に大きく買われ大陽線を引くこともありました。

6073アサンテ日足202007~9月
≪画像元:株探

アサンテに関しては、権利付最終日の数日前に買増し、権利付最終日に売却して利益を得る短期売買をしても面白そうです。

先回り買いする際の注意点

絶対に値上がりするわけではないので、損切水準は必ず設定して損失を限定しましょう。

複数単元株数(200株以上)投資する場合、なるべく権利付最終日直前に売却してください。

権利落ち後は値下がり可能性が高く、せっかくの評価利益がなくなってはもったいないです。この場合100株だけ株主優待取得のために保有する分には問題ありません。

値上がりした時は

・ ローリスク銘柄の場合は10%

・ ハイリスク銘柄の場合は20%

利益確定の目安としてください。欲張って利益を減らすよりは、確実に利益を残していく方が無難です。

1銘柄に集中投資するよりは複数銘柄へ分散投資しましょう。もし集中投資した場合にその銘柄に悪材料が出たら、大きく損を出す可能性があるためです。

上記の点を注意し、さっそく7月から買ってみてはいかがでしょうか。

株主優待を取得するだけでは1銘柄当たり数千円~1万円程度ですが、本記事の手法を使って上手くいけば数万円以上の利益が狙えます。

ぜひあなたの投資の幅を広げてみてください。(執筆者:株式ディーラー歴10年 勝越 晴)