これまで読んだ本で、とても印象に残っている「ぼくはレモネードやさん」という絵本があります。

3歳でがんを経験した小6(当時)の男の子が書いた本です。

この本は、自身の子どもが小児がんを経験したお母さんに紹介してもらいました。

長期入院をはじめ、闘病にはかなりの金額がかかると教えてくれました。

小児がん経験者から病気に関わるお金について話が聞けたので、許可をいただき紹介します。

小児がん経験者に聞いた

小児がんは1万人に1人 入院期間は半年以上

2人に1人ががんになる時代と言われています。

小児がんは年間2,000人~2,500人、約1万人に1人が発症するといわれています。

珍しい病気なうえに、その中でも白血病や脳腫瘍など多くの種類があり、その専門医は限られるのが現状です。

発症すると長期入院が必要になり、後遺症が残ることも多い病気です。

参照:がん情報サービス

医療費自体の負担は少ない

子どもの入院・通院には自治体の医療費助成や高額療養費制度が充実しています

申請など手続きが大変なものもありますが、医療費自体が負担になることはあまりなさそうです。

セカンドオピニオンにかかるお金

小児がんは専門医も少ないため、近くの病院での診断だけでなく、セカンドオピニオンを受けることも多いそうです。

横浜-北海道や岡山-東京を、セカンドオピニオンのために往復したという方もいました。

交通費だけで数万円単位の出費ですが、セカンドオピニオンの診療は自費で2万円~3万円かかる病院もあり、1度の診療で10万円以上になることもあります

入退院、付添いにかかる交通費

遠方の病院に入院することも少なくありません。

病院までの交通費・宿泊費については民間の補助制度もありますが、所得制限などですべての方が受けられるわけではありません

大阪-岡山間で入院の付添いを両親で毎週交代していた方は、新幹線代や高速代が毎週かかっていたといいます。

岡山-新大阪間は片道約5,600円、毎週新幹線で往復すると、半年で約28万円かかる計算です。

入退院時は新幹線の駅と病院の間をタクシー移動にする、お留守番のきょうだいのために、遠方の祖父母に新幹線で自宅まで来てもらった、などさまざまなシーンで交通費がかかります。

参照:認定NPO法人 ゴールドリボン・ネットワーク

入院時の滞在費

患児本人の入院費は無料でも、付添いに関わる費用はほとんどが実費となります。

宿泊費

24時間付添いができる場合は宿泊費はかかりませんが、寝具代が必要な場合があります

夜間付添いがない病院では、自宅が近くでなければ保護者の宿泊場所も必要です。

近くに患児保護者専用の滞在施設がある場合は安価で宿泊できますが、そうでない場合はマンスリーマンションを借りるなど月額5万円以上になることもあります。

付き添いにかかわるものはほぼ実費

ポケットWi-Fiは必須

手術後など、起き上がるのもしんどい時期にはひたすら動画を見て過ごしたというお母さんもいらっしゃいます。

月50ギガでも足りなかったそうです。

最近は通信費がかなり安くなっているので、負担は少なくなっているかもしれませんが長期になるとかなりの出費です。

洗濯・入浴も実費

入浴も保護者は院内の施設を使えないケースもあります。

近くの銭湯を使うなど、毎回の出費になります。

洗濯もコインランドリーとなると、細かいお金とはいえ長期になるとかなりの金額です。

共働きの場合は収入減も

長期入院、その後は頻回の通院や自宅療養、学校へ復帰後も送迎が必要な場合もあります。

両親ともにフルタイムで仕事を続けるのは難しく、共働きの場合は収入が減ってしまう場合も多いようです。

備えになるのは「保険」

このように長期の入院となると、医療費以外の部分で多くの出費や収入減がある、子どもの病気で役に立ったのは、保険だそうです。

掛け捨ての共済など、「入っていてよかった」という声も聞かれました。

手厚い保障でなくても、保険金がもらえると安心にはつながります。

手厚いのは、がん保険

小児がんの場合は、1番手厚いのは「がん保険」です。

子どものがんは1万人に1人なので、それを保険で備えるのは現実的でないかもしれません

一般的に、がん保険に加入する年齢は40代が多いようです。

アフラックのHPで、0歳と40歳、それぞれがん保険(終身)に加入した場合をシミュレーションしてみました。

40歳で加入した場合の月額保険料は、0歳で加入した場合の保険料の約3倍です。

同じ条件で65歳まで加入していた場合に支払う保険料は、トータルでみると0歳時に加入したほうが若干安いという結果が出ました。

長期間のシミュレーションでは保険をとりまく環境は変わる可能性があるため、参考データではありますが、

・ 支払う保険料はほぼ同じで、保障期間が2倍以上

・ 一定のがん診断を受けたら、以後保険料免除で保障は継続

・ 途中大きな病気になって、がん保険に新規加入できないリスクを減らせる

・ 子どもが成人したあと、自分で支払うがん保険料が安く済む

というメリットがあります。

「がん」に特化した保険なので全員が必ずお世話になるわけではありませんが、いずれ加入する予定であれば終身保険はできるだけ早く入ったほうがメリットが大きいようです。

子どもの病気でかかるお金は医療費だけではない

付添うにもお金がかかります

今回、話を聞いたのは小児がん患児のご家族でしたが、長期療養が必要になる病気はたくさんあります。

「子どもは医療費がかからないから大丈夫」という考えでは甘いのだと痛感しました。

もしも自分や家族が同じような状況になったときに臨時出費に耐えられる備えは必要です。

家族が元気な今、自分なりにできる備えを考え、今病気と戦っている子どもたちへ寄付などで支援することも大切だと感じました。

保険料が家計を圧迫しないように注意

その時の備えとなる保険でも、保険料が家計を圧迫するのでは本末転倒です。

お子さんが小さいうちは、可能性としてはほぼ100%必要になる教育費や、マイホームの予定がある方なら住居費を貯めることも大切です。

無理のない範囲で予想外の事態に備え、必ず必要になる出費を優先して資産計画を考えましょう。(執筆者:亀井 香奈)