用途は同じにも関わらず、値段は全く違うものがあります。

節約は、ただ単にお金を使わないことではありません。

金額にふさわしいものや金額以上の価値があるものは、例え高額商品でもお金を支払う価値はあるのではないでしょうか。

今回は、身近な品物の中から値段に差があるものを3つ選んで高級品とお手頃品の違いを考えます。

安ければいいってもんでもない

スカーフ

6万円以上のエルメスのスカーフ

1,500円のユニクロのスカーフ

スカーフは、首に巻いたりバッグに巻いたりして使うファッションアイテムです。

スカーフの高級品といえばエルメスです。エルメスのスカーフは大きく分けると70cm四方の「カレ」と90cm四方の「スカーフ」そして140cm四方の「カレジェアン」の3種類があります。

今回は、比較しやすいように70cm四方の「カレ」と50cm四方のユニクロの「シルクプリントスカーフ」を比較します。

エルメスのスカーフとユニクロのスカーフの違いは「素材の違い」と思っている人は多いのではないでしょうか。

筆者もユニクロのスカーフはシルクではなく、ポリエステルだから安いのかと思っていました。

しかし、ユニクロの1,500円のスカーフはシルク100%であり、2021年8月に発売された新作はトップモデルのイネス・ド・ラ・フレサンジュとコラボした商品です。

ローラアシュレイを思わせるデザインで、とても1,500円には見えません

一方のエルメスは、ユニクロよりも一回り大きく、ずっしりと重みと厚みがあります。

エルメスのスカーフは、フランスのリヨンで作られています。

寒いヨーロッパの冬に適した厚みのあるシルク地です。

さらにエルメスは柄と発色が素晴らしいです。シルク地に浮世絵を摺るように1色ずつ刷り上げます。

これはシルクスクリーンという技法で、一枚一枚手作業で制作します。

色数が多くなればなるほど手間と技術が必要になり、大量生産品ではなく作品であることがわかります。

エルメスのスカーフに目を近づけてみてみると、色と色の境目がくっきりとわかれています。

色が重なることなく刷り上げる技術は素晴らしいです。エルメスのスカーフは、その仕事の素晴らしさからスカーフとして使うのではなく、額装して絵画として飾る楽しみもあります。

エルメスとユニクロのスカーフの値段の違い

使っているシルクの量と製作の工程の違いだけでなく、広告宣伝費も含まれています。

エルメスの「憧れのブランド」というステイタスも大きな魅力です。

エルメスのスカーフを芸術品としてみるならば、6万円はけして高くはありません。6万円の絵画はむしろお手頃価格です。

醤油

大豆を蒸したニオイはくさいのだ
1,000円ちかい超特級の減塩醤油

100円以下の標準の濃口醤油

スーパーで醤油を選ぶとき、値段の違いに驚いたことはないでしょうか。

醤油は食卓に欠かせないものであり、たくさん使うため高級品ばかりを買うわけにもいきません。しかし高級品の醤油には高い理由があります。

醤油にはJAS規格の等級があります。

高い順から「超特級」「特級」「上級」「標準」です。

違いはうまみ成分の量の違いです。「標準」よりも「超特級」のほうがうまみ成分はたくさん入っていて値段も高めです。

使われている大豆の種類によっても値段は変わります。

「丸大豆」は大豆をそのまま使っています。「脱脂加工大豆」は、大豆の中の油分を20%絞ったものです。

絞られた油は、食用油として使われています。丸大豆で作った醤油は、醸造中に油分がグリセリンになりまろやかな味になります。

値段は、丸大豆で作られた醤油の方が高めです。

うま味や使われている大豆に違いがあるならば、値段の違いに納得はできます。

しかし、減塩醤油が濃口醤油よりも高い理由はなぜでしょうか。使っている塩の量は減塩醤油の方が少ないにもかかわらず、値段が高い理由は「手間賃」と「設備費」です。

減塩醤油は、塩を少なめにして作るのではなく、濃口醤油から塩分だけを取り除いて作ります。

塩分を取り除くためには透析と同じことをしなければならず、専用の設備と手間が必要です。そのため、減塩醤油は塩が少ないのに値段は高めになっています。

100円以下の濃口醤油が極端に安い理由は、他にもあります。

醤油は欠かせない調味料のため、特売の目玉商品にされることが多いのです。

中でも、醤油の80%以上を占める濃口醤油は消費者に魅力的な商品であり、目玉商品にされやすい傾向があります。

ブリキ缶

3万円以上のブリキ缶

100円のブリキ缶

オシャレなセレクトショップに行くと、古びたブリキ缶が3万円以上で販売されていることがあります。

100均にも似たようなブリキ缶が100円で売っています。見た目は、100円のブリキ缶の方がきれいに見えるかもしれません。

値段の差は年代の差と絵の描き方の違いです。ブリキ缶はアンティークとしてコレクターに人気のものです。

とくに1950年以前のブリキ缶は絵が手描きのものが多く、1910年から1940年までのブリキ缶は特に高値で取引されています。

捨てない「節約」

ものの値段は、消費者の価値観によって「安い」と思うか「高い」と思うかが変わります。

値段の中身を知ることで、高級品が高級品である理由がわかります。そして、その理由に納得できるならば、それは値段に関係なく賢い買い物といえます。

高くても一生持つことで節約につながります。(執筆者:クリエイティブな節約家 式部 順子)