火災保険を選ばなければいけないけど、保険料は少しでも安く入りたい。

補償金額を減らすとか、補償プランをワイドタイプからエコノミータイプに変更すれば保険料は下がるのは分かるけれど、補償が減るのも心配など、真剣に考えれば考えるほど、決められなくなるのが火災保険かもしれません。

そんな火災保険もここを知れば納得して保険料を下げることが可能です。

火災保険もしっかりと選んでね

火災保険料が変動するポイント

Point1. 免責金額

免責金額とは、被害に遭って保険金が支払われる時に保険金から差し引かれる金額です。

簡単に言うと損害額を全部保険金で賄いたいという契約をするか一部は自己負担する前提の契約をするかということです。

この自己負担する金額が免責金額と言われます。

保険会社によっても設定できる免責金額は微妙に違いますが、0円、1万円、3万円、5万円、10万円のように選択できます。

0円だと自己負担はしないという契約です。そしてこの免責金額を高く設定すればするほど保険料は下がっていきます

保険会社からすれば、自己負担してくれる分、支払う保険金が少なくなるので、リスクが減るという理屈です。

ただ単純に保険料を下げたいから10万円の設定してしまうという短絡的な決め方は避けた方が良いです。

実際に被害に遭った時に10万円分は自己負担を本当にできるか? する気があるか? ということを自分自身に問いかけてみてください。

万一、被害に遭った時、被害の程度にもよりますが、その自己負担分のお金すら他に回したいと状況が切羽詰まっていることも予測されます。

Point2. 特約

火災保険に限らず生命保険も保険の契約は「約款」という決まりごとに沿って、保険金の支払い額が決まります。

「このようなケースの時に保険金を支払います」という取り決めがされています。

この約款は金融庁のお墨付きをもらって運用されているので、手順を踏まなければ変更もできません

火災保険に関していえば、「火災保険約款」に基づいて補償されています。これを標準とするならば、この標準とは違うケースを想定して決められているのが「特別約款」です。略して「特約」です。

例えば、標準では損害額分しか支払えないけど、追加して諸費用も支払いますという特約を付けると諸費用も支払われるようになります。

事故時諸費用特約とか臨時費用特約とか保険会社により名称が違います。

一部自動付帯で外せない特約も存在しますが、基本的に特約は付けるか付けないかは、契約者の任意です。

提案された見積書に特約がある場合、保障内容を確認して、いるかいらないかを検討してみる価値はあります。いらないなと思う特約なら外すと保険料を下げられます

Point3. 年数

補償内容を全く変更せずに保険料を下げるのに効果的なのは、契約年数です。

特に長期一括払で保険料を支払う場合は契約年数を変更することで保険料も変動します。

執筆時点での火災保険の最長契約可能期間は10年間です。10年分の保険料を一括で支払うよりは、7年や5年と短くした方が、補償期間が短くなるので保険料は下がります

ただ保険料は長い期間の一括払いの方が割引率は高く、5年で更新して10年間支払った保険料よりは10年一括払いの保険料の方が総額は安くなります。

この方法は目先の予算不足の状況をやり過ごす程度の効果でしかありませんが、ないものは支払えないので、一定の補償は確保したいけれど、保険料の負担はきついという場合に検討できる方法かもしれません。

保険料も変動するからね

Point4. 建物の構造

火災保険は、最初は火災による損害を補償する商品でした。現在の火災保険は補償範囲が広がり、幅広い損害に備えることができます。

そんな元々の特性もあって、火災保険料は建物の構造によって、保険料が大幅に違います。

「単純に燃えやすいかどうか?」という観点から主要構造部が木造、鉄骨、コンクリートのどれに該当するかによって、同じ補償内容でも保険料が大幅に違います。

参考にインターネットの比較サイトを利用して試算した保険料は次の通りです。

【試算前提】

保険会社:損保ジャパン(地震保険なし、家財保険なし)
補償金額:2000万円
補償期間:10年(一括払)

保険料(10年一括払)
木造 21万240円
鉄骨 12万440円
コンクリート(マンション) 8万7,880円

火災保険に安く入りたいから木造以外で探そうなんてことはする必要はありませんが、これだけ差が出ることは先に知っておくと、諸費用の見込額設定の際に参考になります。

木造の場合、もし注文建築をするなら、保険料を下げられる方法がひとつあります。

それは建物の仕様を「省令準耐火仕様」にする方法です。これは簡単にいうと木造の建物を火災に強い一定の仕様にすると火災保険上は、鉄骨と同じ構造の建物と見なせるという方仕組みを活用する方法です。

木造なのに鉄骨と同じということは保険料も約半分になるという計算です。

準防火地域と言われる火災に対しての規制が厳しいエリアに建築する場合には、準耐火構造でないと建築できないので、この仕組みを利用できます。

ハウスメーカーでは、標準仕様でも「省令準耐火仕様」以上の仕様になっているか一部だけ変更すれば基準を満たせるケースも少なくありません。

建築コストもそれほどアップさせずに該当されられるならば、活用してみると良いと思いますが、建築工事が始まってからでは、間に合わないので、打ち合わせ段階から相談する必要があります。

火災保険こそじっくり検討

火災保険をじっくり検討して選ぶという方は少ないイメージです。

特に更新ではなく、マイホーム購入時に新規で加入する場合は、タイミング的にも引越しや住宅ローンの手続きなどあれこれとやらなければいけないことがあって、火災保険をゆっくり検討している余裕がないというケースがほとんどです。

早い段階で検討できると、納得して決めら結果、保険料の節約につながることもあります。(執筆者:佐藤 陽 FP2級、宅地建物取引士、建設業経理事務士)