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小型株で1億円を築いた遠藤洋氏に聞く! 注目銘柄と初心者向け株式投資方法

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小型株で1億円を築いた遠藤洋氏に聞く! 注目銘柄と初心者向け株式投資方法

投資家の夢、「テンバガー(10倍株)」を見極めて「億り人」になるためにはどうすればいいのかー。

そのためには、実際に小型株で1億円を築いた人に話を聞くのが一番。大学を卒業後、ベンチャー企業勤務を経て26歳で起業。成長株を中心に集中投資をして自ら「億り人」になった遠藤洋氏にお話を伺いました。

勝てる株式投資の極意、銘柄選びで気をつけていること、初心者におすすめする投資方法や、今、注目している銘柄……。そして「本質的な投資」で注意すべき基本ルールとはー。

株式投資を始めたきっかけは?


ー大学時代に投資をはじめられたと聞きました。


遠藤さん:大学時代、ヒマだったため投資をはじめたんですよ。最初は、30万円をFXに預けて、ドル円取引をしていたのですが、すべてを溶かしてゼロにしました。レバレッジも賭けていて、知らない間に10万ドル(日本円にして1,140万円程度)を取引していたようでした。


―1,000万円以上の取引ですか……。


遠藤さん:はい、これでFXは自分には向いていないと感じました。


―株取引は、ご両親や親戚がされていたのですか?


遠藤さん:両親は株取引をしていましたが大損をしていたようで、「株はするな」と注意されていました笑。


―そこから株で利益を出すところまで進んだのはすごいです。


遠藤さん:FXで大損して、FXではない儲かる方法を考えました。

株式投資はリスクがあるもののギャンブルではありません。会社は社会の役に立っている前提があります。そして、「企業は成長したがっている」。そのうえ、株取引で利益を出し続けている人が一定数いる。成長する企業に投資して利益が出ることは良いことだと感じました。

遠藤洋氏
今回インタビューさせて頂いた遠藤洋 氏

「小型株」とは何か


―小型株とは何か教えてください。


遠藤さん:小型株とは、時価総額が300億円以下の株です。未来に大きく成長する可能性のある株です。


―5万円以下、10万円以下の株ではないのですね。


遠藤さん:いくらで買える株かどうかは関係ありません。時価総額が小さい株を「小型株」と言います。会社が成長した時に還元が大きくなりそうな株のことを指します。

初心者がやるべき投資スタイル

―1日あたり10分~15分で取引がいいと聞きましたが……。


遠藤さん:勘違いしないでほしいのは1日あたり10分~15分でいいのは、取引時間です。

企業研究にはかなり時間をかけています。

デイトレーダーみたいな取引をしない代わりに、未来を託す会社分析には時間をかけます。

びっくりされるかもしれませんが、私の場合、取引は年に数回しかしない時もあるくらいです。


―取引時間、驚くくらい少ないですね。


遠藤さん:企業の未来に賭けて株購入をするわけなので、特別なことがない限り売買はしません。自分の「シナリオ」に当てはまらなくなった場合に、どうするかを考えておくだけです。

1日や1週間での株価の値動きにはあまり興味がないです。


―初心者が株を買うなら、どうすればいいか教えてください。


遠藤さん:もし30万円あるなら、私なら1つの会社に全部賭けます。


―分散投資より1つの企業ですか?


遠藤さん:よく分散投資がいいと言われますが、初心者こそ、1つの会社を本命にした方がいいです。株は「未来を賭ける」わけなので恋人と同じ。複数ではなく1つの会社にすべて捧げます。

その代わり、株を買う時は会社や社長を徹底的に調べます。銘柄は気軽には選びません。


―「PER」「PBR」などは重要視しないということですか?


遠藤さん:「PER」「PBR」なども参考程度に見ます。どういった分野のビジネスをしているのかはもちろんですが、「未来を預けられるか」が重要だと感じています。

結局、大事なのは人間なんです。創業者がカギです。経歴や学歴は基本で、相手に感じる雰囲気が重要です。「数」では表せない部分を感じ取り、この社長に「賭けられるか」を考えるのが大事だと思っています。

データにはない部分を感じ取り、この人に賭けてみたいと思ったかどうかを大切にしていくことが最終的には重要になってくると考えています。

テンバガー候補になりそうな注目している銘柄


―読者が一番聞きたいことを代表して質問します。現在、注目されている銘柄はありますか?


遠藤さん:まず、「セルソース(株)(4880)」に注目しています。バイオベンチャーの企業で、事業内容は再生医療です。話題の幹細胞(かんさいぼう)に関わっていることから興味を持ちました。

私の周囲では、金銭的に余裕がある人で幹細胞の注射を打ちに海外渡航する人もいます。日本において高齢化が進んでおり、最終的にお金を使う長寿関連の企業はトレンドでもありますし、今後伸びていく予感がします。

また、「(株)ビザスク(4490)」にも注目しています。著書『お金知識ゼロ! 普通の会社員でも株で1億円つくる方法をイチから教えてください!』でも紹介している銘柄です。ビジネスの知見を持つアドバイザーとお客さんをつなぐコンサルティング業をしている会社です。


―注目する銘柄はどんな方法で見つけるのですか?


遠藤さん自分の体験を元にしています。自分が上がると感じ取った株は、間違いなく上がります。


―例えば、どういったエピソードがありますか?


遠藤さん:SNSの先駆け「mixi(ミクシィ)(2121)」です。mixi株は、上がると自分の中で確信があり、一時期、集中して株投資をしていました。

―具体的に理由をお伺いしてもよろしいでしょうか。

mixiは私が大学生の頃はSNSサービスとしての「mixi」が有名でした。

それがFBやツイッターの登場によって、ユーザーがどんどんそちらに奪われ株価もどん底まで落ちて誰にも見向きされない期間が続きました。

そんな時に新たな事業としてmixiが「モンスターストライク」というスマホ向けのゲームをリリースしました。これが大ヒットしたのです。

ちょうどmixiがモンスターストライクを発売する前の年に、「パズドラ」というゲームが大当たりして、ゲームを提供しているガンホー の株価がうなぎ上り(1年で70倍以上)になっていました。

ちょうど次の「ポスト・パズドラ」になるような銘柄を探していたところ、mixiのモンスターストライクというゲームがそれに該当したため投資をしました。

また、「いきなりステーキ」を運営する「(株)ペッパーフードサービス(3053)」もです。「いきなりステーキ」は2013年12月に1号店が開店していますが、これまでに1人で行けるようなステーキ専門店がなかったことから「人気が出そう」だと瞬時に感じました。今は「(株)ペッパーフードサービス(3053)」の株価はあまり振るわないですが、急成長していくタイミングで出会えました。こういった第六感はとても大切です。

最近だと、2017年12月14日に発売された自動翻訳機の「ポケトーク」はいいと思いました。「ソースネクスト(4344)」が販売しているのですが、発売直後にかなり人気の商品となっていました。株価も2018年頃から急上昇しています。現在は、コロナ禍もあり株価が下がってはいます。

このように新製品はもちろん、自分の体験、自分の勘を大事にして株の銘柄選びに生かすことができます。


―情報収集に新聞などを利用する方法もありますが……。


遠藤さん:新聞を読むべきと言う人もいますが、新聞記事には担当する記者のフィルターがかかっています。読者に対して、どういった内容がウケるか、どうすればPV数(閲覧数)が多くなるかと考えられた記事が増えています。それよりも、日常生活での「気づき」を大事にしてみてください

テンバガー銘柄を見つけるコツ

遠藤洋氏


―テンバガー銘柄を見つけるために何をしたらいいでしょうか。


遠藤さん:銘柄を見つけるには、「時代が何を求めているか」を感じ取ります。例えば、紹介したバイオベンチャー企業銘柄「セルソース(4880)」ですが、おすすめする理由は、高齢化社会でお金を持った裕福な高齢者がエイジングケアに気をつけていることを私が感じているからです。

高齢者だけではありません。厚生労働省は、予防医療の取り組みが不十分だと考える自治体に交付金を減額する制度を取り入れています。政府も予防医療に力を入れはじめているのです。

未来では、どういった会社が求められるか、どういったサービスが求められるかを考えると、テンバガー候補株が自然と見つかります


―それには新聞ではなく日常の気づきが大事、と。


電車に乗るとスマホでゲームをしている若者たちを見て、どんなゲームをやっているのか調べてみるのもいいきっかけです。

コロナ禍では、自宅で映像サービスを楽しむ人が増え、Netflix(ネットフリックス)の売り上げが過去最高になったニュースがありました。

キャンプが人気になった影響で「スノーピーク(7816)」はここ数年でテンバガーになっていると思います。

(※「スノーピーク(7816)」は、2020年3月13日に548円、2021年9月17日には6,310円とわずか1年半でテンバガーになっている例)


―「株式会社アルペン(3028)」もコロナ禍に株価が上がっていた気がします。時代の空気を感じ取ることでテンバガー候補を見つけられそうですね。


遠藤さん:知人の子供の話ですが、勉強嫌いな子だったそうです。塾に通うようになってから、勉強に楽しく取り組むようになり、知人は驚いたそうです。その塾の企業の株を買ったところ、塾の株価はどんどん上がっていったそうです。

肌で感じることで、誰にでも「いい企業」の空気を察知しテンバガー候補の株式を買うことができるいい例です。

過去にあった失敗例


―テンバガー銘柄を数々当てていて失敗がないように感じますが、失敗例はありますか?


遠藤さん:実は、失敗だらけです。しかし、失敗も経験です。成功には失敗が必要です。

慣れるうちに成功数が増えていきます。また、失敗であっても、いくらくらいなら許せると自分の中で線引きをしているので、「本来ならば2億円の損だったのに1億円の損で済んだ」と思い、そこまで痛手とは感じていないこともあります。

ここだけの話ですが、過去に仮想通貨の企業に投資したことがあります。すると、社員同士の仲が険悪になったのか、社長が個人で他企業に投資しはじめました。結局、半分くらいの株価になってしまい、損切りをしました

証券会社の口座は2つ持て!?

遠藤洋氏

―証券会社の口座は2つ持つのがいいと別のインタビュー記事で読みました。この理由や使い分け方法は?


遠藤さん:初心者なら、1つの証券会社でもいいと思います。

2つの証券会社を保有していると便利なことは、片方がメンテナンスをしていた時に、もうひとつが利用できることです。証券会社でチャートなど情報を見ている場合、1つの証券会社だとメンテンナンス中は見ることができません。2つの証券会社があればいつでもチャートなどの情報を見ることができます。

また、目的別に証券口座を持つ方法もあります。

2つの証券口座があれば、1つは「株主優待銘柄」口座にして、もう1つは「取引用銘柄」口座にすることもできます。「長期的保有銘柄」口座と「短期売買・デイトレード用」口座に分けるのもいいかもしれません。


―信用取引口座保有についてはどう感じますか?


遠藤さん:個人的な意見は、もし、信用取引をするなら、初心者の方が挑戦しやすいかと考えています。

30万円で信用取引をしてゼロになるのと、100万円で信用取引をしてゼロになるのでは、30万円より100万円をなくしてしまう方が辛いですよね。30万円だと、1つの銘柄がテンバガーであっても増やすのにどうしても時間がかかります。資金力があれば入金できますが、最短でお金を増やしたい場合は、リスクを取りながら、初心者のうちこそ信用取引をしてもいいのかと考えます。

自分のシナリオを持てば下げ相場でも株取引で失敗しない


―私事ですが、岸田ショックで「狼狽売り」をしました。過去にも「狼狽売り」を経験しています。メンタルの保ち方があれば教えてください。


遠藤さん:気持ちはとてもわかります。でも、買う時と売る時のシナリオがきちんとありましたか?その点、ちゃんと確認してください。

株を買う時に、みなさん「上がるはずだ」と楽観視して買っています。買う時はもちろんですが、売る時の着地点もルールとして決めておいてください。そうすれば下げ相場でも狼狽売りしないはずです。

例えば、「企業が売上高1,000億円達成したら売る」「ストップ高になったら売る」などです。

企業が成長するなら途中で株価は上下するのは当然です。売る時のゴール目標も決めておけるといいでしょう


―10パーセント下落したら売る方法もありますね。


遠藤さん:「何パーセント下落したら売る方法」は、タイミングとして間違っているケースもあります。そのため、あまりおすすめしません

米国株、Amazon($AMZN)の株を例に出します。上場してから株価が2,000倍にもなりました。しかし、途中、株価が落ちたこともあります。

10%下落したら売るだと、保有し続けると2,000倍になるAmazon株も途中で売ってしまうことになります。

それよりも、企業の売上高や成長率、移動平均線を見て、自分が書いたシナリオ通りなら持ち続ける握力も必要です。それが「本質的な投資」です。異常があれば売りますが、自分の方針を決めてその通り決断することが重要です。


―株取引初心者にも役立つことをたくさん教えていただきました。ありがとうございました。


今回のインタビューをまとめると……

・小型株とは時価総額が300億円以下の株

・取引時間は短くても良いが、会社、社長分析は徹底して行う。

・社長に賛同できて「未来を預けられるか」が重要

・情報収集は自分の体験から感じたことは大事にする

・日常生活において常にアンテナを貼る

・初心者こそ一つの銘柄に絞ったほうが良い

・株価を売買する場合はシナリオを複数準備しておく

・そのシナリオの精度を高めていくことが重要

・下げ局面でも、企業の売上高、成長率、移動平均線など「自分が描いたシナリオ通り」であれば持ち続ける握力も大切

※文章中の株銘柄紹介は、特定の商品購入を推奨するものではありません。リスク商品ですので、個人の判断で投資してください。

(執筆者:節約への情熱は誰にも負けない谷口 久美子)

《谷口 久美子》
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谷口 久美子

執筆者:FP3級,節約生活スペシャリスト 谷口 久美子 谷口 久美子

大学事務職員、外資系ITコンサルティング秘書職を経験。結婚、出産し、現在は2児の母親をしながらフリーライターとして活動しています。大学時代から貯金は大好きで、コツコツ貯め、20代で1000万円貯金をした経験あり。日々の節約やポイ活はもちろん、外貨預金、株主優待などを取り入れ、無理せず楽しくお金とつきあう方法を研究中です。 優待株・高配当株・J-REIT・米国株も併せ、2022年時点で世帯保有250銘柄以上。 <<保有資格>>実用英語技能検定2級,秘書技能検定2級,日本漢字能力検定2級,司書資格,節約生活スペシャリスト,3級ファイナンシャル・プランニング技能士 <<メディア出演>>2022.9.13 楽天証券トウシル/2022.11.7 週刊現代/2022.12.16 TBS ひるおび/2022.12.16 からだにいいこと/2023.2.18 楽天証券トウシル/2024.4.23 TBS ひるおび 寄稿者にメッセージを送る

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