最近「審査のないクレジットカード」をアピールするWeb広告を見かけます。
You Tubeの動画にもよく見受けられます。
以前からこんな広告はありましたが、増えた印象です。
審査のないクレジットカードなど存在しません。
ですから広告の先を読み進めても、「審査のないクレジットカードはこれ」という、欲しい内容は出てきません。
無駄な広告を見なくて済むよう、本記事でクレジットカードと審査の関係を解説します。
審査に通らないときの手段もご紹介します。
目次
信用できないWeb広告は多い
最近も、「ニベアクリームと○○を混ぜるとシミが消える」という広告があり、花王が一般消費者に注意を喚起したことがありました。
クレジットカード等の広告も、このレベルのものはざらです。
広告は利用者になんらかのアクションを起こさせるのが目的のため、意図的に誤認させる内容のものも多く存在します。
広告の最終目的を知っておきましょう。
次の通りです。
・「審査のないクレジットカード」・・・存在しないカードを餌に、「審査に通りやすいカード」を替わって推奨する
・「作れるカードがある」・・・カードローンを推奨する
「作りやすいカード」といっても、広告側の都合で推奨しているのであり、おすすめのカードが本当に審査に通過しやすいとは限りません。
カードローンなど作っても、利息の付く借金になってしまい、クレジットカードの代替品にはなりません。
そもそもクレジットカードの審査に落ちる人が、カードローンの審査にそうそう通らないのであり、これも広告の都合に過ぎないものです。
カード会社は絶対に審査をする
審査のないカードがないのは当然です。
「クレジット」は「信用」の意味で、申込者の信用を見るのが審査です。
そもそも、クレジットカード会社はどうやって収入を得ているでしょうか。
カード会社と利用者の関係性をまとめます。
・ カード会社の収入は、決済ごとの手数料、リボ払い手数料、キャッシング利息
・ 上記の収入は、クレジットカード代金の支払いが確実に見込まれることが前提
・ クレジットカード代金を支払わない人は商売にならない
カード会社はボランティアではなく、信用のない人にカードを発行するいわれはありません。
取得しやすいカードなら存在する
過去に金融事故（大きな滞納や債務整理等）を起こし、支払義務が消滅したのち5年経っていない人は「ブラック」と呼ばれます。
金融事故情報は個人信用情報に記載されているため、ブラックの事実は明らかで、普通のクレジットカードの審査にはまず通してもらえません。
とはいえブラックの人でも取得可能なカードなら存在します。
次の「デポジット型」クレジットカードです。
・ ライフカード（dp）
これらデポジット型クレジットカードにも、審査がないわけではありません。
ただ、「与信」の仕組みが違います。
次の通りです。
利用者が10万円あらかじめ入金すると、10万円のカード限度額ができます。
限度額の範囲内で、クレジットショッピングが可能となるのは、通常のクレジットカードと変わりません。
カード会社からすると、リスクがありません。
利用者が代金を支払わない場合は、デポジットから回収できますし、デポジットを超えた買い物はさせないからです。
ブラックの人が相手でも、カードを発行しない理由がないわけです。
クレジットカードを持てないときの代替ツール
実在しない、審査のなしのカードを探さなくても、取得できるクレジットカードをみてきました。
ですが昨今、クレジットカードも必須とは言えなくなってきています。
クレジットカード以外のキャッシュレスが充実してきたためです。
最近は銀行機能が充実してきて、デビットカードやQRコード決済と組み合わせて快適なキャッシュレス生活が送れます。
特にデビットカード（最近の主流であるクレジットカードタイプ）は進化しました。
審査がないので、過去に金融事故のあった人でも問題なくデビットカードを作れます。
ただしカーライフ（カーシェア、ガソリンスタンド、ETC）に関しては、今なおクレジットカードが圧倒的に有利なのは確かです。
「審査のないクレジットカード」など必要ない
ブラックになってしまった人も、自分が実際に持っているお金だけ使うなら、クレジットカードがなくても快適に生活できます。
カーライフに関しては、Nexusカードなどデポジット型のカードがあれば対応できます。
「クレジットカードを持つこと」自体が、目的ではないはずです。
広告にだまされずに、地に足を付けて生活しましょう。（執筆者：沼島 まさし）
