ここ数年で、子どもにキャッシュレスでお小遣いを渡す人が増えているようです。

その一方で、子どもにキャッシュレスでお小遣いを渡すことに抵抗を覚える人もまだ多いと聞きます。

しかし、これだけキャッシュレス決済が普及しているご時世です。

今後は子どもも、キャッシュレス決済を使えないと困る場面が増えるでしょう。

そこでこの記事では、小遣いキャッシュレス化の現状や、子どもの小遣いにキャッシュレスを導入するメリットと注意点について解説します。

あわせて、お小遣いをキャッシュレス化しながら、子どもに金銭感覚を身につけさせる方法についても説明します。

子供のおこづかいをキャッシュレスで渡すメリット

小遣いキャッシュレス化はどの程度進んでいるか?

まず、「小遣いのキャッシュレス化がどの程度進んでいるか?」という点について、MMD研究所の2022年1月初めてスマートフォンを持つ子どもと親のスマートフォン意識調査の結果をもとに説明していきます。

子供にお小遣いを渡すときの手段(MMD研究所)
≪画像元:MMDLabo

「子どもにお小遣いを渡す時の手段」についての質問に対し、「現金」と答えた人は、全体(子どもにスマートフォンを持たせている親1,000人)の約64.3%でした。

一方、一部でも子どもにキャッシュレスでお小遣いを渡している人の割合は、全体の19.5%

意外と少ない印象です。

この結果から、「お小遣いのキャッシュレス化」にまだ慎重な親が多い様子がうかがえます。

キャッシュレスでお小遣いを送金したい親はどれくらいいる?

その一方で「お小遣いのキャッシュレス化」に関心がある人も多いようです。

キャッシュレスでお小遣い送金意向(MMD研究所)
≪画像元:MMDLabo

「子どもにお小遣いをあげている人」を対象とする「キャッシュレスでのお小遣い送金意向」を問う質問に対し、「利用したい」「やや利用したい」と答えた人は全体の40.4%。

現在キャッシュレスでお小遣いを渡している人の約2倍です。

以上の結果から、今は子どもに現金でお小遣いを渡している人の中にも「お小遣いのキャッシュレス化」に前向きな人がいることがわかります。

子どもにキャッシュレスでお小遣いを渡すことに抵抗がある親も

ただ、子どもにキャッシュレスでお小遣いを渡すことに抵抗がある親も少なくないようです。

以上と同じ質問に対して「あまり利用したくない」「利用したくない」と答えた人の割合は、合計で約3割(27.4%)です。

その理由はいろいろありそうです。

ここではその一例として、「お小遣いのキャッシュレス化に消極的な理由」として多くの親が挙げる3つの「懸念」を紹介します。

(1) キャッシュレスの小遣いだと金銭感覚が身につかないのでは?

(2) 現金の使い方を知らないと困るのでは?

(3) 個人情報漏洩で子どもが危険な目にあうのでは?

以上は子どもがいる人なら誰でも1度は抱く懸念でしょう。

しかし、キャッシュレス決済が普及している今、子どもがキャッシュレス決済をまともに利用できない方がもっと心配ではないでしょうか。

また、キャッシュレスのお小遣いには現金にはないメリットもあります。

子どものお小遣いをキャッシュレスで渡すメリット

まず、子どものお小遣いをキャッシュレスで渡す主なメリットは以下の通りです。

利用履歴から親がお小遣いの利用状況を確認できる

・ 現金より失くしにくい

・ 支払時につくポイントでお小遣いが増える

もちろん、キャッシュレス決済機能があるスマホやカードの紛失で個人情報が漏洩するリスクはあります。

それについては、子どもにも注意喚起を行うことが不可欠です。

それでもなお、子どものお小遣いの使い方を親が容易に確認でき、それをもとに子どもに適切な金銭教育ができるのは非常に大きなメリットだといえます。

スマホで子供のお小遣い利用履歴をチェック

お小遣いをキャッシュレス化しながら子どもの金銭感覚を身につける方法

次は、「お小遣いをキャッシュレス化しながら子どもの金銭感覚を身につける方法」についてお伝えします。

1.「交通系ICカード」は子どもでも使いやすい

子どもでも使いやすいキャッシュレス決済は、交通系ICカードです。

Suicaなど、紛失しても再発行でき、かつ紛失時のチャージ残額が保証されるカードなら安心して使えます。

また、チャージ残高がゼロになれば支払いができないので、子ども自身が残金のやりくりを工夫することも期待できます。

さらに、交通系ICカードは利用可能なお店が多い点でもおすすめ。

すでにお小遣いをチャージして使っている子どもも多いようです。

2. スマホ決済アプリのお小遣いは「ATM現金チャージ」が鉄則

子どものお小遣いをスマホ決済アプリにチャージする場合は、ATM現金チャージが鉄則です。

ATM現金チャージなら、残高がゼロになれば決済できません

そのため、交通系ICカードと同じく、子どもが残金のやりくりを工夫するでしょう。

また、クーポンやキャンペーンを上手に活用しながらポイントを増やすことも、子どもにとってはお金の勉強になります。

3. 現金とキャッシュレスの両方でお小遣いをやりくりさせる

それでも「現金が使えないと困る」と考える親は多いでしょう。

その問題は、現金とキャッシュレスの両方でお小遣いをやりくりさせればクリアできます。

最初は現金、それに慣れたらキャッシュレスでやりくりを行う形にすれば、よりスムーズに両方のやりくりをマスターできるでしょう。

たとえば、ある知り合いは子どもに「これで好きなものを買っておいで」と100円を渡した上で、近所のお店に買い物に行かせました。

子どもはその経験を通して小遣いをやりくりする知恵を身につけたとのことです。

この方法はキャッシュレスにも応用できるため、子どもが現金を上手にやりくりできるようになったらキャッシュレスで同じことを試すといいでしょう。

その場合は、キャッシュレスの残金が100円になるようにお金をチャージすればOK。

現金の時と同じ効果が期待できます。

子どもにSuicaでお小遣いを渡す

そのような経験を通して、子どもは現金・キャッシュレスの両方を上手に使えるようになり、正常な金銭感覚も身につきやすくなります。

現在お小遣いのキャッシュレス化を検討している方は、まずこの方法をためしてみてください。(執筆者:元銀行員 大岩 楓)