人事業主にとって大きな関門となる確定申告が終わってホッとしたのもつかの間、早々に納税時期が来てうんざりする人も多いでしょう。

しかし、納付期限までに税金や社会保険料を納付しないと滞納となり、ペナルティを課されてしまいます。

そこでこの記事では、個人事業主が納める税金や社会保険料の納付期限や納付方法、滞納で課されるペナルティについて解説。

万が一滞納した場合の対処法についてもお伝えします。

納める税金や社会保険料の納付期限

税金の納付期限

個人事業主が納付する主な税金の納付期限は以下の通りです。

税金の納付期限

所得税・復興特別所得税 3月15日(確定申告期限と同日)
消費税および地方消費税 3月31日
住民税 第1期  6月30日

第2期  8月31日

第3期  10月31日

第4期  翌年1月31日

個人事業税 8月末、11月末

※以上の納付期限が土日祝日の場合は翌営業日が納付期限

所得税は3月15日までに自分で納付する必要がある

特に注意すべき復興特別所得税を含む所得税の納付です。

住民税などと異なり、所得税については納付書など「納税のお知らせ」が届きません

そのため、確定申告書に記した所得税額を自分で期限までに納付する必要があります。

「法定業種」は個人事業税の納付義務がある

以下に挙げる法定業種は個人事業税の納付義務があります。

テーブル 自動的に生成された説明

≪画像元:東京都主税局

以上の法定業種の人は納付期限を必ずチェックしておきましょう。

社会保険料の納付期限

次は社会保険料の納付期限です。

国民年金保険料 以下のいずれかを選択

・翌月末納付:納付対象月の翌月末日

・当月末振替:納付対象月の末日

・6カ月前納:4、10月末日

・1年前納:4月末日

・2年前納:4月末日

国民健康保険料・介護保険料

※40歳から「国民年金保険料+介護保険料」で納付

6月~翌年3月の各月末日

国民健康保険料や介護保険料は6月~翌3月の毎月納付となりますが、国民年金保険料は前納の形でまとめ払いも可能です。

税金や社会保険料の納付方法

今度は、税金や社会保険料の納付方法について説明します。

税金の納付方法

税金の納付方法は5通りあります。

税金の納付法1:現金納付

納付書を添えて金融機関や税務署の窓口で現金納付する方法です。

納付書は確定申告を提出した税務署またはその管内の金融機関で入手できます。

税金の納付法2:QRコード利用のコンビニ納付

納付額が30万円以下の場合、QRコードを利用したコンビニ納付が可能です。

利用可能なコンビニは「Loppi」設置のローソン系列コンビニ、または「Famiポート」設置のファミリーマートです。

コンビニ納付にあたっては、確定申告書等作成コーナーやコンビニ納付用QRコード作成専用画面で納付に必要な情報を入力し、納付用のQRコードを作成・印刷しましょう

税金の納付法3:振替納税

所得税や消費税は「振替納税」ができます。

振替納税とは、納付期日に自分の口座から自動的に税金の口座振替払いを行うことです。

それによって納付忘れを回避できます。

振替納税を希望する場合は「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を税務署または金融機関に提出する必要があります。

また、残高不足で税金の口座振替ができない場合は滞納扱いになるので注意が必要です。

税金の納付法4:電子納税

e-taxで確定申告を行った人は、e-taxやインターネットバンキングで「電子納税」ができます

詳細:国税庁「e-tax

税金の納付法5:クレジットカード納税

納税額に応じたポイントがつくクレジットカード納税も可能です。

ただ、納付額に応じた決済手数料が発生する点には注意が必要です。

決済手数料が獲得ポイントを超える可能性がある場合は、別の納付方法を選んだ方がいいかもしれません。

国税クレジットカードお支払サイト」では決済手数料のシミュレーションができます。

国民健康保険料の納付方法

国民健康保険料の納付方法(納税者全員対象)は2通りあります。

1:口座振替

事前に指定金融機関または役所の窓口で口座振替の手続きを行うと、保険料が口座から自動引き落とされます。

2:納付書による現金・スマホ決済納付

金融機関、役所、コンビニなどで、現金やスマホ決済による納付ができます。

国民年金保険の納付方法

国民年金保険料の納付方法は3通りあります。

1:現金納付(金融機関、郵便局、コンビニ)

「領収(納付受託)済通知書」を窓口や店頭に持参して現金で納付します。

2:口座振替

事前に金融機関等で口座振替手続きを行うと、保険料が口座から自動引き落としされます。

3:クレジットカード納付

事前に所定の手続きを行えばクレジットカード納付も可能です。

税金と違って決済手数料はかかりません

口座振替やクレジットカード納付について:日本年金機構「国民年金保険料の口座振替及びクレジットカード納付制度について

前納による割引について

国民年金保険料は前納による割引が適用されます。(要事前手続き)

<令和4年度の振替方法別割引額>

納付方法 納付1回あたりの前納割引額

口座振替・クレジットカード

納付1回あたりの前納割引額

現金

翌月末納付 0円 0円
当月末振替 50円 0円
6カ月前納 1,130円 810円
1年前納 4,170円 3,530円
2年前納 15,790円 14,540円

※参照:日本年金機構「国民年金前納割引制度(現金払い 前納)」「国民年金前納割引制度(口座振替 前納)

口座振替やクレジットカードの前納は現金よりも割引額が大きくなっています

納付期限までに税金や社会保険料を納付しないとどうなる?

期限までに正しく確定申告を行っても、納付期限までに税金や社会保険料を納付しないと滞納とみなされてペナルティを課されます。

ここでは「うっかり税金を滞納した」ケースで課されるペナルティを紹介します。

税金を滞納した場合

うっかりでも税金を滞納すると、従来の納税額に延滞税が加算されます。

<令和3年1月1日以後の延滞税の税率>

法定納期限の翌日から2か月以内 

年「7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」の いずれか低い割合

法定納期限の翌日から2ヶ月以上~同年の12月31日まで

年「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合

参照:国税庁

社会保険料を滞納した場合

国民健康保険料や国民年金保険料などの社会保険料を滞納すると、以下の割合で算出した「延滞金」が本来の保険料に加算されます。

テーブル 自動的に生成された説明

≪画像引用元:日本年金機構≫

延滞税や延滞金は延滞期間が長引くほど高額になるので、滞納のまま放置することは絶対NGです。

長引く滞納を放置すれば、最終的に財産をすべて差し押さえられて困窮する未来が待っています。

困窮する未来はいや

税金・社会保険料の滞納を防ぐには?

税金や社会保険料の滞納は、納税のスケジュール管理で未然に防げます。

通知機能のあるスマホのカレンダーなどに納付日を記録しておくといいでしょう。

それでも心配な場合は、口座振替手続きを行いましょう

振替日までに口座に十分なお金を入れておけば、ほぼ確実に滞納を防げます。

「お金がなくて納税できない!」を回避する方法

会社員と異なり、個人事業主の手取り収入には後に納付する税金や社会保険料も含まれています。

そのため、「手取り収入=使えるお金」と考えると後で税金や社会保険料を納付できない恐れがあります。

それを回避するためには、早い段階で税金や社会保険料の納付見込み額を概算し、それを少し超える金額を目標に毎月積立貯蓄するのがおすすめです。

また、納付が難しい場合はすぐ税務署や市区町村役場に相談しましょう

所得税や国民年金の延納、国民年金保険料納付の免除・納付猶予などの制度を利用できます

そのような形で速やかに対処すれば、長引く滞納によって財産差し押さえなどの最悪な事態を回避できるでしょう。(執筆者:元銀行員 大岩 楓)