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支給事由が異なる2つ以上の年金は受給できるか 自分にベストな組み合わせを考える

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支給事由が異なる2つ以上の年金は受給できるか 自分にベストな組み合わせを考える

日本の公的年金は、老齢、障害、死亡に対して給付を行っています。

支給事由が老齢の場合は老齢基礎年金と老齢厚生年金、障害の場合は障害基礎年金と障害厚生年金、死亡の場合は遺族基礎年金と遺族厚生年金の種類があり、それぞれ受給資格を満たした場合に受給できるのです。

老齢基礎年金と老齢厚生年金、障害基礎年金と障害厚生年金、遺族基礎年金と遺族厚生年金は、同じ支給事由の年金のため1つの公的年金とみなされます。

公的年金の場合、ほとんどの方は1つの支給事由に対して年金が受給されますが、中には遺族年金を受給していた方が老齢年金の受給資格も満たすようなケースもあります。

このように、支給事由が異なる2つの公的年金を同時に受給することは可能なのでしょうか。

今回は、支給事由が異なる2つ以上の年金は受給できるかどうかについて分かりやすく解説していきます。

支給事由が異なる 2つ以上の年金は 受給できるか

1人1年金の原則

日本の公的年金は、日本に居住する20歳以上60歳未満のすべての方が加入しなければならない国民年金と、会社員や公務員などの被用者が加入する厚生年金の2階建ての構造になっています。

国民年金の給付である基礎年金に厚生年金が上乗せされて支給される仕組みになっているため、同じ支給事由である基礎賃金と厚生年金は1つの年金とみなされ合わせて受給できるのです。

しかし、支給事由の異なる2つの年金を受給要件を満たした場合は、原則2つの年金を両方受給することはできません。

基本的には、「年金受給選択申出書」を提出して、どちらか1つの年金を選択しなければならないのです。

また、同じ支給事由であって2つ以上の年金を受給できる場合も、どちらか1つの年金を選択しなければなりません。

例えば、配偶者の死亡により遺族厚生年金を受給していた方が、子の死亡により新たに遺族厚生年金を受給できるようになった場合は、2つの遺族厚生年金を合わせて受給することはできません

1人1年金の原則の特例

原則公的年金は、支給事由の異なる2つ以上の年金が受給できるようになった場合、1つの年金を選択する1人1年金の原則です。

しかし、以下の組み合わせの場合は、特例的に支給事由が異なる2つ以上の年金を受給できることがあります。

老齢基礎年金と遺族厚生年金

(1) 65歳以上で老齢基礎年金を受給している方が、遺族厚生年金を受給できるようになった場合

(2) 65歳以上で老齢厚生年金と遺族厚生年金を受給できる方は、自分の老齢厚生年金を受給することになります。

但し、遺族厚生年金の受給額が老齢厚生年金の受給額よりも高い場合は、その差額を遺族厚生年金として併給できるのです。

一方、遺族厚生年金の受給額が老齢厚生年金の受給額よりも低い場合は、遺族厚生年金は全額支給停止になります。

老齢年金と障害年金

障害年金を受給している方が、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できるようになった場合は、65歳以後で以下の次のいずれかの組み合わせが選択できます。

(1) 障害基礎年金 + 障害厚生年金

(2) 老齢基礎年金 + 老齢厚生年金

(3) 障害基礎年金 + 老齢厚生年金

障害年金と遺族年金

障害年金を受給している方が、遺族厚生年金を受給できるようになった場合、65歳以後で以下のいずれかの組み合わせが選択できます。

(1) 障害基礎年金 + 障害厚生年金

(2) 障害基礎年金 + 遺族厚生年金

ベストな組み合わせを考慮する

このように、日本の公的年金は1人1年金が原則で、基本的に違う支給事由の年金を2つ以上受給することはできません。

但し、1人1年金の原則には特例もあり、支給事由の年金を2つ以上受給できる場合もあります。

そのケースでは、どの組み合わせが1番年金の受給額が高くなるかを考慮して選択することが大切です。

《小島 章彦》
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小島 章彦

執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦 小島 章彦

大学を卒業後、信用金庫に8年、システム開発の会社に約20年勤務。その傍ら、資格を生かした年金・労働・社会保険や、今まで携わってきた金融関係の記事を主にライティングしています。「分かりやすく理解していただく」をモットーに執筆しています。 【保有資格】社会保険労務士、行政書士、日商簿記3級 寄稿者にメッセージを送る

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