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クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険では「不十分」な理由 コロナ前後で変化した事情といま必要な補償額とは

保険 損害保険
クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険では「不十分」な理由 コロナ前後で変化した事情といま必要な補償額とは

海外旅行も徐々に復活してきました。

旅で必須なのが、海外旅行傷害保険です。

多くの高グレードのクレジットカードに無料で付帯していますが、この記事のテーマは

「それでは不安」

です。

掘り下げていきましょう。

海外旅行保険

有料の保険とカード保険

旅行に必須の、海外旅行傷害保険の確認からはじめましょう。

有料の保険商品と、カード保険を比較します。

保険の考え方

「リスクを過大に見積もり、過大な補償を選ぶ」ことがベストではないので、費用が最小限のクレジットカード付帯保険を使うことは間違いではありません。

ただ、医療制度の異なる海外でのリスクは飛躍的に高くなるのに、現状その高リスクに応じた補償はついていません

それでもカードの保険は無意味ではありません。

「死亡・後遺障害」以外の補償は、保険商品と重複して適用されるためです。

カードの補償を最小限のものと考えて、そこに保険商品を大きく上乗せしていくイメージを持ちましょう。

有料の保険でカバーされる範囲は広い

クレジットカード付帯の保険における標準的な内容と、さらに有料の保険(★)との補償内容の差を見てみます。

・ 傷害による死亡・後遺障害

★ 疾病による死亡・後遺障害

・ 傷害による治療

・ 疾病による治療

・ 第三者への損害賠償

・ 救援費用

★ 航空機遅延

★ 航空機預託手荷物

★ 緊急帰国費用、旅行変更費用等

疾病死亡補償があることは保険商品のメリットではあるものの、ここは重視しなくてもいいでしょう。

保険で最重要なのは、

海外で医師にかかる際の治療費の補償

です。

この上限額と、範囲(誰に適用されるか)が、有料の保険の場合大きく異なります

それから航空機遅延関連は、クレジットカードでは高グレードにしかついていません

航空機の遅延に十分な補償(宿泊、食事等)があると、むしろ遅延やトランジット失敗も旅の楽しみになります。

飛行機の遅延も保険でカバー

最も大事なのは治療費の補償

医療制度の異なる海外では、ケガや病気で治療を受ける際の医療費が著しく高額になることがあります。

手術や入院を伴うと、1,000万円以上の費用が発生することもあり得ます

さらに高額の実例もあります。

なにも持病がある人だけの話ではありません。

交通事故や犯罪に巻き込まれた結果、こうなることがあるのです。

以下は、補償の差です。

・ 保険商品・・・上限が500万円程度から、無制限

・ クレジットカード保険・・・上限が50万円から300万円程度が多い

クレジットカードだけだと、高額医療には対応できません。

保険商品の場合、現金で治療費をいったん立て替えなくていいのも、大きなメリットです。

カードだけでOKの人は限定される

「カードの保険だけで旅行に行ってもいい」少数派をここで決めてしまいます。

次の「すべて」に該当する人なら、カードだけでもおおむね大丈夫です。

高校生以下の子供が同行しない

・ 手持ちのカードの保険(海外での治療費補償)額の合計が、少なくとも1人500万円程度ある

・「利用付帯」カードの、保険が適用されるケースを熟知している

・ 健康で、海外で病気入院する危険は低い

本会員と家族カード会員で補償が違うことがあるので、補償額はよく見ておきましょう。

ひとつでも該当しない項目がある場合、保険商品を申し込まないとリスクが高すぎます

特に、家族カードを含めてクレジットカードを持てない、子供に対する補償が問題です。

ハイグレードカード限定で家族特約高額の例も

子供が同行する場合でも、次のように家族特約による治療費用の上限が高いカードなら、これ1枚でおおむね大丈夫です。

・ アメックス・プラチナ・・・家族特約1,000万円

・ 三井住友プラチナカード・・・家族特約500万円

・ エムアイカード・プラス・プラチナ・・・家族特約500万円

ただしこのようなカードは貴重です。

たとえばJCBザ・クラスでも、家族特約は200万円に過ぎません。

三井住友カードも「プラチナリファード」だと家族特約がありません。

2枚持ち前提なら役立つのがセゾン・プラチナ・アメックスで、こちらは家族特約300万円です。

カード付帯保険の現在

クレジットカードの海外旅行傷害保険は、コロナ以前と姿を変えています

以前詳しい知識を持っていた人ほど、気をつけてください。

保険自動付帯のカードが減った

コロナ禍以後、それまで保険「自動付帯」であったカードが、「利用付帯」になる事例が頻出しています。

この整理をします。

1. 自動付帯・・・カードを持っているだけで保険が適用される

2. 利用付帯・・・事前にカードで航空代金・ツアーの料金を支払うと、保険が適用される

利用付帯は、さらに細分化されます。

2-1. 空港までの交通機関代金をカード払いするだけでOK

2-2. パッケージツアーや航空券代金をカード払いするとOK

この違いを熟知していると、3~4枚程度のカード保険を合算することが可能です。

さて、もともと自動付帯であった次のカードブランドのうち多くが、利用付帯に替わりました。

・ セゾンカード・ 三井住友カード

・ セディナカード

・ オリコ

それから楽天カード(ゴールド以下)はもともと利用付帯でしたが、前述の2-1から2-2に替わっています。

家族特約はもともと低め

同行する高校生以下の子供に十分な補償があるのは、ごく一部のハイグレードカードのみです。

子供だからといって、旅先でのリスクは低くはなりません

複数のカード補償を合算する場合でも、家族特約の合計額にはご注意ください。

最低でも500万円程度欲しいものです。

家族で海外旅行へ行く際は十分な補償を

保険商品の相場

クレジットカードだけでは海外旅行に不安である点を見てきました。

現在の保険商品の保険料相場を見てみます。

次のような事例で、一括見積してみました。

タイ5日間・家族4人の場合

結果は次の通りです。

・ 治療費用上限500万円・・・3,500円~5,000円程度・ 治療費用上限1,000万円・・・4,500円~7,500円程度

これぐらいで家族全員の安心が得られるのであれば、加入しておくべきでしょう。

もちろんお手持ちのクレジットカードの保険に上乗せして考えればいいのです。

多くの商品にインターネット割引があります。

出発時の空港でではなく、必ず事前に加入しましょう。

事前加入によって、空港までの事故についても補償が受けられる理由も大きなものです。

保険に入り、安心して旅を楽しんでください。(執筆者:沼島 まさし)

《沼島 まさし》
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沼島 まさし

執筆者:金融系ライター 沼島 まさし 沼島 まさし

実践系キャッシュレスライター。 モットーは「経済圏に囲い込まれるな」「キャンペーンのためなら火の中水の中」 QRコード決済の地域還元のためなら、都内のあちこちに出没します。 たまにうっかり失敗しますが、失敗談もネタにしています。 寄稿者にメッセージを送る

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