キャッシュレス決済の中では、PayPayは高い人気を集めています。
人気の点では、Suica等の交通系ICを抜いていると言われており、実際に街中でもPayPayのバーコードを提示する人を頻繁に見ます。
ですが今回のテーマは、「PayPayだけでいいの?」です。
PayPayばかり使っている人は、おおむね損をしています。
目次
PayPayの還元率改悪
Yahoo!ショッピングとPayPayモール利用の際の、PayPayポイントの付与率が実質低下するお知らせです。
2022年12月頃からポイント付与対象が「税込額」から「税別額」に替わります。
QRコード決済のPayPay、クレジットカードのPayPayカード、PayPayあと払いのポイント付与対象は変更ありません。
実店舗メインの人については、著しい改悪でもありません。
2022年4月に実施の楽天ポイントの変更と、ほぼ同じ内容です。
PayPayは必須アイテム
この記事の目的は「PayPayは使うな」ではないので、PayPayの必要性から見てみます。
PayPayは次のシーンで最重要なキャッシュレス決済です。
・ 小規模な商店では唯一のキャッシュレスであることが多い
・ 自治体ごとに実施される大型(20~30%還元)のキャンペーン
小規模店舗でも使える
街の個人商店にも広くPayPayが浸透しており、キャッシュレスではPayPayのみ利用可能のお店も多くあります(実際にはLINE Payも利用可。還元率は同水準)。
QRコード決済も多数ありますが、優先順位としてまずPayPayだとはいえます。
大型キャンペーン
大型キャンペーンを実施しているQRコード決済はPayPayだけではありません。
ですがPayPayを使わないと、ずいぶん物足りないものとなります。
自治体ごとの大型キャンペーンは、東京の場合一例ですが2022年は8~9月に「墨田区」(20%還元)、9月に「新宿区」(25%還元)で実施されます。
この他、全国で随時実施されており、居住者かどうかを問いません。
地域を限るキャンペーン以外にも、ドラッグストアでのキャンペーン等頻繁に実施されています。
大型キャンペーンでは、PayPayにPayPayカード以外のクレジットカード等をセットして支払うと対象外になります。
PayPayカード(またはPayPayあと払い)がなければ、現金チャージ、銀行チャージ等でPayPay残高を作りましょう。
子供にお小遣いを与えるにも最適
子供もキャッシュレスの時代です。
送金機能を持つPayPayは、子供にキャッシュレス小遣いを与えるための唯一の手段ではないものの、非常に便利です。
PayPayの還元率は低い
便利なPayPayですが、還元率の点ではもはやキャッシュレス界でも最低ランクです。
大型キャンペーンでは通常の還元率など気にしなくていいのですが、日常使いでは選択の余地があります。
比較しながら具体的に見てみます。
通常の還元率は0.5%、Wポイントなし
PayPayの2022年現在の還元率です。
・ 残高払い → 0.5%
・ PayPayカード払い → 0.5%
・ PayPayあと払い → 0.5%
・ クレジットカード払い → 還元なし(セットしたクレジットカードの還元のみ)
PayPayカードやPayPayあと払いから事前にチャージができますが、チャージの際にはポイントが付きません。
つまり現在、Wポイントにする方法がありません。
還元率1.0%のクレジットカード(VISA、Mastercardに限る)を組み合わせたほうが、通常時は得になります。
なおライバルQRコード決済は、次の通りです。
・ d払い → dカードと組み合わせれば1.5%
・ 楽天ペイ → 楽天キャッシュ(楽天カードからチャージ可)で支払えば1.5%
・ au PAY → au PAYカード等からチャージして支払えば1.5%
それぞれ組み合わせる特定のクレジットカードが必要ではありますが、PayPayの3倍の還元率となります。
QRコード決済以外では、「ビューカードからチャージして使うモバイルSuica」なども1.5%の還元率です。
PayPayステップはハードルが高すぎる
すっかり低下したPayPay還元率をカバーする手段としてPayPayステップがあります。
ですが、達成には非常に高いハードルが設けられています。
街のお店で利用の際の、翌月の還元率を上げるための方法は次の通りです。
・「(300円以上)支払い30回」and「合計金額5万円」 → 0.5%アップ
・対象サービス3件以上利用 → 0.5%アップ
対象サービスとは、以下のものです。
・ PayPayモール or Yahoo!ショッピング
・ PayPayフリマ or ヤフオク!
・ Yahoo!トラベル
・ ebookjapan
・ LOHACO by ASKUL
月に5万円も使うのなら、最初から1.5%還元の決済で支払っていれば、PayPayとの還元率の差は1.0%(500円)です。
PayPayジャンボがあっても
PayPayジャンボは繰り返し実施されています。
買い物時の「あたり」を楽しみにしている人も多いでしょう。
これに熱中することをとやかく言うものではありません。ただ、還元率を重視するのとは別の次元の話です。
PayPayは用途を限定して使おう
PayPayはかけがえのないキャッシュレス決済ではあるものの、こればかり使うと損をします。
小規模店舗と、キャンペーンに特化して使うのがおすすめです。
キャッシュレス決済も、バランスよくいろいろ使っていきましょう。(執筆者:沼島 まさし)