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取り入れたい「ミニマリスト」という生活スタイル。

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取り入れたい「ミニマリスト」という生活スタイル。

物価高で家計の出費が増えるだけでなく、政府は情け容赦なく各種保険料を上げ、増税をも示唆しています。

そんな中、上がらないのは給料だけ。

ユニクロのようなグローバル企業なら、世界の趨勢に合わせて給料を引き上げるということもあるのでしょう。

しかし、多くの方が勤めている中小・零細企業では、原材料高や金利高、増税や社会保険料アップへの不安から、給料を引き上げるどころの話ではないというところも多くあります。

当然ながら、給料が上がるという望みは薄い。

そんな中で、何となく暗い気持ちになっている方も多いのではないかと思いますが、そういう方は、ちょっと発想を変えてみてはどうでしょうか。

ミニマリスト

「ミニマリスト」という暮らし方

「ミニマリスト」という言葉をご存じでしょうか。

モノを所有することに生活の重点を置かず、モノをできるだけ減らして最小限のモノで充実した生活をすることで衣食住をミニマム、つまり最小限にして自分にとって本当に必要なモノに囲まれて暮らすというライフスタイルです。

「モノを持たない」と聞くと、貧しいイメージを抱く人もおられるかもしれませんが、もともとこのライフスタイルは、アメリカの富裕層の考え方やライフスタイルから出てきたもの。

ゴテゴテといろいろなものを周囲に置くのではなく、洗練された上質のものだけに囲まれてシンプルに暮らすほうが、スマートで優雅だという価値観です。


個人的には、何人か「ミニマリスト」という方にお会いしましたが、共通しているのが、部屋にあまりものがなく、スッキリしていて清潔感があること。

また、着ているものもシンプルで化粧などもナチュラルなので、知的で飾らない優しい人柄という印象を与える方が多いです。

しかも、1つのものが、いくつもの役割をしている。

たとえば、好きなコーヒーカップがあれば、コーヒーだけでなくそれでスープも飲むし、花瓶にもなる。

お気に入りの素敵なカップに、いろいろな役割を与えているわけで、それが生活の楽しみにもなっているようです。

愛すべき一品があれば、数を揃える必要はない

私は、ミニマリストではありませんが、昨年暮れに、思い切って多数の鍋を処分しました。

鉄鍋や雪平の鍋、卵焼き器、親子丼鍋など二十点以上の鍋があったのですが、結局、手元に残ったのは、煮物もできる深めのフライパンと圧力鍋など数点。

おかげで台所がスッキリし、以前にも増して楽しく料理ができるようになりました。

何よりいいのは、持っている鍋をすべて把握でき、それを上手に使い回せば、衝動的に鍋を買うということもなくなります

通販で買った卵焼き器も親子丼鍋も、結局あまり使わなかったのは、良く考えたらフライパンで用が足りるから。

用途に合わせた鍋を買うよりも、フライパン1つで工夫して望む料理ができるスキルを身につけたほうが、料理が楽しくなります。

ミニマリストの方の中には、炊飯器を買わないと方がいらっしゃいましたが、彼女は、鋳物のホーロー鍋を持っていて、おいしくお米を炊くだけでなく、それでパンを焼いたり、煮物やローストビーフなど幅広い料理に使っていました。

愛着のある鍋で、様々料理を工夫するのが楽しいと言っていました。

気に入ったものを、工夫を凝らして着こなすパリっ子たち

大量にものを買い、大量に消費する時代は終わりました。

まして、たくさん買えるほど給料も上がらない。

だとすれば、ミニマリストという、自分の価値観で選んだ愛すべき1品を長く大切に使う価値観を身につけるというのは、節約にもなるはずです。

かつて「フランス人は10着しか服を持たない」という本がベストセラーになりましたが、みんなが10着しか持っていないということではなく、パリのアパートはせまくて収納も少ないので、愛着のある服を厳選して持っているという状況を言っているのだと思います。

パリで感心するのは、おばあさんが愛用していたスカーフとか、母親が愛用していたセーターなどを、娘も大切に使っていること。

パリっ子は、意外に流行の最先端を行こうとはしない。

自分の気に入ったものを、いかにエレガントに着こなすかに工夫を凝らすことが好きなようです。

たくさんのものを買わなくても、お気に入りのモノを大切に、上手に使う。

そんなミニマリストのライフスタイルを学べば、節約も前向きに楽しくできるのではないでしょうか。(執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子)

《荻原 博子》
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荻原 博子

執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子 荻原 博子

経済ジャーナリスト 1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「私たちはなぜ貧しくなってしまったのか」(文藝春秋)「一生お金に困らないお金ベスト100」(ダイヤモンド社)など著書多数。 寄稿者にメッセージを送る

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