最近、特定寄付信託を扱う信託銀行や銀行などが徐々に増えつつあります。今回は、この特定寄付信託のしくみとメリットについてお伝えします。特定寄付信託を利用できるのは個人です。寄付を希望する個人が、信託銀行などに財産を預け、信託銀行などのメニューにある公益法人などを指定し、指定した公益法人などに毎年寄付を信託銀行等を通じて寄付を行います。寄付先は毎年変更することも可能です。信託期間は5年以上10年以内の範囲で1年ごとに決められます。
また、信託した元本の3割を上限として、毎年、定期的に金銭を寄付者自身が受け取ることも可能です。寄付者の税務上のメリットとしては、確定申告により寄付金控除(所得控除)を受けることができます。寄付先が一定の要件を満たした公益法人であれば税額控除を受けることも可能です。また、信託財産の運用益は非課税です。
死亡した場合は信託財産の残額の全部が指定された寄付先に寄付されますが相続税の対象となりません。以上見てきたように特定寄付金信託のメリットは寄付先が指定でき、かつ、税務上のメリットを受ける点にあります。
なお、信託銀行等により、信託財産の最低額、信託報酬の有無、寄付先など特徴があります。特定寄付信託を利用できる金融機関は、みずほ信託銀行、りそな銀行、三菱UFJ信託銀行などがあります。