先週、数社の会社の新入社員を対象にお話をする機会がありました。
新人研修は、外部の人間にとって、その会社の社風やカラーを最も如実に感じることができる場のひとつ。
会社によって、雰囲気がまったく異なります。
まず、新入社員の表情が違う、態度が違う。その会社の方針に沿って採用しただけのことはある。
進行する担当社員の雰囲気も違う。会場の空気が違う。
それぞれ、「確かにこの業種ならそんな感じ」という人材なのです。
また、同じ業種の会社でも、会社によって、新人とはいえ個性を重視しようとしている会社、あるいは、早く会社の風土になじませようとしっかり管理しようとする会社などがありますね。
その場に居合わせるだけで、雰囲気が伝わってきます。
縁あってたまたま入った会社の「1年目」が、その人のその後の社会人人生に大きな影響を及ぼすのですから、会社は「ヒト」に対して大きな責任を負っています。
さて、本日の話は「財形貯蓄」。
「貯蓄のキホンに戻りましょう」という話。
「A銀行の定期預金がいい」とか「B銀行のその金融商品がお得」などという、細かいテクニックは少し横に置いておいて、着実に確実に貯めることができる方法。・・・「初心」にかえりましょう。
会社に財形貯蓄制度がある場合、会社の担当部署に申し込むと、「財形貯蓄」を始めることができます。
新入社員だけでなく、古参社員も、これまで財形貯蓄をしたことのない方は、ぜひ、してみてほしいですね。
放置しておくだけで、ほんとうに自然にお金が貯まっていきますから。
財形貯蓄の仕組みの最大の特徴は「給与天引」。
自分の給与・ボーナスの振込口座に会社からお金が振り込まれる時点で、すでに貯蓄額は差し引かれています。
会社員は、税金や社会保険料を自分で支払っている自覚はあまりないと思います。自覚はあっても痛みを感じている人は少ないでしょう。
しかし、いったん給与が自分の口座に振り込まれたあとから、自分で税金や社会保険料を支払うとなると、「いたぃ!」となります。身を切られる思いがする。
結果は同じでも、気持ちのこの違い、とても大きい。
財形貯蓄で給与から毎月差し引く額は、自分で決めることができます。
ボーナスから差し引く金額も、別に指定することができる。
会社員1年目なら、額面給与の10~20%程度の金額にしてほしいですね。
月給20万円なら、月2~4万円です。
ふつう私たちは、お金を貯めようとするとき、
「収入」-「支出」=「貯蓄」と考えます。
つまり、「お金が余ったら貯蓄しよう」と。
財形貯蓄の給与天引の仕組みは、
「収入」-「貯蓄」=「支出」を私たちに迫ります。
つまり、「貯蓄後の残ったお金を使いなさい」と。
この発想が、家計を締めてくれるのです。
なお、財形貯蓄は、会社員や公務員などの「勤労者」は利用することができますが、会社の役員、自営業者、自由業者、農業従事者などは、この仕組みでは「勤労者」ではないので、利用することができません。