現在国会で審議されている法案がこのまま成立すれば、現在5%の消費税率は、約2年後の2014年4月には3%上がり、8%になります。
そしてその1年半後の2015年10月からは、10%になります。
ほとんどの商品・サービスの価格に影響を与える消費税率ですが、なかでも高額なマイホームは、消費税だけで100万円を超えてしまいます。
幸い「土地」には消費税はかかりませんが、「建物」にはかかります。
ついでにいうと、ローンの保証料にも消費税はかかりません。
さらに、印紙税、登録免許税、不動産取得税などの税金にもかかりませんね。
・・・・その他のモノにはすべてかかります。
さて、建物の価格が2,500万円とした場合、現在の消費税率5%での税額は125万円。
8%に上がればこれが200万円。
10%では、250万円にもなります。
いっぽう、マイホーム取得を考える年齢層である30~34歳の男性の平均年収は432万円。
消費税8%分の税額200万円は、年収の46.3%。
消費税10%分の税額250万円は、年収の57.9%にもなるんですね。
おそらく、税率アップが決まると、相当な「駆け込み需要」が発生すると思われます。
そこで気になるのが、「駆け込む」タイミング。
いつまでに何をしておけば、現在の5%の税率ですむのか?ということ。
マイホームは、スーパーでの買い物とはワケが違います。
陳列棚から手にとってカゴに入れ、レジで支払うときに消費税を支払うというライトな感覚ではすみません。
購入の契約をしてから、実際に商品を自分のモノにする「引き渡し」までにかなりの時間がかかる場合があるのです。
たとえば、新築マンションの場合、まだ完成していないうちにモデルルームをみて購入を決定。売買契約を交わしたあと、完成~引越しまでに数ヶ月もかかかるケースがあります。
一戸建ての注文住宅を建てるときもそうです。
建築会社を決めて着工するまでに約3ヶ月。着工から完成までに3~6ヶ月。最初から考えると1年くらいかかると見積もっておく必要があります。
建築会社との建築請負契約のタイミングから、物件の引き渡しのタイミングまでには相当な時間がかかります。
政府はマイホームを購入する人に配慮して、次のことを考えています。
消費税がアップする半年以上前に契約していた場合(つまり2013年9月末まで)、物件の引き渡しが2014年4月(5%→8%)以降になっても、消費税率はこれまでの5%を適用するようです。
契約が2013年10月以降で、引き渡しが2014年4月以降の場合は、8%になります。
したがって、引き渡しまでに何ヶ月もかかりそうな場合は、契約を2013年9月末までにしておいたほうがよさそうです。
なお、引き渡しが税率アップ前の2014年3月末までの場合、契約時期に関わらず消費税率は5%です。
消費税率のアップのように、世の中の仕組みが大きく変わるときには、しっかりと情報収集をして、有利な選択ができるようにしておくと、あとで後悔せずにすみます。
そのためにも、マイホームを検討する場合には、少しゆとりをもってとりかかったほうがいいですね。