「年をとって介護が必要になったら、子どもに面倒をみてもらろうとは思っていません。さっさとどこかの老人ホームに入りたいと考えています」
男性よりも女性に多いですね。こう言うのは。
男は、妻よりも自分が先に逝くと考えていますから、老人ホームへの入所をまるっきり想定していません。
本気なのか冗談なのか、そんなことを簡単に口にする高齢者ににぜひおススメしたいのが、老人ホームの見学。
ご両親を連れて、見学されてもいいと思いますよ。
将来親を介護をすることになるかもしれない子どもとしても、老人ホームがどんなところなのか、知っておいて損はありません。
お金持ちならともかく、リゾートハウスのような豪華なホームに元気なうちから入所して、介護が必要になったら、専用の施設に移ろうと考えている方はマレでしょう。・・・どれだけお金がかかるかわかりません。
入所する限りは、そこを終の住処にする覚悟のはず。
いわゆる一般的な老人ホームを見学すると、「介護が必要になっても、なるべく施設には入らずに過ごしたい」と思い始めると思いますよ。
これまでの安易な発言をすぐに撤回したくなるはず。
介護施設には、さまざまな要介護状態の方々がいらっしゃいます。
自分よりも要介護度の重い人たちがたくさん・・・・。
そのような方たちばかりを身近に見て「近い将来自分もそうなるかもしれない」という思いの中で日常を暮らすのと、まわりに健常者が多い、これまでのふつうの生活とでは、どちらが自立への意欲が湧くでしょうか?
意欲が衰退するとからだも衰退していきます。
老人ホームでなくても、最近は、高齢者向けの賃貸住宅がたくさんできています。
「サービス付き高齢者向け住宅」というもので、バリアフリー、介護職員が常駐、生活相談や安否確認が可能。
料金は、首都圏で月額13~15万円程度。食事が付くと別途5万円程度がかかります。
このような住まいは、自宅だと心配だが、老人ホームのような介護施設は重いという高齢者に向いています。
介護が必要になっても在宅を希望する高齢者の住まいの受け皿にすべく、厚生労働省が昨年10月に「高齢者住まい法」を改正し、登録が始まりました。
10年後には60万戸を整備する計画のようです。