平成20年の住宅・土地統計調査によりますと、いまやニッポンの住宅は余っていて、空き家率たるや過去最高の13.1%。三大都市圏では12.1%、それ以外の地域では14.3%です。ちなみに、最も空き家率が高いのは山梨県で20.2%。実に、住居の10軒に2軒以上は、誰も住んでいないことになります。
そんな状況下、新築ばかりを造る従来の国の住宅政策は、中古住宅の流通活性化へと舵が切られています。あるモノを使おう~!!
また、私たちの収入はいっこうに増えないわ、昨今は電機業界のリストラ、給与・ボーナスの減額が話題になるわ、片や消費税率はアップするわ・・・そんなこんなで、値段の高い新築にはなかなか手が届かなそうなのであります。
そんなわけで、今後は中古住宅の購入を真剣に考える人が、今まで以上に増えるのではないかと思われます。
ところで、中古住宅は、業者から買うと消費税がかかりますが、個人から買うと消費税はかかりません。業者から買うというケースは、個人が自宅を業者に売却し、業者がリフォームを施して個人に売却するというような場合です。この場合、商売をしている業者から購入することになるため、消費税がかかります。
一方、個人が自宅を、不動産会社を仲介役にして個人に売却する場合、買う個人に消費税はかかりません。売る人は商売で売ってませんから(個人でも事業として行っている場合にはかかります)。
この消費税額の差額たるや、バカにならないと思いますよ。2,000万円の物件の消費税額は税率5%だと100万円ですが、10%だと200万円。差額は100万円です。したがって、中古住宅を個人から購入する人が増えるのではないかと、私は考えるわけであります。
しかし、個人が使い古した中古住宅ですから、購入後に壁紙を貼り替えたり、なんやかんやしてリフォームを施して自分好みにした上で住みたいと思うのが人情。リフォームをした中古を業者から買うよりも、中古を買って自分でリフォームしたほうが、消費税を除いても一般的には安上がりです。
しかし・・・・
業者から中古を購入する場合は住宅ローンがそっくり使えますが、中古を買ってその後にリフォームをする場合は、中古の購入時点では住宅ローンが使えても、リフォーム代金では住宅ローンが使えず、金利が高く借入期間が短いリフォームローンを別に組むしか一般的にはありませんでした。
これは不便。
住宅金融支援機構が民間銀行と組んで融資をする住宅ローン「フラット35」で、住宅購入費用とリフォーム費用をセットで借りられる「リフォームパック」の提供が始まりました。始まったのは7月9日から。
取り扱いをしているのは、SBIモーゲージとイオン住宅ローンサービスの2社。SBIモーゲージの場合、固定金利1.89%(返済期間21~35年)の住宅ローン「フラット35」とともに、変動金利2.675%(返済期間15~35年)のリフォームローンを融資します。融資額は1,500万円まで。
住宅ローンのリフォームローンの返済期間が同じだと便利です。しかも、金利もリーズナブル。
その他の民間銀行のなかにも、自行の住宅ローンにリフォームローンを組み込んで、一括して融資をする仕組みを導入している銀行が出てきています。
中古住宅を購入し、その後リフォームをするマイホーム生活・・・オススメです。