9月29日~10月7日までの9日間、マレーシアに出張してきました。マレーシアは、マレーシア・マイ・セカンドホーム(MM2H)プログラムという10年更新の居住ビザが比較的簡単な条件で取れることもあり、特に50歳以上のシニア層に退職後のリタイア居住地としていま一番人気のある国です。
今回の出張では、首都クアラルンプール、自然環境豊かな中部の都市イポー、ハイテク産業の進出でマレーシア第2の都市となったペナンの3都市を巡って、実際にマレーシアでリタイア生活を送られている方の生活環境、不動産市場の動向、MM2Hビザの取得方法等に関して調査を行なってまいりました。
MM2Hビザの取得に年齢制限はありませんが、50歳以上/未満で申請条件が異なり、50歳以上の方が申請条件は緩やかになります。50歳以上の場合は仮申請時に35万RM(約945万円)以上の財産証明があれば良いのですが、50歳未満の場合は50万RM(約1,350万円)以上の財産証明が必要となります。
本申請時に、50歳以上の場合は15万RM(約405万円)の定期預金を開設すれば良いのですが、50歳未満の場合は30万RM(約810万円)の定期預金が必要となります。但し、2年目以降、不動産の購入、子供の教育費、医療費目的に限り、定期預金の引き出しが可能ですが、50歳以上は10万RM(約270万円)、50歳未満は15万RM(約405万円)の残高をビザ有効期間中は残しておく必要があります。
上記以外に、毎月1万RM(約27万円)以上の収入証明、英文のカバーレター、ビザ申請用紙、銀行残高証明書、無犯罪証明書などの書類提出が必要となりますので、自力で申請することも可能ですが、様々な申請書類を用意しなければならない手間暇を考えると、専門の代行業者に依頼した方が効率的と言えます。
今回のマレーシア出張は計9日間の長旅になりましたが、現在、日本人の海外リタイア地として最も人気のあるマレーシアの物価の安さと医療水準の高さ、平和な多民族国家で英語が公用語になっており、教育水準も高く、欧米の大学への進学率が高いといった生活環境を詳細に確認することができたので、大変意義のある旅となりました。
また、マレーシアの所得税は、マレーシアの国内で得た所得に対してのみ課税されるため、いまのうちに香港で自分年金プランに加入しておいて頂ければ、将来マレーシアでリタイア生活を送ることになったときに合法的に非課税で配当収入を得ることができるようになります。また、マレーシアから日本へ戻らなければならなくなったとしても、マレーシアから日本への海外送金は簡単な手続きで行なうことができます。
ただ、MM2Hビザの申請条件は年々厳しくなってきているため、マレーシアで海外リタイアを希望される現在50歳以上の方で、15万RM(約405万円)の定期預金をマレーシアで開設可能な方は、早めにMM2Hビザを申請しておいた方が良いかもしれません。
但し、観光ビザでも3ヶ月滞在することができるので、最初は1~2ヶ月の長期ステイから始めて、慣れてきた頃にMM2Hビザを申請して1年更新のコンドミニアムの賃貸契約を結び、マレーシアでの永住を決断したら不動産購入という流れでも良いと思います。
現在50歳未満の方はMM2Hビザを取得するために30万RM(約810万円)の定期預金が必要となるため、現時点で急いで申請する必要はなく、タイやフィリピンなど他にもリタイアビザを申請可能な国の情報を集めながら、50歳以降から具体的に動き出しても遅くはないと思います。
今後、先進国の平均寿命は100歳前後まで伸びる可能性が高いと言われておりますので、50歳でようやく人生の折り返し地点、それから先の人生はゆっくりのんびり考えていけば良いのではないでしょうか?
但し、今後の少子高齢化に伴って、公的年金と医療保険が削減されてしまうことはほぼ確実な情勢ですので、長い長い老後の備えを現役の出来るだけ早い段階から始めておくのに越したことはありません。マレーシアに関して言えば、物価は日本の半分程度、医療水準は先進国並みですので、マレーシア移住後も適度な収入を得ながら、第二の人生を自由に暮らすことが出来れば最高ですね。
私自身はいまの仕事を香港で一生続けるつもりでおりますが、後継者にいまの仕事を任せてマレーシアに移住することができれば、日本人向け長期滞在用ペンションの経営&医療通訳サービス、マレーシアのインターナショナルスクールで英語教育を希望されるご子息向けホームステイ先の提供と斡旋、マレーシアで人気のある日本の中古車の輸入販売、そんなビジネスが有望ではないかと思います。
以上をもちまして、マレーシア出張報告とさせて頂きます。