折からの低金利で、一時「仕組預金」なるものが人気を博しました。ひとことでいうと「銀行に有利な条件をつける代わりに通常よりも利回りが高くなる預金」。この「仕組預金」を提供している銀行が相次いで取り扱いを停止しています(円建てのもの)。
理由は、金融庁が「デリバティブを使って上乗せした金利は預金保険の対象外」とする見解を示したため。預金保険とはすなわち「ペイオフ」の言葉で言い表されますが、「1金融機関1人につき、1,000万円までの元本とその利息は、金融機関が破綻しても保護される」というもの。ただし、「これまで預けた分は預金保険の対象にする」とのことですので、ひとまずは安心。
これから新規で募集される「仕組預金」は、金融機関としては、ペイオフの対象にならないことをしっかりと説明しなければなりません。そのための体制を整えるための一時的な取り扱い停止なのでしょう。私たち預金者も、「仕組預金はペイオフの対象外だから、金融機関が破綻すると預けたお金がまったく戻ってこない可能性がある」ことを、キモに銘じておく必要があります。ついでに言っておくと、外貨預金は元々ペイオフの対象ではありません。
・・・・ところで、「仕組預金」とは、いろんな種類がありますが、円建ての仕組預金のひとつを、定期預金との比較で例示すると以下のようなもの。普通の定期預金は、預入期間が決まっています。また、金利も決まっています。中途解約しても元本は保証されます。
いっぽう、仕組預金は、預入期間が延長、または、短縮される可能性があります。銀行が勝手に決めるのです。その代わりに金利があらかじめ高く設定されています。また、中途解約することは原則できず、解約すると元本を大きく下回ります。
預け入れたときよりも市場金利が上がると、銀行側は満期を短縮し、逆に市場金利が下がると、満期を延長する・・・そんな、銀行側に有利な預金です。