ネットのニュースを見ていたら,今日は芸能人の離婚訴訟の判決期日だったそうですね。芸能ネタには詳しくないので,中身は全然知らんのですが,一方が離婚したいと言って譲らず,他方が離婚したくないと言って譲らず,判決で離婚が認められたそうな。
このケースのように,「離婚するか,しないか」の点で互いに最後まで譲らず,判決まで至るケースというのは,私の経験上,あるにはありますが,滅多にありません。
離婚訴訟に至るような夫婦というのは,互いに,もはや修復は不可能であることを認めざるを得ないことが多いものです。弁護士が関与しなければ解決できない案件の中でも,離婚を前提としたうえで,お金や財産,子供の親権などについて対立するケースが多く,交渉や調停で解決できたり,訴訟になっても,判決に至らず,「和解」という形で,話し合いによる解決ができたりします。
「行列のできる法律相談所」を見ていると,一方が「離婚だ!」と叫び,「こういう場合に離婚できるか」という設例が時々ありますが,ちょっとナンセンスだなあと思ったりします。離婚の合意ができれば,離婚届を出せば離婚できるわけですから,
「離婚できるか」という問いは,「離婚するかしないかで対立し,判決に至った場合に,民法に定める離婚原因があると判断されるか」という意味です。しかし,「離婚だ!」と叫んだ瞬間,裁判官が出てきて判決を下すわけではありません。
実際には,「離婚だ!」というような出来事があったりして,次第に関係が悪化し,別居に至ったりし,話し合いがなされたり,できなかったりし,悩んだ末に弁護士に相談したりして,離婚調停を起こし,調停期日を重ね,それでも話がつかず,離婚訴訟を起こし,審理を進め,訴訟の中で和解もできず,といった長い時間を経て,「判決」まで至ります。
そういった長い時間の間に,夫婦関係が修復困難になっていくものです。テレビでは,いろんな弁護士が「離婚できる」「離婚できない」などと意見を述べていますが,上記のように考えれば,すべての設例で,「離婚できる」という答えになっても,間違いではないと思います。
ただし,離婚請求が難しい場合もありますので,簡単に考えないでくださいね。