相続手続きや相続税の申告などを行う場合において相続人の中に未成年者がいるときは注意が必要です。
まず未成年者の親権者(親)も相続人である場合には、未成年者である子とその親の利益が相反することになり、その親は遺産分割協議などにおいて代理人が必要な未成年者の代理人となることができません。そこで代わりの代理人である特別代理人を家庭裁判所で選任してもらう必要があります。なお選任手続に当たっては未成年者に法定相続分以上の取得をするとした遺産分割協議案を付ける必要があるようです。
特別代理人の詳細は、下記の裁判所サイト 特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合) をご覧下さい。
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_11/index.html
この特別代理人が選任されるまでには1~2ヶ月かかるため、その間遺産分割協議ができないことになります。そのため特別代理人が選任されないうちに相続税の申告期限を迎える場合には未分割による申告をせざるを得ず、小規模宅地等の特例(措置法第69条の4)や配偶者に対する相続税額の軽減(相続税法第19条の2)の適用ができずに税負担が重くなることが考えられます。
併せて遺産である預金の引出もできないこと(クローズされたまま)からの納税資金不足も考えられます。
特に相続税申告が必要な場合で未成年者とその親が共同相続人であるときには早急に特別代理人の選任手続きを行う必要があります。