TPP問題と海外送金規制から見る日本の思惑についてお話ししたいと思います。そもそもTPPとは、FTA(自由貿易協定)の一つである「環太平洋戦略的経済連携協定」のことです。正式名称はTrans-Pacific Partnership(略してTPP)。別名、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement。日本語で表記の場合が環太平洋戦略的経済連携協定となります。
TPP参加の予想できるメリットに触れてみましょう。
■ 関税の撤廃により貿易の自由化が進み日本製品の輸出額が増大する。 ■ 整備・貿易障壁の撤廃により、大手製造業企業にとっては企業内貿易が効率化し、利益が増える。 ■ 鎖国状態から脱しグローバル化を加速させることにより、GDPが10年間で2.7兆円増加すると見積もられている。
ということがメリットとして挙げられています。
では、デメリットはというと、
■ 海外の安価な商品が流入することによってデフレを引き起こす可能性がある。 ■ 関税の撤廃により米国などから安い農作物(特に米)が流入し、日本の農業に大きなダメージを与える。 ■ 食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などの規制緩和により、食の安全が脅かされる。 ■ 医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国保制度の圧迫や医療格差が広がると危惧されている。
ということです。
このTPPへの参加には、今や国論を二分する大問題となっていますが、世界的潮流からは参加するしか道はないとも唱える専門家が多勢います。自国の産業、関税権利を固辞したいとしか他国からは取られかねません。
これだけグローバル化されてしまった経済情勢の中、米国さえ参加し、隣国、韓国はこのTPPを最大限利用して躍進している以上、日本も同じ道を歩むしかないとも言えるということです。
海外投資、外貨預金のための海外送金に関しても、各金融機関に政府指導のもと、異様に厳しいチェックを要求しています。何故、日本は意固地に、経済鎖国状態、金融鎖国を敷くのでしょうか?何故、そんなに国内の資金が海外に流出することにピリピリするのでしょうか?何か大きな意図するものが垣間見れます。
TPP論争、海外送金規制に見られる日本、政府の神経質とも思える動きは、世界が望む“日本デフォルト”への対抗策じゃないかと考えてしまうのは私だけではないはずです。現況、どれだけ日本の病が進行しているのか・・・。傍観せず、十分に把握する必要があります。