生命保険は、大きく第一分野(主に死亡保障)と第三分野(主に医療系)に分かれます。特に、この第三分野は、医療の発達とともに大きく変わってきます。つい、数年前までは、先進医療特約という考え方そのものがありませんでしたし、入院日数支払限度(日数)も120日が主流でした。(今は60日が主流)
今回は、ガン保険について、現代のガン治療に必要なガン保険とはどういうものか考えてみたいと思います。
目次
1.ガン治療の実態
ガンは、今でも死因の第1位ではありますが、以前とは様相が違います。以前はガンという病気は不治の病。かかったら最後、死を覚悟しなければなりませんでした。しかし、医学の進歩とともに治療方法も進み、早期に発見された場合、5年生存率が90%を超える治療方法も確立されてきました。ありがたい話です。
しかしながら、医学の進歩とともに、治療費用も上がってしまいました。更に、入院日数は短くなりましたが、予防も含め、通院治療が主体になったため、長期に渡り費用がかかります。
また、ガンになった方は、どうしても再発のリスクが高くなるため、2度3度のガン治療費用が発生する可能性も高くなりました。ガンは、お金のかかる病気。お金を用意できた方は充分な治療が受けられ生存可能性は高くなりますが、お金の用意ができなかった方には、依然、死の病なのです。
まさに、「お金で命を買う。」という行為がまかり通る病気がガンなのです。
2.ガン保険の実態
巷には、ガン保険が溢れています。特に昔から入っていらっしゃる方、保険料が安いからと言って、イザという時、本当にあなたのことを守ってくれるのでしょうか。
ガン保険を考える時、ポイントは大きく3つです。
(1)診断給付金 いくらで、いつまでで、何回出るのか、上皮内ガンもカバーしているか。
(2)手術給付金 いくらで、何回出て、先進医療等はどこまでカバーしているのか。
(3)通院給付金 一日いくらで、何ヶ月カバーしてくれるのか。
証券を見たことがない方も多いのですが、ガン保険の証券は比較的見やすく分かりやすいので、簡単に確認ができます。そして、ガンの一連の治療に対して、300万円は確保したいところですね。
3.理想のガン保険とは
では、理想のガン保険とはどんな保険になるでしょう。上記3つのポイントから考えると、
(1)診断給付金は、複数回(2年ごとが望ましい)出て、できれば完治するまで2年おきに給付されるといいですね。それから、上皮内ガンでも満額出してくれること。
(2)入院給付金は、もちろん入院している期間に制限なく出ること。
(3)手術給付金は、同じガンで複数回手術をしても、それをカバーしてくれて、しかも、先進医療を受けても全額カバーされること。
(4)通院給付金は、通院日数の制限がなく、治るまで出ること。
これを全て満たすガン保険はまだ存在しませんが、近い保険も出てきています。ぜひ、探してみてください。
4.最後にもう1つ
第三分野の保険設計に多いのですが、入院給付金の1日○○円を決めると、自動的にその倍数で、手術給付金や診断給付金が決まってしまうことが多いのです。そうなると、保険料も考えると、圧倒的に1日1万円のコースを選択される方が多いのが実態です。
しかし、ちょっと待ってください。
ガンの一連の治療には300万円を確保したいんですよね。これで、確保できますか?たぶん、100万円くらいの自己負担が発生します。
では、どうすれば・・・? ガン保険を終身で入る方は多いのですが、これを5年とか10年の更新型で入るのです。たぶん、終身1万円/日と10年3万円/日の保険料は、そんなに変わらないはず(年齢・性別にもよりますが)、であれば、私は少しでも日額の大きい保険を選択します。
冒頭にもお書きしましたが、今の医療は日進月歩です。この10年で、どれだけ進歩するか分かりません。もしかしたら、ガン=風邪程度の病気になっているかもしれません。ですが、この10年を生き延びなければ、それを享受することはできないのです。今は、お金さえかければ、延命が手が届くところにまで来ています。
保険は単なるお守りではありません。いざという時に役に立ってこそのものです。どんなに財テクしても、命が無くなれば無意味です。まずは命を守りましょう。